序章~8~
『何?どうかしたの?』
「『何?』じゃねーよ!俺の学校、今日から期末テストで9時に試験始まるんだ!」
『別に慌てなくてもいいんじゃないの?キミ、シリウス高校の学生でしょ?ここからあまり離れてないし、十分間に合うじゃん』
「そう言うことじゃないんだよ!俺、赤点しか取ったことしかないから、今回のテストで半分以上取らないと進学がマジで厳しいんだ――ってなんでお前にこんな話ししなきゃならんのだ!」
『ふーん』
聞いてきて無関心かよ!
「あーもう!誰かさんを助けなければ今頃、必死でヤマを教えてもらいに走り回ってるはずなのにー!」
すると"彼女"はしばらくして、
『……そうね。そうだよね、キミは私を助けようとしてくれただけだもん……
よし分かった!私が教えてあげよっか?』
「えっ?お前今なんて?」
『だ~か~ら、テスト中に私が教えてあげるって』
「いいのか?」
『うん、そんなことでよければ』
こいつ、思ったよりも義理堅いじゃないか……いや、こんないい奴を邪魔物にしていた俺がバカだった!
『どうしたの?早く行かないと遅れるよ?』
「ん?…あぁ、じゃあよろしく頼みます、中田さん」
『タメなんだし敬語はやめてよ。それにカナって呼んで?そういえばー、キミの名前まだ知らない』
「そうだったか?俺は幕堂卓也ってんだ。よろしく」
『分かった、じゃあタクね。ひとまず体を戻す前にテストといこうか』
普段、女子とも喋っているけど名前同士で呼ぶのは初めてだから、正直こそばゆい。
「カ、カナが本当にそれでいいなら…」
ザワザワ……
「?」
俺はそこで初めて気が付いた。何と言うことでしょう!彼の周りに人だかりが出来ているではありませんか!そして、人は彼を「亜空間の支配者」(アブない人)と呼ぶのです!
あぁ、またやっちまった……ん?誰かが服を引っ張っている。
「どうしたの?おばあちゃん。えっ?頭を打ったんじゃないかって?大丈夫だよ?おかしくも何ともないよ?えっ、何これ??せんべい?!おせんべいもいらないから?ご飯もしっかり食べてるし、心配しないで!」
『は、早くいきましょ!なんだか私まで恥ずかしい……』
なんとかその場を納めた俺は、急いで病院を後にした。
はい。これで序章の終了です。人生初小説をほとんど修正無しに載せているんで読み辛くて当たり前なんですが。それでも気にせず読んでいただけると嬉しいです。準無修正。なにこのいやらしい響き。