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とりあえず、今日、こんな顔触れで出かけたわけはわかったけど。
「でもさぁ、それなら、別々に行動した方がいいんじゃないの? その方が標的になりやすいっしょ?」
「ユノちゃんは、私に出かけようって言われて、二人で出かけたい?」
「ヤダ」
悪い人じゃないんだけど、リアム一人だと、ちょっと間が持たないから。リディかイハル兄も一緒だったらいけそう……うん、やっぱ無理。
「ね? 私と出かける理由も、対外的なものが必要になるんだよ。特に、今回狙われてるのはエレンちゃんだから」
「ってか、何がどうなったらこうなるわけ?」
エレンさんが、女の子もいないと嫌だ、って拒否するのは、何となくわかる。その辺、みんな知ってそうだし。
んでも、そこに将軍とかリアムがくっついてくる理由って、何?
「事情はいろいろあるんだけど、ざっくり言っちゃえば、私が街へ行こうとエレンちゃんを誘ったら、女の子が一緒じゃないと嫌だと断られた。それでユノちゃんを確保した。でも、それだとユノちゃんにかまい倒しで私が面白くないから、せっかくだし、ってことで、ヴァージル将軍も誘ってみた。ってとこだったかな?」
何でリアムが誘うのか、ってことは置いといて。流れとしては、そんなに違和感ないよね。あたしはリアムと同じ隊だし、一応、母さんが将軍に縁談を打診、ってことになってるし。
縁談がどうなったかなんて、母さんにわざわざ聞かないから知らないけど。多分、いろいろスッキリするまで、しばらく放置なんだろうね。
「……そこまで考えてあったの?」
呆れてるエレンさんが突っ込んだら、リアムがニコッて笑った。
あれ、まだ何か隠してる顔だよ。隠しごとっていうか、企んでるっていうか。
「それは建前でね。実際は、二人きりの時に狙われると、対処がややこしいからだよ。ついでに、ヴァージル将軍狙いの人間と、エレンちゃん狙いの連中とで牽制しあってもらって、ここでは出られなくするのも目的かな」
何となーく、企みはそれだけじゃないと思うけど……うっかり突っついてとばっちりなんてゴメンだから、あたしは何にも言わないよ、うん。
「やっぱリアムって、妙に知恵が回るよね」
「そりゃあ、ユノちゃんみたいに、単純明快、猪突猛進、直感命、で生きられたら、私ももっと伸び伸びと自由に生きるよ?」
む……それだと、あたしが何にも考えてないみたいじゃん、?まあ、確かに、あんまり考えてないけど。
あ、でも、ヘザーのことはちゃんと考えてるよ? こっちに来てもオッケーってなったら、いっぱい遊ぶんだもん。あと、もうちょっと筋肉つけて、ほっそい槍だったら振り回せるように、頑張るつもり。
もちろん、ヘザーが戦場でも平気、っていう子だったら、の話だけどね。
鎧見たら見境なく襲う子だと、さすがに出せないじゃん?
んー、久しぶりにヘザーに会いたいかも。って、まだひと月も経ってないけどね。
「ねね、エレンさん。今度、暇があったら、ヘザーに会いに行きたいなぁ」
「ああ、そうね。ジリアンからも、そろそろ来いと催促されているから、ちょうどいいかもね」
「じゃあ、ヘザーにお土産持っていきたい! 何食べるのかなぁ? あ、食べさせちゃダメなら、何か違うのにするけど」
「まだ子供だから、向こうにあるものだけ食べさせるのが無難ね。今度行って、ジリアンに確かめて、それから持っていけばいいわ」
あ、そっか。そうだよね。
それに、ヘザーだって、食い意地張ってるとは限んないじゃん。ドナみたいに、お散歩が好きかもしれないし。カノ姉みたいに、お花とかリボンとか、女の子らしいのが好きって可能性もあるもんね。
行ったらまず、美人さんに、ヘザーの好きなもの聞かなきゃ! で、次行く時は、いっぱい持っていくんだから!
ヘザーは何が好きなのかな、って考えてたら、将軍があたしの手をギュッと握ってきた。前を見たら、リアムとエレンさんが全然笑ってない笑顔だし。
何か来るのかなぁ……まあ、あたしの今日の目的は手に入れたし、お菓子はまた今度、って言われても、しょうがないから我慢するけどさぁ。
あっ!
「ねね、将軍。あたしの荷物、落っことさないでね?」
持っててくれるのはありがたいけど、何かあってなくされたら困るもん。
「最大限、努力はします」
「じゃあ、私に寄越して。ヴァージルのせいで、ユノ嬢とおそろいができなくなるなんて冗談じゃないわ!」
「ねえ、エレンちゃん。エレンちゃんのは私が持って、ユノちゃんの分はエレンちゃんが持つのはどう? お互い、落とさないように気合いが入るでしょ?」
言いながら、リアムがエレンさんの荷物をひょいって取り上げて。ムッとしたエレンさんが、将軍の手からあたしの分を持ってく。将軍は一瞬ぽかーんとして、苦笑いで肩をすくめてる。
力関係が変わったと思ってたけど、そうでもなかったのかな? っていうか、リアムが一番強くって、エレンさんと将軍が、その時々で逆転する感じ?
「いい? あの場所に集合だから。ヴァージル、きちんとユノ嬢を連れてくるのよ?」
言うなり、エレンさんが走り出した。リアムもわかってるみたいで、遅れずに……って、むしろリアムがエレンさん引っ張ってるし。




