表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仲間に裏切られたガチャ中毒の俺、異世界で無限召喚スキルを手に入れ、最強の軍勢で世界を征服する  作者: ジャクロの精霊


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

372/407

届かなかった光 ― 勝郎の最期

森を包む静寂は奇妙で、ほとんど不自然だった。


ハルトは勝郎の遺体をエルフの神殿へと運んだ。そこでは、女神官アストラ・ノクス、香織、そして数人の妻たちが、彼の容態を安定させようとしていた。


エルフの賢者は彼の胸に光の結晶を置いた。


「彼の魂は砕け散った…そして彼の体も…」


ハルトは震える声で答えた。


「ならば、彼を癒せ。必要なことは何でもして。」


賢者は視線を落とした。


「ハルト。神に砕かれた魂は、古代の魔法でさえも再生できない。」


ハルトは拳を握りしめた。


「試してみろ!どんな犠牲を払おうと構わない!」


香織が彼の腕を取った。


「ハルト…落ち着いて…」


しかし、彼はそっと腕を離した。


「だめ…もう二度と彼を失うわけにはいかない…」


アストラ・ノクスは、冷静かつ真剣な表情で、アストラル安定化の儀式を始めた。


「もしエクリプスの穢れを封じることができれば…もしかしたら、彼の魂は再生するまで体内に留まるかもしれない…」


手錠が円を描き、エネルギーを統合した。


水晶が振動した。


空気が明るくなった。


一瞬…


効果があったように思えた。


勝郎の胸が上がった。


かすかな生命の糸が彼の中に蘇った。


香織は涙を流しながら微笑んだ。


「息をしている…息をしている!」


しかしその時…


彼の体が激しく反り返った。


彼の口から黒い煙が噴き出した。


水晶が一つずつ爆発した。


アストラは後ずさりした。


「だめ!神の穢れはまだ体内に残っている!」


セリンドラは叫んだ。


「溶けていく!」


ハルトはカツロに飛びかかり、彼を抱きしめた。


「カツロ、待って…待って!死なないで!」


カツロの目はかろうじて1ミリ開いた。


彼の瞳孔はもはや赤くはなかった。


それはハルトが覚えている人間の瞳孔だった。


「…ハル…と…」


ハルトは震えた。


「僕はここにいる。

僕は君と一緒だ。

大丈夫だ。

君は強い。

君は生き残れる…」


カツロは痛みに顔をしかめた。


「僕は…こんなつもり…じゃ…なかった…」


ハルトは死にゆく男の額に額を寄せた。


「わかってる。

君がそんなことを思ってなかったって、わかってる。」


カツロは血を吐いた。


腕を上げようとしたが、手が震えた。


ハルトは彼の手を握った。


「大丈夫。ここにいる。」


カツロの声は途切れた。


「許して…

こんなに…

弱かったことを…」


ハルトは絶望に首を振った。


「君は弱くなかった。

今まで弱かったことは一度もなかった。」

カツロは悲しげな笑みを浮かべた。


人間の笑み。


友の笑み。


「ありがとう…そう呼んでくれて…」


彼の手は力なく動かされた。


息が詰まった。


そして頭を垂れた。


神殿全体が静まり返った。


香織は口を覆い、泣いていた。


エルフの賢者は視線を落とし、儀式の言葉を唱えた。


アストラ・ノックスは戦士の死を悼み、目を閉じた。


セリンドラは跪き、初めて涙を流した。


ハルトは泣かなかった。


泣けなかった。


彼はただ、友の亡骸を抱きしめた。


長い間。


ついに、彼はかすれた声で呟いた。


「ごめん…カツロ。

到着が遅すぎた。」


冷たい風が神殿を吹き抜けた。


そして遠くから聞こえてくる笑い声――日食の神の声が、ハルトの心の中で一瞬響いた。


「警告しておいただろう、選ばれし者よ。全てを救うことはできない。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ