フォースコンタクト&転生(6回目)〜ラッキースケベ〜
俺は転生した瞬間、神へのパンチを繰り出した。
そのパンチは何の手応えもなく空を切った。
『今は触れられる存在だから君に与えた能力じゃ殴れないよ!残念でしたあ!あははっ!』
と、頭の中に神の声が響いた。
「くそ!」
神への復讐はまたの機会にして現状の確認をするか。
視界を遮る湯気、清潔感溢れる床と壁、空には満点の星空が、そして池のような温泉……うん温泉だ。
「取り敢えずワー「きゃあああ!」あっ」
ワープをしようとしたとき、温泉に少女が入ってきた。当然温泉という事で少女は裸だ。
身体の至るところに擦り傷のようなものがあるが綺麗だ。そして程良く付いた筋肉は素人の俺でも美しいと思えるものだ。
短く艶のある黒髪と琥珀色の大きな目、バランスの取れた顔のパーツ……俺が出会った人達の中で1番の
美少女だ。ん?何か驚いてるような表情だな?
そんなことを考えていると美少女はいつの間にかその手に剣を持っており、そのまま迷いなく剣を振り下ろした。
「ちょっ!誤解だ!」
俺の言葉は届かず、視界が暗転した。
切られる寸前に見ていた剣の太刀筋は何故か俺の死因第1位の鎧と同じものであった。
意識が戻ると俺は再び全てが赤色の空間にいた。
『君は馬鹿だねぇ』
神は俺に笑いながらそういった。
『女の子の裸体を無駄に強化された思考能力で隅から隅まで観察したせいで反応に遅れて殺されるなんて』
悔しいが何も反論出来ない。
「次の能力はもう決まってる!
俺の知りたい事の答えを教えてくれる検索能力だ!
だから早く転生させてくれ!」
『あはっそんなに恥ずかしがる事ないじゃん!
確かに馬鹿にしたけど君らみたいな生物は種を残すために異性への興味が本能的に植え付けられてるからね』
「うるさい!さっさと転生させろ!」
『わかったよ君をからかうのは次の転生時にさせてもらうよ』
「次はそう簡単に死なない」
『まあ期待してるよ。
じゃあ早速能力あげて転生させるよ。
あ、でも検索能力は君を駄目にしかねないから使えるのは1日3回、それに少しだけ制限をつけるからね』
そして俺は6回目の転生をした。
すぐ死ぬのはこれが最後ですかね