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 部屋に戻ったら、グレースとリディの荷物も運び込まれてた。

 この部屋は、ちょっと変な造りしてるんだよね。

 入り口に近い半分が、共有スペース。ここにソファとテーブルがあって、お客様をお出迎えもできるっぽい。もちろん、集まっておしゃべりってのもいいよね。で、奥は壁があって、ドアが三つ。中もそれぞれ仕切られてて、個室になってんの。個室の中は、ベッドとちっちゃな文机と、クローゼットがあって。

 宮廷騎士団の宿舎だけあって、三人部屋でもなかなか豪華なんだよね。これで個室だったら、どんだけすごいんだろ?

 んで、あたしは何となく、入って左側の端っこ使ってたんだけど。

「グレースが真ん中なんだ?」

「あたし、真ん中って落ち着かないのよね。グレースに聞いたら、真ん中でいいって言ったの」

「へぇ……あたしも、真ん中って嫌なんだよね。こう、お兄ちゃんやお姉ちゃんたちの間で寝ると、いっつもつぶされてたからさぁ……ついつい、端っこに行っちゃう」

「あははっ、ユノ、小さいもんね」

「うっさい。ぶっちゃけちゃうと、あたしと父さん以外、みんな寝相悪いから。で、端っこにいないとつぶされんの」

 隅っこで小さくなって寝てれば、朝までぐっすり寝れる。でも、うっかり真ん中に寄っちゃうと、誰かに蹴られるか踏まれるか殴られるかつぶされるかして、途中で目が開いちゃうってわけ。

 一番いいのは、父さんを壁にして、あたしが壁際に行くこと。これだと、何があっても朝まで熟睡できるし。

「そういえば、ユノ。あんたもサイズ測られたの?」

 サイズ? ああ、ドリスのことかな?

「あー、うん。あたしの像が造れるんじゃないかってくらい、メッチャしっかりとね」

「あたしもグレースも、やっぱり採寸されたんだけど……あれって、何でだかわかる?」

「さぁ? 何か、問答無用で鎧も服もはぎ取られて、パパッと測られて、服着たら将軍が入って来たから、聞く暇なくって」

 ちょいと肩をすくめて呟いて、ふとリディとグレースを見たら、何でか引きつってた。

「あ、裸見られたとかじゃないよ? 服は着てたし。逆に、あたしがジッと見てたくらいで」

 ブッ、てリディが噴いた。グレースはきょとんとして、目をパチパチしてる。

「将軍、全体的にいい筋肉してたよー。イハル(にぃ)といい勝負!」

 で、リディがお腹抱えて大笑い。グレースは相変わらず、きょとんとしてて。

 ひょっとしてあたし、変なこと言ったの?

「え? あれ? 割とよく知ってる人だったら、筋肉とか見たくなんない? ついでに、触ってみたくなるっしょ?」

「……普通はせいぜい、シャツの袖をまくってもらって、ちょっと見る程度でしょ。あんたみたいに、ジロジロ眺めて、ベタベタ触るなんてしないわ」

「だって、見たら触りたくなるじゃん?」

 しかも、できるなら直接! 思う存分触りたいじゃん!

「イハル兄だったら、遠慮なく全身がっつり触らせてもらうんだけどなぁ……」

 ぶつくさ文句は言われるけど、別に拒否はしないんだよね。ああでも、これからはダメかも。グレースがいるし。

 まあ、いいや。父さんとユウガ兄が残ってるから、何とかなるっしょ。

「あのねぇ、ヴァージル将軍でも、騎士(エクエス)でも、今はたっくさんいるでしょ? 適当に見繕ってらっしゃいな」

「騎士様たちはダメって、もう将軍に言われたし。ってか、騎士様たちとそこまで仲良くなるの、さすがにめんどいって言うか。それなら、将軍でいいっしょ?」

「あらまぁ……将軍ったら、かわいそうに。強い男と筋肉がだぁい好きな、変な子に好かれちゃって」

「今は、ダメって言う人には頼まないし」

 見ていいよ、触っていいよ、って人にしか、言わないもん。

 うんと小さい頃、近所で無差別やって父さんに思いっきりゲンコツ食らったから、それからはやってないし。

 将軍にだって、嫌だって言われたらしないよ?

 ってか、無差別やったの、イハル兄は知ってるし。だからきっと、文句言いながらも触らせてくれるんだよね。またやったら、みんなに迷惑って、思ってんだよね……もうしないのに。

 そういや、ユウガ兄、お腹ちょっと引き締まってたっけ。前は微妙にプニプニしてたけど、なくなってた。

 チオリ(ねぇ)が、幸せ太りだからしっかり働いてきなさい、って言って、ユウガ兄がデレデレしてたっけ。

「そうだ、リディ。幸せだと太るの?」

「……あんたねぇ、その脈絡のない話題をポンポン投げてくるの、どうにかなんないの?」

「この間、チオリ姉がユウガ兄に、お腹のプニプニは幸せ太りだって言ってたの、フッと思い出してさぁ。なーんか、急に気になって」

 幸せだったら、無駄なプニプニがつくってことはだよ? 幸せを感じたら、うんと動かなきゃダメってことじゃん?

 今あたし、メッチャ幸せだからさぁ……ヤバいってことじゃん?

「それって、新婚で奥さんのご飯がおいしくて、ついつい食べ過ぎて太るって話じゃなかった? 暗くなってから訓練で消費するってわけにもいかないし、寝るだけが基本でしょ? 食べ過ぎたら簡単に、ブクブク太るに決まってるじゃない」

「へぇ……そうなんだ? そういえば、ユウガ兄も、結婚してからプニプニしてきたっけ」

 なーるほど。さっすがリディ! いろいろ知ってるよね。

 チラッと見たら、グレースも感心して頷いてた。

 んでも、イハル兄は大丈夫だと思うよ? あの人、本気で自制心すごいから。自分の体に関しては、ものすごいきっちり管理してるし。六年ではっきりわかるくらい筋肉増えてて、びっくりしたくらいだから。

 あの生活につき合うと、正直めんどいけどね。

 ……あれ? あたし、ご飯は心配ないけど、ひょっとしておやつとかお菓子、いっぱい食べたらマズい? ユウガ兄のお腹みたいに、プニプニになっちゃう?

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