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仲間に裏切られたガチャ中毒の俺、異世界で無限召喚スキルを手に入れ、最強の軍勢で世界を征服する  作者: ジャクロの精霊


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「真実が、城壁を打ち砕く時」

城壁都市の門が、ゆっくりと開かれた。


最初に入ってきたのはアルダロン。

埃と汗、そして無数の傷にまみれていた。


その背後――

まるで壊れた人形のように引きずられながら、

戦争を引き起こした王子、テロンが続いた。


兵士たちが、ざわめく。


「……あれが、テロン王子か?」

「ハルトを倒せると言っていた、あの?」

「……見る影もないな」


王宮大広間では、

王レアンドロスが冷たい眼差しで待ち構えていた。


テロンは足をもつらせ、

王の前で膝から崩れ落ちる。


「ち……父上……

わ、私は……戦った……だが、あの巨人が……」


レアンドロスは杖を床に突き立てた。


「黙れ!」


その一声で、

大広間全体が震え上がる。


「余は、お前の兄弟たちを前線に送り出した」

「アステリオンも、ノクサンダーも、

英雄のごとく戦っている姿を、この目で見た」


そして――

鋭く、吐き捨てるように続けた。


「だが、お前はどうだ?」


王は身を乗り出し、

抑えきれぬ怒りを滲ませる。


「お前がこの戦を招いた」

「そして今、

玩具を失って泣く子供のように戻ってきた」


テロンは、震えながら頭を垂れた。


その時――

アルダロンが前に出る。


「父上。

全てが彼一人の責ではありません。

あのダイヤモンドの巨神が――」


「言い訳は聞かぬ!」

レアンドロスが咆哮した。

「長子が、全宮廷の前で

敗北と屈辱を晒したのだ。

これが、恥でなくて何だ!」


アルダロンは歯を食いしばる。


「……私は、あの巨神と刃を交えました」

「だからこそ、はっきり言えます」

「ハルトは――

決して、ありふれた敵ではありません」


王は、じっと彼を見据えた。


「……余に、恐れろと言うのか?」


アルダロンは答えた。


「いいえ。

これまで以上に、備えよと言っているのです」


――その光景を、

上階のバルコニーから見下ろしていた者がいた。


王妃ヘランドラ。


かつて彼女は信じていた。

テロンは勇敢で、情熱的で、

自分のために戦う男だと。


だが――

今、床に崩れ、泣きながら助けを乞う姿を見て。


胸の奥が、凍りつくのを感じた。


「……あれが……

私をここへ連れてきた男……?」


側にいた侍女が、控えめに答える。


「王妃様……

殿下は、戦が始まってから変わられました」


ヘランドラは、ゆっくりと首を振った。


「いいえ……違うわ」

「変わったのではない」

「最初から、ああだったのよ」


指先が、震える。


「……もしかしたら……

アガメトスの王国に留まっていた方が、

幸せだったのかもしれない」


「結果を考えなかった」

「戦争のことも……」


頬を伝い、雫が落ちた。


それは、

優雅な涙ではなかった。


――恐怖。

そして、罪悪感。


「……私、何をしてしまったの……?」

アカシは、

魔導水晶越しに映る光景を見下ろしていた。


――テロンの屈辱。

――そして、ダイヤモンドの巨神。


彼は、静かに笑った。


「完璧だ……」

「絶望が深まるほど……

俺の価値は高くなる」


その傍らには、

設計図が並ぶ巨大な作業台があった。


巨大ゴーレム。

遠隔操作制御。

エネルギーコアの構造図。


だが、その中でも――

半起動状態の一つが、異様な存在感を放っていた。


計画名:Φ(ファイ)―TRIUM

《審判の三巨人》


「イカロ・オメガは倒れた……」

アカシは工具を手に取り、呟く。

「だが、問題ない」

「――次は、第二段階だ」


その時、

従者が恐る恐る問いかけた。


「アカシ様……

なぜ、ここまでするのですか?」

「あなたほどの才能があれば、

静かに生きることもできたはず……」


アカシは、ゆっくりと拳を握り締めた。


「……世界が、俺にそれを許さなかった」

「誰よりも賢かったのに……

結局、使い捨てにされた」


視線を――

エリンドロスの方向へ向ける。


「奴らはな……

力しか見ていない」


彼は、

コアへと部品を打ち込んだ。


光が走る。


ゴーレムが――

目覚めた。


「ハルトは、

自分が優勢だと思っているだろう」


「だが、すぐに理解する」


「――戦争は、

まだ始まったばかりだということを」


従者が、唾を飲み込む。


「……それは、どういう意味で?」


アカシは、冷たい笑みを浮かべた。


「エリンドロスは、

俺を利用しているつもりだろう」


「だが――

利用しているのは、俺の方だ」


「そして、奴らが敗れた後も……

俺は、前へ進む」


金属が軋むような咆哮が、

コアの奥から響いた。


Φ―TRIUM計画、

最初の巨神が――


赤い眼を、開いた。


アカシは、低く囁く。


「……ハルト」

「星のように登り続けられるか?」


「――俺が、

空そのものを壊してしまったとしても」


つづく

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