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仲間に裏切られたガチャ中毒の俺、異世界で無限召喚スキルを手に入れ、最強の軍勢で世界を征服する  作者: ジャクロの精霊


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「神が堕ちた日」

ハルトの一撃が、

神の胸を貫いた。


テロスの兜は、

脆い硝子のように砕け散る。


全身を巡っていたルーンは、

一つ、また一つと――

死にゆく星のように消えていった。


空と海を震わせる、

ありえない咆哮。


「――ノオオオオ!!」


世界が、揺れた。


衝撃波が船を海から跳ね上げ、

兵士たちは吹き飛ばされ、

島々が悲鳴を上げる。


ダビデは腕で顔を庇い、

ネフェルカラは砂にコペシュを突き立て、

必死に踏みとどまった。


――そして、ハルトは。


立っていた。


黄金の拳は、

なおも輝いている。


神は、

膝をついた。


巨体は腕を上げようとするが、

もはや力は残っていない。


ハルトは、

恐ろしいほど静かな声で告げた。


「テロス」

「お前は永遠などではない」

「最初から、そうだった」


「今日から――

世界は、それを覚える」


神は、

純粋な憎悪の眼差しで睨み返す。


「呪われろ……人の子……」

「その光は……

この世界のものでは……ない……」


ハルトは、

拳を強く握り締めた。


――次の瞬間。


純金の爆光。


神の心臓が、

完全に消滅した。


テロスは、

青い欠片の雨となって爆散し、

灰のように島へ降り注ぐ。


戦場は、

完全な沈黙に包まれた。


――神が、死んだ。


本当に、

完全に。


消えゆく直前、

世界の裏側から這い寄るような声が響いた。


「ハルト・アイザワ……」

「必ず……復讐される……」


「来るぞ……

六柱……

天の王冠を護る、

“六柱”が……」


「ハルト!!」


ダビデが、

一瞬よろめいた彼を支えた。


黄金の太陽は、

荒く息をつく。


ネフェルカラは、

彼の腕に刻まれた

呪印を見て、顔を曇らせた。


「……その刻印は危険だ、ハルト」

「別の神が……

お前を“請求”している」


ハルトは汗を拭い、

短く答えた。


「――来させろ」


召喚者たちの戦いも、

すでに終わりを迎えていた。


リリーとフロストレインは、

完全な同調で海を凍結させ、

第三王子アルカディオスを閉じ込める。


氷の輪が、

容赦なく収束した。


CRACK


王子は、

意識を失って崩れ落ちる。


フロストレインは、

静かに微笑んだ。


「……傲慢なのが、一人減ったわ」


第一王女タリアは、

最後の幻術を試みた。


だが――

ミラの操り人形が、

外科手術のような正確さで武装を奪う。


ミラは、

小さく息を吐いた。


「戦闘中に、

口説かないでくれる?」


王女は、

泣き崩れ、敗北した。


神双子は、

蜃気楼で優位に立てると信じていた。


だが、セレスはただ笑った。


「……幻?」

「冗談でしょ」


魔導銃が放った一射は、

十二の弾へと分裂。


双子は、

同時に地へ伏した。


「……汗もかいてないわ」


狂気に駆られた王子クリソンが、

神斧を投げ放つ。


ダリアは、

片手でそれを掴んだ。


「……きれい」


次の瞬間、

彼を城壁へ叩きつける。


――戦闘終了。


使者たちが、

四方八方へ駆け出した。


「神が堕ちた!!」

「黄金の太陽が、テロスを殺した!!」

「城壁の子らは、全員敗北!!」


同盟諸国の王たちは、

恐怖に沈黙した。


影の帝国は、

静かに震え始める。


そして――

城壁の王国では。


反逆王子の愛人である王妃が、

膝から崩れ落ちた。


「……ありえない……」

「どうして……

人が、神を……」


王は、

杯の酒を一気に飲み干す。


そして、

この地の“ヘクトール”。


長兄アルダロンは、

地面を見つめ、

低く呟いた。


「……ハルトは、

敵ではない」


「――災厄だ」

ハルトは、

岩に腰を下ろし、静かに体力を回復していた。


ダビデは、

竪琴の調律を続けている。


ネフェルカラは、

黙って地平線を見つめていた。


そこへ――

アウレリアが空から降り立つ。


翼を震わせ、

荒い息を吐きながら。


「ハルト……!」

「あの力を感じた……大丈夫なの?」


ハルトは、

小さく微笑んだ。


「大丈夫だ」


アウレリアは、

そのまま彼を抱きしめ、

頬に手を伸ばす。


「……誓うわ」

「もしあなたが死ぬなら……」

「私は、あなたについて行く」


ダビデは、

顔を赤くして咳払いした。


ネフェルカラは、

くすりと笑う。


――だが。


その場にいた全員が、

同時に理解していた。


戦争は、

もはや人のものではない。


――神々の領域へと、踏み込んだのだ。


そして――


ハルトは、

すでに宣言していた。


残る六柱の神々へ。


――戦争を。

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