星界の女王と禁断の夢
夜が更けた。
双子はぐっすり眠っていた。
香織とマルガリータはハルトに抱きしめられ、休息をとった。
数週間ぶりの太陽帝国の静寂は、まさに完璧だった。
ハルトは目を閉じた…
そして世界は消え去った。
ハルトはありえない場所で目を開けた。
足元には星の海が渦巻いていた。
足跡は星座を刻み続けた。
空気は暖かく…まるで永遠の夜明けのようだった。
背後から、柔らかく、明るく、力強い声が聞こえた。
「やっと眠ったか…ハルト。」
彼は振り返った。
星界の女王セリンドラは腕を組んで彼を見つめていた…しかし、彼女の顔にはほんのりと赤みが差していた。
彼女のドレスは銀河を織り合わせたかのようだった。
彼女の髪は、まるで生きている夜空のように漂っていた。
ハルトは優しく眉をひそめた。
「セリンドラ?また夢に?」
彼女は目をそらした。
「また」じゃない。いや、いや…いや…何かを見に来たんだ。」
ハルト:
「何だって?」
セリンドラは苛立ちと嫉妬、そして困惑で唇を噛みしめた。
「どうしてあんたの家には妊婦がこんなに多いんだ?」
ハルトは瞬きをした。
「え?」
セリンドラは憤慨したように両手の指で指差した。
「お前は、一人が自分の上に、一人が隣に、二人が腕にしがみついて寝ていたじゃないか…しかも全員妊婦なのに!
そんな風に女神が平静を保てるわけがないだろ!?」
ハルトは謝るべきか笑うべきか分からなかった。
「セリンドラ…もう半年も経ってるんだから。当たり前だろ…」
彼女は顔を赤らめながら、彼の言葉を遮った。
「普通じゃない!
人間には無理だ。
そして…宇宙のバランスを崩すような…人間には無理だ。」
ハルト:
―何だって?
セリンドラは深呼吸をした。
―忘れろ。別の目的で来たんだ。
セリンドラは手を挙げた。
星々が集まり、暗い影を形作った。三つの目を持つシンボルだ。
―蝕の神。
彼は自らを暁の貪り者、ヴァ=ロックと名乗る。
ハルトは寒気を覚えた。
―あれが我が帝国を襲った存在か?
―いいえ。
―取るに足らない欠片に過ぎなかった。―彼女は重々しく答えた。
ハルトは拳を握りしめた。
―あの神は何を隠しているんだ?
セリンドラは声を潜めた。真剣な…あまりに真剣だった。
―彼は「蝕の子宮」を建造している。
完全な姿で生まれ変わる予定の聖域。
ハルトは唾を飲み込んだ。
―どこだ?
セリンドラはゆっくりと首を横に振った。
―正確な場所は見えない。
何か…あるいは誰かが…起源不明の結界で彼を守っている。
でも、これだけはわかっている。
彼女はハルトに近づき、彼の目を見つめた。
「もし彼の目印のついた扇を一つでも捕まえれば、彼と繋がる星座信号を追跡できる。
それが彼の巣を見つける第一歩になるだろう。」
ハルトは頷いた。
「そうするよ。教えてくれてありがとう。」
セリンドラは心臓が高鳴っているかのように胸を押さえ、鋭く後ずさりした。
「だめ…そんな風に感謝しないで…
いつも…って感じさせるんだから…」
ハルト:
「セリンドラ?」
彼女は指を鳴らした。気を紛らわせようと、背後で星座が爆発した。
「忘れろ!次の話題だ!」
セリンドラは眉を上げて、まるでまた秘密を知っているかのように微笑んだ。
「ところで…古代エルフの賢者があなたに何かを与えたいそうです。」
「警告?」
「正確には違います。
むしろ…長い間眠っていた祝福です。」
ハルトは眉をひそめた。
「何のことですか?」
セリンドラはゆっくりと近づいた。「興味がない」女神にしては近すぎた。
「エルフの国に着いたら…賢者はあなたの運命を変える何かをお見せするでしょう。
私にも見えない何かを。」
ハルトは驚きで目を見開いた。
「力?」
「わかりません。
ただ、彼女は…
あなたを長い間待っていたように感じます。」
ハルト:
「私を待っていた?なぜ?」
セリンドラは再び顔を赤らめた。
「わからないよ!年老いたエルフに嫉妬なんてしないよ、もしそう思ってるならね!」
ハルトは一言も発していなかった。
セリンドラは愛らしい怒りを込めて彼を指差した。
「そんな目で見ないで!女ばかりいるのはお前のせいだ!どんな女神だって癇癪を起こすだろう!」
ハルトは微笑んだ。
「セリンドラ…嫉妬してるの?」
宇宙全体が止まった。
彼女は震えた。
「わ、違う…!」
「嫉妬なんてしてない!
「ただ…宇宙の安定が心配なんだ!」
「それだけだ!」
ハルトは彼女に一歩近づいた。
「本当に…来てくれてありがとう。」
セリンドラは立ち止まった。
彼女の頬はピンク色の星雲のように輝いていた。
「ハルト…君が死んだら、この世界も君と共に死ぬ。
そして僕は…名状しがたい何かを失うことになる。」
ハルト:
「僕は死なない。
約束する。」
セリンドラは大きく息を呑んだ。
そして、ほとんど聞こえない声で呟いた。
「そう願う。」
夢は薄れ始めた。
消える前に、彼女は最後の言葉を口にした。
「蝕の印を一つ捕らえなさい。そうすれば、ヴァ=ロックの背後に隠されたものが見えてくる。」
そして忘れるな…エルフの賢者が君に贈り物を用意している。」
そして、夜明けが彼を目覚めさせた。




