砕けた夜明け:ハルトが目覚め、エリンドールが闇を解き放つ
エリンドールが手を伸ばし、聖域樹の下の堕落した心臓を操ると、黒い根が生きた鞭のように地面を叩きつけた。
森の緑色の光は次第に薄れていき…
ついには、ハルトから発せられる黄金の光だけが残った。
しかし、その光は…
不安定だった。
フロストレーンは背筋に寒気が走るのを感じた。
「は、ハルト…あなたのオーラ…」
口をきけないシスターは、まるで捕食者を見たかのように目を大きく見開き、後ずさりした。
ヘルザリオンは防御コアを起動した。
「警告:マスターのエネルギーが制御不能に増大しています。
推奨:安全な距離を保ってください。」
ハルトは歯を食いしばった。
「私は…大丈夫です。」
しかし、彼は大丈夫ではなかった。
暁の黄金の力は、危険に反応するだけではなかった…
守ろうとする意志にも反応した。
エリンドールはエルフたちを脅かしていた。
友人たちを。
妻たちを。
生まれたばかりの赤ん坊を。
爆発寸前の太陽のように、力が膨れ上がった。
エリンドールは微笑んだ。
「完璧だ。彼らが暁を恐れる理由を教えてやってくれ。」
黒い根が鞭のように地面を裂いた。
ハルトはそれを素手で踏み砕いた。
衝撃でクレーターができた。
フロストレインは飲み込んだ。
「あれは…我々の知っているハルトではない。」
エリンドールは両腕を上げた。
「ああ、森よ…
私の本当の体を返してくれ。」
根が彼に巻き付き、まるで古い外套のように彼の皮膚を引き裂いた。
その下で、彼の体は暗く、幽玄となり、紫色の亀裂が砕け散った心臓のように脈打っていた。
彼の目は消え、二つの白い穴だけが残った。
彼の声は倍になった。
「我々はエリンドールだ。
我々は蝕のマーカーだ。
我々は暁の死だ。」
聖域の樹は苦痛に呻いたかのようにうめき声を上げた。
ヘルザリオンは本能的にハルトの前に立ちはだかった。
「最大脅威レベル。全力で防御する。」
しかし、ハルトは手を上げた。
「ヘルザリオン…どきなさい。」
ヘルザリオンは初めて、自分の存在を疑った。
「…はい、マスター。」
黒い根が槍のようにハルトに向かって突き刺さった。
ハルトは息を吐いた。
それはため息だった…
しかし、森全体が明るくなった。
ドカーン!
黄金の爆発が根をなぎ払い、一瞬にして根を破壊した。
エリンドールは顔を覆った。
「お見苦しい!!」
あの光…
「我が騎士団を滅ぼした光だ!」
ハルトは一歩前に出た。
足元で地面が割れた。
彼の体はまるで人間彗星のような光の軌跡を残した。
フロストレインが叫んだ。
「ハルト!止めろ!お前のエネルギーが砕け散る!」
しかし、ハルトは彼女の声を聞かなかった。
彼の髪はまるで水中にいるかのように漂っていた。
彼の瞳は二つの太陽のようだった。
彼のオーラは、腐敗を焼き尽くす黄金の炎だった。
エリンドールは千本の鋭い根で構成された強力な攻撃を繰り出した。
ハルトは腕を上げた。
閃光
黄金の光が全てを崩壊させた。
エリンドールは後ずさりした。
「く、どうして…人間が…?」
ハルトはついに口を開いた。
「俺は普通の人間じゃないんだ。」
まるで複数の声が同時に話しているかのような声だった。
エリンドールは絶望のあまり、木の根を吸収し、半肉半腐った木の巨大な怪物へと変貌した。
「死ね、暁よ!
死ね、日食に支配させろ!」
巨人化したハルトに飛びかかった。
ハルトは拳を握りしめた。
「黄金の決意…」
黄金の光が彼の手全体を包んだ。
「ソーラーブレイカー。」
「ガシャッ!!」
一撃は怪物の体を濡れた紙のように切り裂いた。
腐敗が蒸発するにつれ、エリンドールは人間離れした叫び声を上げた。
彼の体は光と灰に砕け散った。
「ドーン…
君も…
君も落ちる…」
ハルトは呟いた。
「今日はだめだ」
エリンドールの体は黒い渦に巻き込まれ、忽然と消え去った。
敵が消え去ると…
ハルトは二度と元に戻ることはなかった。
体内の光はさらに強まった。
まるで何かが内側から解き放たれようとしているかのように、金色の亀裂が腕を這い上がった。
フロストレインは叫んだ。
「ハルト!お前の体は耐えられない!」
口のきけない妹は彼に触れようとしたが、エネルギーに手を焼かれて悲鳴を上げた。
ヘルザリオンは近づこうとしたが、光に阻まれた。
「警告…マスターが…オーバーロードしている」
ハルトは膝から崩れ落ち、息を切らした。
「止められない…」
森が彼の周りで震えた。
賢者アランウェは遠くから衝撃を感じ取った。
「神よ!暁は…
砕け散るぞ!」
ハルトの背後に人影が現れ、優しく背中に触れた。
柔らかな声が言った。
「シーッ…落ち着いて、ハルト。
彼を放して。
私が抱いてあげる。」
それはリシエンだった。
しかし、普通の巫女ではなかった…
彼女の目は緑色に輝いていた…
彼女の手は生きた光の枝となって…
そして聖域の樹が彼女に応えた。
アランウェは恐怖に震え、囁いた。
「まさか…
古代の祝福が…リシエンの中で目覚めたのよ!」
エルフはハルトの額に自分の額を押し付けた。
「あなたの光を分け与えてください…あなたの重荷を少し背負わせてください。」
黄金のエネルギーがゆっくりと収まり始めた。
この章はここで終わる。




