入国〜通貨偽造は犯罪です〜
しばらくは生き残る予定です
俺が目を覚ましたのは平原だった。
近くに立派な壁がある。
ようやくテンプレ的な転生が出来た……
「さて早速検索能力を使うか」
《レイグ王国の外壁……魔法で強化されており強固。
また上空からの攻撃には壁が伸びレイグ王国を覆い尽くす。ちなみに壁沿いに右へ1km先に検問がある》
何か制限を付けたらしいが中々便利な能力だ。
……神についても検索してみるか?
いや何があるかわからないし日付が変わる直前まで我慢しよう。そこまで生きてられるかわからないが。
「とりあえず入国してみるか」
手ブラだと怪しまれる可能性が高いので大きなリュックなどを創造し、服装も旅人っぽいものを創造し着替えた。
数十分歩くと槍を持った兵士が数人で検問している扉の前に辿り着いた。
「レイグ王国へようこそ。
御用は何ですか?」
「旅をしてるんですが、そろそろ食料が尽きそうだから備えようと思って」
「なるほど、では身分を証明するものはありますか?」
当然そんなものはない。
「すみません旅の途中紛失してしまいました」
「では、こちらのブレスレットを付けて下さい」
そう言って兵士は様々な紋様が描かれているゴツい手錠のようなブレスレットを手渡して来た。
「これは国内で犯罪行為をした場合、魔力封じの牢獄へ転移されるようになっている魔法具です。
国内で外しても同様の効果が現れます」
「凄いですね」
魔法具については知らないが、かなり珍しく強力で高価なものだろう。こんなものを素性の知らない者に使うなんて。
「はい。とても貴重な物なので入国料として10万エニ頂いています」
検索能力と想像の創造能力で10万エニをリュックの中で創り兵士に手渡した。
……極力金は創造しないでおこう駄目人間になる。
ちなみにエニはこの世界共通通貨で日本円と全く同じ価値のものだった。
「確かに。では中へどうぞ。
あ、この国で新たにギルドカードを作って置くことをオススメします。入国料の三分の一が返却されブレスレットも外せて全国共通で身分証として使えますので」
「ありがとうございます」
兵士に感謝し扉を開けた。
「おぉ」
中は活気で溢れた商店街だった。
「お兄さん!外国の人かい!?
レイグ王国名物のオークの串焼き美味しいよ!
1本50エニだよ!」
オークって人型の豚みたいなやつだろ?
そう考えると気持ち悪いが、この世界で生きていくにはそういった食文化にも慣れなきゃいけないし食べてみるか。
「1本ください」
「あいよ!50エニね!」
先程の金の創造の制限しなければという考えは捨て50エニを創造し串焼き屋のおばさんに渡し串焼きを受け取る。
「さあ熱い内に!」
おばさんに言われるがまま串焼きを口の中へ入れた。
「う、美味い!?」
今まで食べたどの肉よりもジューシーで美味しい。
「だろ?もう1本いるかい?」
「はい!」
「兄ちゃん串焼きだけじゃなくてウチのも食べていきなよ!」
こうして俺は異世界の食べ物に感激し金を創造しまくり食べ歩いた。