転生(5回目)〜気を利かせろ〜
『うん、もうここまで来ると才能だね。
いくら転生してもすぐ死者となる君には超転生者級の死者という称号を与えるよ。
地球で生きてこれたこと自体が奇跡で運を使い果たしたのかな?』
超転生者級ってダンガン□ンパ?
そんな才能いらない。
「……なんで俺は死んだんだ?」
『この空間内なら上がった思考速度で答えがわかるはずだよ』
まあ大体の予想はついてるし『この空間内なら』というヒントをくれたことで確信した。
「思考速度に脳が追いつかなくてオーバーヒート」
『大正解。
まあ思考速度が上がってなくてもわかるよね』
でも、可笑しくないか?
俺は森を見渡して少しだけ考え事をしただけだぞ?思考速度がいくら上がっても数分程度で既に強化されている身体が耐えられなくなるのか?
『実際そうなってるんだから真実を受け止めなきゃ。
それと考え事が少しだけというのは違うよ。
人間には無意識というものがあるからね。
例えば君が花を見たとする、綺麗だなと考えている間にも色や匂い花の細部、花の用途とかを無意識の内に考えてしまっているんだ。
でも頭の中に浮かぶ考えは1番最初に感じたもの、そう見た目が綺麗だということだけ。所謂第一印象だね。
……おっと、もう話に飽きてきてるね』
「無意識とかの説明はいい。
要するに上がった思考速度を認識出来ないところでフルに使ったことでパンクしたんだな」
『イエス!無意識の方が普段考え事と認識してるところよりも考え事が多いから普通は無意識のせいでパンクとかしないんだけどね』
「なるほどな。
確かに俺は思考速度を上げるよう言ったが馬鹿正直に思考速度を上げる奴があるか!?
最初の転生の時は気を利かせて身体能力も上げてくれたのに何で今回も気を利かせなかった!?」
逆ギレだ。だが無意識の思考とか考えた事もなかったし納得出来るわけがない。
『ははっ怒りながらも思考速度が上がっているから理性的に自分の逆ギレとわかっても尚怒るのか』
「当然だ!あの頭に走る激痛の中、最後の最後まで意識を手放せず痛みを反芻させてたんだぞ!?
あの痛みを思い知れ!」
『そんな事より次はどんなチートが欲しい?
脳の機能の拡張はサービスで付けるから大丈夫だよ』
「俺が新しいチートを貰ってそれでどう死ぬのか楽しみにしてないか?」
『呆れを通り越して面白さを見出してるよ。
まさか呆れの先に面白さがあるとは新発見だったよ。
君は本当に面白いなあ』
「クソ野郎が!」
『神としてありとあらゆる力や権力を利用して君という存在を完全に消滅させるよ?』
「既に何度も死んだ身だから消滅とか勝手にすればいい」
そう答えると神は楽しそうな声で『君ならそう言うと思ったよ』と言った。
それが余計に腹立たしく思ったが俺も神がそう言うと予測していたから何だか笑いそうになった。
『で、次の能力は?』
「そうだな。
触れられない存在に攻撃出来る能力が欲しい」
『何をする気か分かってるけど了解。
早速転生させるよ』
「ああ」
自分はv3の終わり方好きですね
それより5章のスクラムの主人公というか流れが唐突に感じましたね