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ど田舎活性化vtuber達とプロダクションを世界的にバズらせたい!  作者: 久遠 魂録


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4/5

祭りのあとの静寂と、深夜のチャイム

この度は、数ある作品の中からこの物語をお手に取っていただき、誠にありがとうございます。どなたか1人でも、当作品の存在を知っていただけるだけで幸いです。

大盛況のうちに幕を閉じた「特産品サンプリング・パレード」の余韻は、深夜の佐賀県内にも静かに漂っていた。武雄市の自室でダイブ機から降りた七海和歌は、心地よい疲労感と共に、鏡の前で髪を整えていた。第2SS学園のクラスメイトであるアリアとの共演は、想像以上の反響を呼び、SNSの通知は今も途切れることがない。

「……全く、あの楠木さんの強引さには呆れますわ。でも、悪くない夜でしたわね」

和歌は一人ごちると、ベッドに身を投げ出した。しかし、その安眠を妨げるように、スマートフォンの通知音がけたたましく鳴り響く。MUⅡプロダクションの緊急グループチャット。送信者は、我らがプロデューサー、楠木こころであった。

同じ頃、鹿島市の「潟ら辺」では、鹿島幸来が半分夢の中へ落ちかけていた。パレードで「ふなっこ」を配りきった達成感に包まれていた彼女の耳にも、枕元の端末が震える音が届く。

「……んぉ。楠木さん、どうしたんだぉ?」

眠い目を擦りながら画面を覗き込むと、そこには悲鳴に近いメッセージが並んでいた。

「大変です! 打ち上げ用のピザを注文したのですが、注文数の欄に今日の最高同時接続数を打ち込んでしまったみたいで、今、事務所の前にトラックの列ができています!! 助けてください!!」


深夜二時。仮想空間SAGASAGA(サーガ・サーガ)内のMUⅡプロ本社スタジオには、緊急召集されたメンバーたちが次々とログインしていた。

スタジオの床を埋め尽くしていたのは、物理演算の限界に挑戦するかのような、天高く積み上げられたピザボックスの山である。その光景は、もはやスタジオというよりは、巨大な「ピザの要塞」と呼ぶにふさわしかった。

「おいおいおい。あたいの動体視力でも、このピザの枚数はカウントしきれないぜ。楠木さん、どんぶり勘定にも程があるだぜ。これ、全部食ったらあたいらのアバターのデータ容量がパンクするぜ」

山本マキが、呆れ果てた様子でピザの山を仰ぎ見る。彼女はメタツッコミ担当として、この状況が「深夜の飯テロ配信」としてどれほどの攻撃力を持つかを瞬時に算定していた。

「わあ、すごいぉ。ピザの匂いが、データの海を越えてここまで届きそうだぉ。幸来、なんだかお腹が空いてきちゃったぉ」

幸来がふらふらとピザの山に近づくと、その山頂から三瀬かえるが飛び出してきた。

「あっち退くケロ! このピザは全部あたちのものケロ! 三瀬峠の神の胃袋をなめるなケロよ!」

かえるは幼いアバターでピザを抱え込み、野生的な手つきで箱を開け始めた。フランスから見守るエマ F. クサックも、画面越しに「オーララ! 日本のピザ・フェスティバルデース!」と興奮を隠せない様子だった。

和歌は扇子で口元を隠し、絶望的な表情でこの光景を見つめていた。

「……わたくし、明日は学園の登校日なんですのよ。こんな深夜に、この油まみれの円盤と格闘しなければならないなんて、令嬢としての矜持が許しませんわ」


「申し訳ございません! でも、注文してしまったものは仕方ありません! 捨てるのはもったいないですし、これはもう……ライブ配信で消費するしかありません!」

楠木こころが、ピザの箱に躓いて転びながらも、必死の形相でカメラを回し始めた。彼女はおっちょこちょいな気質をフル回転させ、瞬時に「深夜のASMR大食い配信」の枠を立ち上げたのである。

「ええい、ままよだぜ。こうなったらSAGASAGA(サーガ・サーガ)の全ユーザーを胃もたれさせてやるぜ!」

マキの号令と共に、配信がスタートした。

幸来が眠気に耐えながら、とろりと溶けたチーズを伸ばし「ふにゃ……おいしいぉ……」と呟く。その瞬間、コメント欄には「癒やされる」「最強の飯テロ」という文字が怒涛のごとく流れ始めた。

和歌も最初は拒んでいたものの、アリアから届いた「私も見ているわよ」というメッセージに動揺し、フォークとナイフ(デジタル版)を駆使して優雅に、かつ猛烈な勢いでピザを口に運び始めた。

フランスのクサック村では、杠みよ(ゆずりは みよ)がノートを広げていた。

「ピザのチーズの伸び具合……。フランスのガレットとはまた違う魅力がありますね。これも、日本の『ど田舎』が世界に発信する新しい文化なのかもしれません」

楠木こころは、タブレットを上下逆さまに持ったまま、増え続ける視聴者数を見て感涙にむせんでいた。

「よ、よかったです! 注文ミスから始まった配信ですが、なんだか皆さんの絆が、このチーズのように長く伸びて繋がっている気がします!」

地方の静かな夜は、一人のプロデューサーのドジと、それに巻き込まれた少女たちの旺盛な食欲によって、熱狂の渦へと変わっていく。深夜のピザパーティーという名のカオスは、世界のどこかで誰かの空腹を刺激し、MUⅡプロダクションの知名度をさらに底上げしていくのであった。



【MUⅡプロダクション 運営日誌より】

①本日の進捗:

・「深夜のピザASMR」配信、同時視聴者数が前回のパレードを一時的に上回る。

・鹿島幸来の「寝落ちピザ」が切り抜き動画として100万再生を突破。

・山本マキ、ピザの箱を利用した新しいリスナー参加型ゲームを考案。

②本日のアクシデント:

・楠木プロデューサー、ピザのトッピングを間違えて「わさびマヨネーズ」を全数に指定してしまい、後半は罰ゲーム大会と化す。

・三瀬かえる、食べ過ぎてアバターの腹部が一時的に二倍に膨張する。

③楠木プロデューサーの一言:

「間違えて頼んだピザの数だけ、皆さんと笑い合えた気がします。支払いは……来月の私のお給料で、なんとかします!」

この物語は完全にフィクションであり、実在するVtuberの知っていただく目的で執筆したコメディーラノベです(笑)「#鹿島幸来」「#やまもとゆき」「#vtuber」で検索してみてください。良かったら、応援してあげてください。

ですが読者の皆さま、数多ある作品の中からこの物語をお手に取っていただき、誠にありがとうございます。どなたか1人でも、当作品の存在を知っていただけるだけで幸いです。

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