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孤高の神風〜やっぱり私は運が良い!〜

憂鬱な気持ちのままギルドへ行くと受付の人はすぐ依頼主を紹介してきた。


「こちらが依頼主のサキ様です」


依頼主のサキは日本人ぽく黒髪黒目の余り手入れがされていないのかボサボサの短髪で身長も低く野生児という言葉が合いそうで商人には見えなかった。

まあ恐らく無一文で望まぬ異世界転移をしたんだ。

生きているだけでも俺よりも凄い。


「私の依頼受けてくれてありがとうございます!

しかもあの有名な【孤高の神風】だなんて!

やっぱり私は運が良い!」


「ん?なんだその【孤高の神風】って」


そんな厨二チックな二つ名知らんぞ。


「本人なのに知らないんですか!?

たった1人で風のように早く依頼を達成する神業から付いた貴方の二つ名ですよ!国中【孤高の神風】の噂で持ちきりですよ!」


「……嫌な予感しかしないが噂の内容を教えてくれるか?」


「えっとですね!

今は亡き勇者、あるいは勇者の生まれ変わりとか、異国の王族や露出狂で変態だからパーティを組んでも直ぐ解散になるなんて噂もありますね!といっても最後のは極々一部の人が流してるだけの100%嘘だと信じてます!」


最後のはアノ少女が流してるんだろうな……あの子には悪いことをしたからな。この国に戻って来ることがあれば、いつか詫びをして誤解を解かないといけない。

この間、詫びを入れようと近付いたら以前街ですれ違った時のように叫ばれてロクに話せもしなかったし時間が良い方に働いてくれればいいんだけど。


「それで噂は本当なんですか!?」


「ただのギルド員が生まれ変わりや王族とかあると思う?」


「思いますよ!事実は小説よりも奇なりって言うじゃないですか!それにここは……

そもそも【ただのギルド員】ではないですよ!

黒ランク、それも天然物なんて歴史上でも数えられるぐらいって聞きましたよ!」


「それもそうかもね。

どれも嘘だから信じないで欲しいかな。

話はこれぐらいにして、そろそろ依頼を始めますか?」


「あっそうですね!依頼中にでも話すことは出来ますし」


馬車をとめている場所に着くと街から離れているためか人が全くいなかった。

気は進まないが神様からの頼まれ事を果たすには絶好の機会だから俺は口を開いた。


「えーサキさん」


「はい?」


「貴方はこことは別の世界から、いきなりこの世界へ転移させられましたね?俺も似たような境遇何ですが」


「えっ! 本当ですか!?

あっだから強いんですね!何らかの不思議な力を貰うアニメとか見たことあります!

いいなあ私は魔法の適正とかなくて身体能力もそのままだったから羨ましいです!」


「……不満とかないのか?」


「え?なんでですか?

異世界に転移するなんて宝クジで億単位を数回当てる以上の確率だと思うんですよね!

やっぱり私は運が良い!」


「今なら地球に戻れるん「戻りませんよ!」えっ?」


被せ気味に言われてしまった。


「私のことですから戻りたくなったら異世界転移した時みたいに戻れると思うんですよね。

それよりも今は異世界を堪能したいんです!」


「その謎の自信はどこからきてるんだ?」


「私の運が良いと気付いた時から今までのジャンケンの勝敗359戦359勝、もちろんアイコなし!

1等億単位の宝クジを7回買って7回とも1等!

人生イージーモードすぎだと思っていたところに無一文の超ハードモードで異世界転移!

少しハード過ぎると思っていたところに貴方が来てくれた!

ねっ!私って運が良いでしょ?」

最近年配の方に対する嫌悪感が酷い…3日連続(当然それぞれ別人)で変な因縁付けられて絡まれたせいだ…だから老害だの言われるんだよ…

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