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ど田舎活性化vtuber達とプロダクションを世界的にバズらせたい!  作者: 久遠 魂録


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異国の窓辺と、泥を落とすための作戦会議

この度は、数ある作品の中からこの物語をお手に取っていただき、誠にありがとうございます。どなたか1人でも、当作品の存在を知っていただけるだけで幸いです。

フランスのクサック村。ボルドーの風がブドウ畑を揺らす穏やかな午後、杠みよ(ゆずりは みよ)は、現地の古い石造りの家の一室で、端末の画面を食い入るように見つめていた。画面の中では、日本の佐賀県から配信された「メタバース・ガタリンピック」のアーカイブが流れている。泥にまみれ、身動きが取れなくなった和歌やマキの姿は、フランスの静かな農村に住む彼女にとって、何よりも刺激的で、かつ少しだけ心配な光景だった。

「日本の皆さんは、いつも賑やかで楽しそうです。でも、あのアバターについた泥のテクスチャ、本当に落ちるのでしょうか」

みよは素朴な疑問を抱きながら、ノートに「泥の粘度と友情の比例関係」と書き記した。彼女は交換留学生としてこの地に来ているが、心は常に日本の仲間たちと共にある。そこへ、現地の海外担当VTuberであり、エマの姉であるアイリス F. クサックが、紅茶を運びながら声をかけてきた。

「Miyo, 心配しなくても大丈夫よ。SAGASAGA(サーガ・サーガ)の演算能力なら、再起動リブートすれば泥なんて一瞬で消えるわ。でも……あのプロデューサーのことだから、きっと普通のやり方は選ばないでしょうね」

アイリスは流暢なフランス語で、含み笑いを漏らした。彼女は日本の漫画やアニメに精通しており、こういう時の「お約束」を熟知している。みよは少しだけ首を傾げたが、アイリスの言葉の真意は、数時間後のメタバース本社で証明されることになる。

その頃、日本の三瀬村では、エマ F. クサックが自宅のダイブ機を磨き上げていた。

「みよちゃん、アイリスお姉ちゃん! あたしたちも準備万端デース! 泥んこの後は、ピカピカのクリーンアップ作戦デース!」

エマの明るい声が、三瀬の山々に木霊する。彼女たちはそれぞれの拠点で、楠木プロデューサーからの「掃除当番」の招集を待っていた。


仮想空間SAGASAGA(サーガ・サーガ)は、泥まみれのイベントから一夜明けても、なおその熱狂の残滓を留めていた。MUⅡプロダクションの本社スタジオ。そこには、昨日の「スーパー接着泥」のテクスチャがこびりついたままの、不憫なアバターたちが集結していた。

「おいおいおい。あたいの最高級スキンが、これじゃあまるで土偶だぜ。再起動しても泥が落ちないなんて、楠木さん、一体どんな呪いのコードを埋め込んだんだぜ」

山本マキが、泥で固まった関節をぎこちなく動かしながら愚痴をこぼす。彼女の背後では、鹿島幸来が泥の塊をペットのように撫でていた。

「ふにゃ……。この泥、なんだか愛着が湧いてきちゃったぉ。幸来、このまま『泥の妖精』としてデビューしてもいい気がするぉ」

「何を言っているのですか、幸来! 泥の妖精なんて、わたくしの美意識が断固として拒否しますわ!」

第2SS学園の放課後を終えて駆けつけた七海和歌が、泥まみれのドレスを必死にブラッシングしながら叫んだ。

「早く、早くこの汚れを落として頂戴! 明日は学園でアリアとのランチの約束がありますのよ! 仮想空間の汚れが精神にまで染み付いてしまいそうですわ!」

スタジオが喧騒に包まれる中、満を持して(あるいは不吉な予感と共に)楠木こころが登場した。彼女は今日のために、Sカンパニーの予算(の一部)を投じて購入した「秘密兵器」を携えていた。

「皆様、お待たせしました! 泥が落ちないなら、物理的に、いえ、データ的に削ぎ落とせばいいんです! 紹介します、全自動・超高性能・清掃ロボット『クリーン・殲滅デストロイ君一号』です!」

楠木こころが胸を張ってボタンを押すと、スタジオの床から、無数のレーザーと回転ブラシを装備した、清掃ロボットというよりは「戦闘用ドローン」に近い物体が浮上した。

「あ、あわわっ! ちょっと設定を『深層洗浄ディープクリーン』にしすぎたかもしれません! しかも、このロボット、汚れを『スタジオ内の不純物』と定義して、排除するまで止まらない設定になってました!」

楠木こころの「うっかり」が、またしても最悪のタイミングで発動した。清掃ロボットは、泥のついた和歌のドレスに照準ロックオンを定めると、猛烈な勢いで回転ブラシを突き出してきた。

「あっち退くケロ! あの機械、あたちの三瀬峠の加護まで掃除しようとしてるケロ! 幸来、マキ、逃げるケロ!」

三瀬かえるが、泥を弾き飛ばしながらスタジオの梁へと飛び移る。

「おいおいおい! 掃除じゃなくて、あたいらを消去デリートしにきてるぜ! これが本当の『クリーン・サバイバル』だぜ!」

マキの叫びを合図に、スタジオ内での命がけの清掃劇が始まった。和歌は泥まみれの裾を翻して逃げ回り、幸来はロボットに「落ち着くぉ、いい子だぉ」と話しかけてはレーザーを浴びそうになる。フランスからログインしているエマやみよも、画面越しに「頑張ってデース!」と手に汗握って応援するしかなかった。


一時間に及ぶ激闘の末、ロボットは自身のバッテリーを使い果たし、スタジオの真ん中で沈黙した。

結果として、スタジオ内の泥は完全に消え去っていた。……泥どころか、壁のテクスチャや床のタイル、さらには和歌のドレスの装飾の一部までが「不純物」として綺麗さっぱり消去されていたのである。

「……楠木さん。スタジオが、ただの『白い立方体プロトタイプ』に戻っちゃったぜ。これ、復旧させるのにどれだけ予算がかかるか、計算してるのかだぜ」

マキの冷ややかなツッコミに、楠木こころは真っ白になったスタジオを見渡して、乾いた笑いを漏らした。

「よ、よかったです……。泥は確かに落ちましたね! 壁や床がないなら、また新しい壁を作ればいいんです! ほら、地方創生も、一度更地にしてから新しい建物を建てるって言いますし!」

「そんな極論、聞いたこともありませんわよ! 早くわたくしのドレスを直して頂戴!」

和歌の怒号が響く中、幸来は真っ白になった空間に座り込み、のんびりと空(のような白い天井)を眺めていた。

「ふにゃ……。でも、何もなくなったから、これから何でも作れるぉ。明日はみんなで、どんなスタジオにするか相談したいぉ」

幸来の幸運な一言に、張り詰めていた空気がふわりと緩んだ。泥にまみれ、ロボットに追い回され、全てを失ったはずのスタジオに、不思議な安堵感が広がっていく。

地方の小さなプロダクションは、プロデューサーのドジによって一度は更地になった。しかし、そこから何を作り上げるかは、少女たちの自由な想像力に委ねられている。バズりの火種は、意外にもこの「空っぽのスタジオ」から、新しく生まれるのかもしれない。



【MUⅡプロダクション 運営日誌より】

①本日の進捗:

・スタジオ内の泥テクスチャ、消滅。

・メンバーの回避能力サバイバルスキルが大幅に向上。

・杠みよ、清掃ロボットの挙動を分析し、「効率的な逃げ方」をフランスのアイリスに報告。

②本日のアクシデント:

・楠木プロデューサー、清掃ロボットの購入費用を「消耗品費(お茶代)」として計上しようとして事務局に差し戻される。

・スタジオの全テクスチャが消去され、現在、本社の外観が「豆腐」のような白い塊になっている。

③楠木プロデューサーの一言:

「リセットボタンを押す勇気が、新しい未来を作る……って、Sカンパニーの偉い人が言ってた気がします!」

この物語は完全にフィクションであり、実在するVtuberの知っていただく目的で執筆したコメディーラノベです(笑)「#鹿島幸来」「#やまもとまき」「#vtuber」で検索してみてください。良かったら、応援してあげてください。

ですが読者の皆さま、数多ある作品の中からこの物語をお手に取っていただき、誠にありがとうございます。どなたか1人でも、当作品の存在を知っていただけるだけで幸いです。

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