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  「これでいいかしら?」



「全然いいですっ!むしろそれがいいですっ」



「クスッ…じゃあこのドレスに着替えましょう。ついでだから少しお化粧をしましょうか」



「お願いします!」



 人魚だったら絶対に経験できない体験をするという事もあって、アリエルの興奮のボルテージは最高潮に達していた。



「ちょっと目を閉じてていただけるかしら?」



「はいっ」



 美女に言われた通りに、アリエルは目を閉じる。

 その頭の中は、人間の世界の事と、これから体験する事でいっぱいだ。




 ロイお兄様に、どんな物を贈ろうか。

 そもそも人間の世界にはどんな珍しい物があるんだろうか?


 それに今、私は人間が普段している"お化粧"とやらを体験しようとしてる。

 私達人魚は常に海の中で生活してるから、お化粧とかする必要がないんだよね。

 ていうかしても無意味。

 水で流れちゃうから。



 だからこの"お化粧"とやらは人間にならないと絶対にできない貴重な体験だ。


 自分はどんな風に変身したのか?


 それを考えるとワクワクしてきて、早く目を開けたくなる。



「目を開けていいわよ」



 やっとお許しが出て、アリエルは(はや)る気持ちを抑えながらゆっくりと瞼を上げた。




「わぁ…っ」



 目を開けて、飛び込んできた光景にアリエルは歓喜の声を上げた。



 なぜなら、目の前の鏡に映ったのが、銀色の髪を丁寧に結い上げ、うっすらと化粧を施した少しだけ大人びた自分の顔だったか らだ。

 青いドレスもまるで私の為にあるかのようにピッタリと身体にフィットしていて、動きやすい。



「貴女は元々整った顔立ちをしているからね。紅を引いてシャドウを塗っただけにしておいたわ」



「ありがとうございます!」



 確かに美女の言う通り、化粧は薄い。

 だがそのおかげでアリエルの整った顔立ちは無駄にならなく、更に引き立たせていた。






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