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仲間に裏切られたガチャ中毒の俺、異世界で無限召喚スキルを手に入れ、最強の軍勢で世界を征服する  作者: ジャクロの精霊


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「霧中の裏切り」

侍女は黒い木の扉を開け、青い松明だけが灯る円形の部屋へ三人を案内した。


—「どうぞ、こちらでお待ちください……」


その声は震えていた。


リリィはローザと視線を交わす。

胸を締めつける黒い予感が、もはや波のように押し寄せていた。


ミラ・ミラージュは微笑みを崩さず、

水晶の杖を軽く持ち上げる。


—「空気が変ね……すごく、嫌な感じ。」


ローザが急いで手話を送る。


「危険!」


その瞬間——


壁の内部で金属が割れる音が響いた。

次の瞬間、眠っていた獣が息を吹き返したかのように、

床の隙間から 緑色の煙 がじわりと噴き出し始めた。


リリィは即座に口元を覆う。


—「毒ガスよ!」


ミラは指を鳴らす。


水晶の膜が三人を包み、煙を遮断した。


ローザが扉を指差し、手話を叩きつける。


「閉じ込められた!」


リリィが扉を調べるが——

魔術の封印 によって完全に塞がれていた。


ミラは優雅に笑うが、その瞳は冷たい。


—「これは事故なんかじゃないわね。

テロン王子……証人を消す気ね。」


室外には黒い仮面と消音武器を装備したアルゴシア兵が整列していた。


指揮官が低くつぶやく。


—「王子の命令だ……

太陽の顧問を全員抹殺しろ。

痕跡は一つたりとも残すな。」


ギィィ……と扉が開いた。


兵士たちは一斉に中へ踏み込む——


その瞬間。


シュッ シュッ シュッ!


カード。

トランプのような刃となったナイフ状の光が、空間を切り裂いた。


兵士の兜を貫き、

首を裂き、

胸を穿ち——


一声もあげる暇なく、その全員が崩れ落ちた。


指揮官は恐怖で後ずさった。


—「な……な、何だこれは……?」


暗闇の向こうから、甘く響く声が答えた。


—「ノックくらいしなさいな。

礼儀がなっていないわよ?」


ミラ・ミラージュが静かに姿を現した。


庭を散歩するかのような余裕。

その手には光の渦となったカードが舞い戻り、彼女の背後で金色に輝いた。

「霧の狩人たち」


ミラの後ろから、リリィが歩み出た。

銃は装填済み。

その瞳は氷のように冷たい。


—「私たちを殺そうとした。

ここで外交は終わりよ。」


ローザも静かに一歩前へ。

素早い手話が空気を切る。


「今から、王子を狩る。」


リリィがミラへ訳す。


—「ローザは、今すぐアイツを追うって。」


ミラは可愛らしく微笑み、指先でカードを弾いた。


—「あら、頼もしい。もちろん付き合うわ♡」


残っていた護衛兵たちが三人を取り囲む。

怒号。

焦り。

足音。


そのすべてを断ち切るように——

三人は同時に動いた。


(リリィ・フロストベイン)


圧縮された氷の弾丸が次々と発射される。

命中した瞬間、氷の花弁 が爆ぜ、兵士の足と武器を一瞬で凍りつかせた。


凍傷の悲鳴すら上げられない。


(ローザ・フロストベイン)


風のように静かに。

影のように速く。


敵の背後に現れたかと思えば、

細い針のような短剣で急所だけを正確に貫く。


倒れる頃には、誰も彼女が通ったことにすら気づかない。


(ミラ・ミラージュ)


光の鏡が増殖し、分身が広がる。

兵士たちは何十もの幻影を相手にし、

本物を見失ったまま、自分の攻撃で仲間を斬り倒していく。


ミラ本人は笑いながら、

指先でカードを放り投げる。


その一枚一枚が喉元、心臓、額へ吸い込まれるように飛び——

静かに、確実に命を奪った。


数秒も経たぬうちに、

兵士たちは全員、地面に沈んでいた。


漂う霧が裂ける。


蒼い外套を翻しながら、王子テロンが後退していた。

目を見開き、震え、信じられないものを見るように。


—「ば、馬鹿な……!

お前たち……死んだはずだ!

あの毒はドラゴンすら倒すんだぞ!!」


ミラは指でカードをくるくると回しながら、

冷笑を浮かべた。


—「あら、テロン王子。

太陽帝国を裏切るなら……

せめてもう少しマシな罠にしてちょうだい?」


リリィは無言で銃口を彼の額へ向ける。


ローザが手を上げて手話する。


「まだ殺さない。情報を引き出す。」


三人はまるで 死の三相 のように歩み寄る。


その足音だけで、

島全体が震えているように感じられた。



◆ —続く—

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