「沈黙の弾丸と混沌の咆哮」
大広間の外では、島全体が
金属と炎と風が渦巻く地獄と化していた。
攻城ゴーレムは巨大な岩を投げつけ、
塔も兵舎も城壁も粉砕する。
一撃ごとに大地が地震のように揺れた。
アルゴシア兵が絶叫する。
—進ませるな!
ドラゴンだぞ! 撃て、撃てぇ!!
だがその声すら、咆哮と爆発に飲み込まれていった。
◆ ◆ ◆
ロザは崩れた屋根に軽々と着地した。
猫のように静かで、正確。
彼女の短剣は巨人ゴーレムには無力――
だから、武器を変えた。
太い銃身の短銃。
特殊な属性弾を装填する銃。
ロザは片手で銃を構え、
異なる紋章が刻まれた円筒弾を素早く並べる。
無言のまま、撃った。
「ヴォルケーノ・バースト」
ドォオオン!
圧縮された爆炎がゴーレムの胸部を吹き飛ばす。
刻まれた魔法陣が消え、巨体が膝から崩れ落ちた。
兵士たちは呆然と立ち尽くす。
—な、なんだ今の……?
空からその様子を見ていたアウレリアは微笑した。
—あぁ……ロザが本気になったわね。
「フロスト・コラプス」
ロザは感情のない顔で引き金を引く。
青い弾丸がゴーレムの脚に命中した瞬間――
即座に凍結。
ドラゴン騎士の爪撃が追撃し、
ゴーレムはガラスのように砕け散った。
「サンダーステップ」
黄色い弾は―― 爆発しなかった。
一度跳ねる。
二度跳ねる。
三度跳ねる。
その後、ゴーレムの頭部内部で炸裂。
クラァァッ……ボオオオン!!
アウレリアの目が丸くなる。
—いつからロザ、跳弾弾なんて持ってたの?
副官ベータは翼を広げながら答えた。
—司令官……ロザ・フロストベインのやることは、神でも理解できません。
アウレリアは吹き出した。
—本当にね。
ロザの特殊弾が次々とゴーレムを破壊していく中、
ドラゴン部隊は旋回しながら急降下。
—竜翼部隊、トルネード陣形!
とアウレリアが号令をかける。
ドラゴンたちは回転し、
青い炎の竜巻を形成した。
アルゴシア兵は恐慌状態。
—に、逃げろ! 化け物だ!
悪魔だぁぁ!!
ロザは静かに次の弾を取り出した。
黒い弾丸に紫の縁――
彼女ですら滅多に使わない、
最も危険な弾。
少しだけ、ためらう。
だが撃つ。
「ダーク・ブルーム」
弾が着弾した瞬間、
紫の球体が現れ――
次の瞬間、重力が崩壊。
ブォォオンッ!!
ゴーレムは見えない力に押し潰され、
紙のように折り曲げられて崩壊した。
周囲の敵兵は絶句。
—あれ……ロザか?
—声ひとつ出さなかったぞ……
—ゴーレムが……勝てるわけない!
アウレリアが着地し、ロザに近づく。
—ロザ……見事よ。
でも無茶はしないで。セロンはまだ中よ。
ロザは手話のようにジェスチャーする。
「知ってる。
でも……あなたを守りに戻った。」
アウレリアは優しく微笑む。
—ありがとう。
じゃあ……前線を押し返しましょう。
城塞の内部から、
黒いエネルギーの衝撃波が爆発した。
――FWOOOOOSH!
アウレリアは目を見開く。
—今のは……セロン。
神剣の力。
ロザは眉をひそめ、手を動かす。
「悪い。」
アウレリアは短く頷く。
—ええ。とても悪い。
上空のドラゴンが叫んだ。
—司令官!
城内のエネルギー反応が異常です!
ミラ様とリリィ様が中で戦っています!
アウレリアは槍を掲げた。
—空の末裔!
道を開け!
あのクソ城に突入するわよ!!
ドラゴンたちは一斉に咆哮を上げた。
島全体が震え、
戦いはついに最高潮へと向かっていく。
――つづく――
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