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属性検査

13歳は魔法の属性を調べる年。

このときの適正でこれから伸ばしていく魔法がわかる。


ということで適正を見てもらうために私はお義母様と共に魔法局に来ていた。


魔法局は地方ごとに置かれており本署は王都にある。

毎年13歳になった少年少女は身分関係なくここに来て適正を見てもらう。


これは一種の戸籍登録みたいなもので子供の死亡率が高いこの世界は13歳になるまでは戸籍はない。

やっと13歳になったらできるお陰で子供の取引があとをたたない。

前世とは全く違うなぁとこういうとこで感じる。


「ではここに手を入れてください」


目の前の机に置かれたのは水の入った桶。

しかしこの水はただの水ではなく“真実の水”と言われる自分の属性を見るときに使う水なのだ。

特別な水なので簡単に手に入らない。よってわざわざ魔法局に足を運ぶ必要があるのだ。


「はい」


隣ではお義母様がまだかまだかと見ていた。

私も期待を膨らませて水に手をいれる。


数秒後に変化が訪れた。

私の真っ白い手を中心に渦を巻き始める。

それを黙って見ていると色が出てきた。私の手が溶け込むような白だった。

え、なにこれ?知らないんだけど。


大抵は火の色である赤、水の色である青、風の色である銀、大地の色である茶色、植物の色である緑。そして稀に闇の色である黒、光の色である金色、時の色である紫、魅了の色である桃色、雷の色である黄色、氷の色である水色。


これらが見られるという話は聞く。


でもさ白ってなによ。

まさか現世の私はチート系なの?私になにを求めてんのよ!


「………これは、」


魔法局の人も言葉を詰まらせている。


「……これはなんの色なのかしら?」


お義母様がたまらず質問する。

私も知りたい。


「……これは、たぶんですけど。確証はないんですけど!ほんとにあり得ませんけど!」


とんだけ念おしてんのよ。


「無属性ではないかと!」


は?

無属性??

なによそれ


「すいませんが私には判断しかねますのでお待ちください!」


そう言うと魔法局の人は慌ててどこかへいってしまった。


厄介なことになったぞ。

チート系だったらどうしてくれよう。

私にはヒカリという厄介なやつまでいるのに!

ここにまさかの前代未聞の属性ってなったらもう手のつけようがない。


溜め息をはきそうになるのを耐えて魔法局の人が駆けていった方を見る。

するとタイミングよくさっきの人と一人偉い人であろう方がきた。

藍色のローブを身に纏っていて緑色の髪をしている。

偉い人だろうか。


「あら、スフィル様。ごきげんよう」


お義母様はその方を見て挨拶をする。

私も慌てて桶から手を出して挨拶をした。


「初めまして。サファミュア・フロージルと申します」


淑女の礼をとる。

すると相手は目尻を下げて微笑んだ。


「これはご丁寧に。スフィル・デニルだ。ここフロージル領の魔法局長を勤めている。以後お見知りおきを」


魔法局長か……。随分偉い人がでてきたものだ。

あーこれだからチートは!!


「さてさて挨拶はこのくらいにしておいて……適正をもう一度儂に見せてくれないかな?」


「わかりました」


もう一度桶に手を突っ込む。

するとさっきと同じように渦を巻いたあと水が白く濁り出した。


「ほほぉ……これはこれは。」


え、そんなに希少なの白って?!

ついついスフィル様の顔をまじまじと見てしまった。


「白というのはな知っているものが少ないくらいに珍しい色なんじゃよ。純白の白。何にも染まらぬ色。逆にどの属性にも染まる色でもある。矛盾しているのだが使えば本人が一番わかるじゃろうな。そして神に愛された色でもある。世界で一人しか持っていた者がいないといわれているから知っている者も一握りしかいない忘れ去られた色。それがここで見れるとは……人生長く生きたかいあったのぉ。」


のんびりと笑うスフィル様に遠い目をしてしまう。


これは俺TUEEEEE!!!!!ってやれってことなの?

世界征服するぞ!とかハーレムヤッホイ!みたいな?


精霊を連れ属性はめちゃくちゃ珍しい。次は何が来るのか……

私はただのんびりしたいんだけどなぁ。


「魔力量も多いようですから将来が楽しみですのぉ」


穏やかにそう言うが私ってさ秘密兵器かなんかになるしかないじゃん。


こんな力もて余しておしまいだよ………


とても憂鬱な気持ちになりながら帰宅する。

お義母様はすこし複雑な顔をしながら私を励ましていた。


スケールの大きさにきっとついていけてないんだろう



自分の力に怖くなってくる。



そしてその力が後に大きく関わってくるのをまだ知らなかった。




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