光と影の真実:日食の印と終末の神
エルフたちは生きた木で作られた円形の部屋を用意し、その中央に陽光が後光を投げかけていた。
そこに、ハルトは妻たち全員、リシエン、フロストレイン、そして賢女アランウェを集めた。
オーレリアは娘を抱き、カオリは誇らしげな表情で少年を抱きしめた。
賢女が前に出た。
「ハルト…口を開く前に、森の震えを聞かせてくれ。
大地は君の力を覚えている。
そして、君が目覚めさせたものを恐れている。」
ハルトは頷き、深呼吸をした。
「気を失った時」とハルトは切り出した。「黄金色の空間の中にいた。
そこで私は…自分の一部に出会った。
『不完全な夜明け』だ。」
オーレリアは目を細めた。
「あなたの力の欠片?」
「いいえ。独立した存在です。種のように私の中に宿り…成長を待ち構えている存在です。」
香織は唾を飲み込んだ。
「それで、何と書いてあったのですか?」
ハルトは彼女の胸にある金色の印に触れた。印は一瞬光った。
「エリンドールは滅びなかった。
どんなエクリプス・マーカーも真に死ぬことはない。
ただ溶けて…再生を待つだけだ。」
女たちは青ざめた。
リシエンは震えながら視線を落とした。
「つまり…私たちが対峙していたのは真の敵ではなかったのですね。」
ハルトはゆっくりと首を振った。
「ただの欠片だった。」
賢者は杖を掲げ、そっと地面に突き刺した。
天井の照明が消え…
そして魔法の投影が現れた。
巨大な黒い円が太陽を飲み込んでいる。
「暁の子らよ、よく聞きなさい」アランウェは言った。
これから語る物語は、私の同胞の間でさえ禁じられているからだ。
日食のマーカー
「千年も昔…人類が存在する遥か昔、この世界は唯一の神、ザルヌクス、永遠の黄昏によって支配されていた。」
ざわめきが部屋に響き渡った。
オーレリアは赤ん坊を強く抱きしめた。
香織はハルトの手を強く握った。
「ザルヌクスは」アランウェは繰り返した。「光の終焉を司る神。
夜明けを貪り食う者。
希望を消し去るために存在する者。」
ハルトは眉をひそめた。
「マーカーたちが仕えるのは、ザルヌクスなのか?」
「そうだ。ザルヌクスは十二人の弟子、エクリプス・マーカーを創造した。
それぞれがザルヌクスの力の断片を受け継いでいる。
夜がある限り蘇ることができる。
そしてそれぞれが…暁の滅亡を企んでいる。」
香織は唾を飲み込んだ。
「それでハルト…?」
アランウェは彼の方を向いた。
「あなたは彼らとは正反対だ。
暁の誕生。
彼らの影を消し去ることができる唯一の光。」
リシエンが口を挟んだ。
「他にも…」影響を受けたのはエリンドールの部族だけではなかった。
アランウェは苦痛に目を閉じた。
「そうだ。
ザルヌクスを崇拝する狂信者たちの隠れた集団が出現した。
彼らは自らをこう名乗っている。
黄昏の子ら。」
「彼らは人間、エルフ、獣人、そして堕落した生き物たちで、世界の死が苦しみのない新時代をもたらすと信じている。
真の運命とは、ザル=ヌクスに全てを食い尽くさせることだと。」
アウレリアは恐怖に震えながら呟いた。
「一体何人いるんだ?」
賢者は視線を落とした。
「分からない。」しかし、一つだけ確かなことがある…
空中に映し出された影には、六つの紫色の目を持つ巨大な影が映っていた。
「皆既日食後、最も強力なマーカーの一人が…目覚めた。」
ハルトは拳を握りしめた。
「彼の名前は?」
賢者は震える声で答えた。
「カル=スーゼン、六つの夕日の王。ザル=ヌクスの使者。」
ハルトは立ち上がり、黄金の印がさらに輝きを増した。
「これはもはやエルフだけの問題ではない。
人間の問題でもない。
神の問題でもない。」
彼は妻たち、子供たち、そして召喚獣たちを見た。
「ザルヌクスはこの世界を消し去ろうとしている…だが、私はそれを許さない。」
香織は彼の手を握った。
オーレリアは微笑み、目に涙を浮かべた。
リシエンは少し顔を赤らめ、ドレスを握りしめた。
ハルトは声を張り上げた。
「カルシューゼンを見つけ出す。
そして、彼を滅ぼす。
彼…そして、私の家族に触れようとするマーカーを全て。」
彼の胸の黄金の印は太陽のように輝いた。
賢者は深呼吸をした。
「では、ハルト…カルシューゼンの居場所を知る唯一の人物に会わなければならない。」
「誰だ?」
アランウェは答えた。
「ダークエルフの女王よ。
我らが種族の敵よ。
ザルヌクスを殺すと誓った女よ…たとえそのためには世界全てを滅ぼさねばならなかったとしても。」




