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仲間に裏切られたガチャ中毒の俺、異世界で無限召喚スキルを手に入れ、最強の軍勢で世界を征服する  作者: ジャクロの精霊


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「“アカシ──決して認められなかった少年”」

◆ 山中に隠された秘密研究所


鉄で造られた薄暗い部屋。

青い結晶だけが淡く光り、アカシの顔を照らしていた。


彼はホログラム画面をじっと見つめる。


イカロスの損傷率が映し出されている。


66%

48%

32%


そして──


0%


通信は途絶えた。


アカシは微動だにしない。


数秒後──

ゆっくりと笑った。


歪んだ、押し殺した、どこか満足げな笑み。


「ハルト……

たったの二割、か。」


その指先は震えていた。興奮で。


だが、興奮の奥にはべつの感情が隠れていた。


古い痛みだ。


◆◆ 回想──幼い日の夜


景色が砕け、光の欠片となって散る。


八歳のアカシ。

小さな机の前で機械パーツに囲まれて座っている。


ぎこちなく歩く小さなロボット。

アカシは嬉しそうに微笑む。


「父さん、母さん、見て。動いたよ。

ぼくが一人で作って──」


「それだけか?」

父の声は刃のように冷たかった。


「同僚の息子たちは、もうドローンを完成させているぞ。」


母はため息をつく。


「アカシ、あなたは賢いわ。……でもね、

一番になれないと、誰にも相手にされないのよ。」


アカシの小さな肩が震える。


手の中のロボットをぎゅっと握りつぶしてしまう。


「ぼ、ぼく……もっと出来るように──」


父は振り返りもしない。


「“もっと出来る”では足りん。

卓越しろ。でなければ、無価値だ。」


光が消える。


◆◆ 現在──アカシは目を開く


アカシは研究所に戻り、コンソールに手をついた。


「一番であることは……

選択肢じゃない、ハルト。」


低い声で呟く。


「それしか、残されていないんだ。」


スクリーンを拳で叩く。


「お前にはカリスマがある。仲間がいる。

間違っていてもついて来る“王国”がある。」


声が少し震える。


「ぼくには何もない。

昔から、ずっと。」


巨大な金属カプセルに歩み寄る。


中には、無数のケーブルと結晶に包まれた人型の影。


「だからこそ、ぼくは造り続ける。

創り続ける。

優れていなければ──」


歯を食いしばる。


「──あの日の無価値な子供のままだ。」


◆◆ 傲慢は痛みから生まれる


アカシは眼鏡の位置を整え、パネルにそっと触れる。


「ハルト。

お前がイカロスを壊したとき……」


薄く笑う。


「怖さなんか感じなかったよ。」


静寂。


「むしろ、ほっとした。」


研究所の空気が重く沈む。


「これでまた、

“より優れたもの”を作る理由ができた。」


カプセルの結晶が光を放つ。


中の何かが動き出す。


アカシは満足げに見つめる。


「お前とぼくの違い……分かるか?」


囁く。


「お前は“力”で戦う。」


ゆっくりと微笑む。


「ぼくは“知性”で殺す。」


カプセルの中の影が目を開く。


濁った赤い光が、闇を切り裂いた。

通信機に歩み寄り、ハルトが必ず監視していると知っている回線を起動した。


彼の顔が海上に浮かぶホログラムとして現れた。

その先には、巨大な神性のタコを従えるハルトの姿がある。


アカシは、不気味なほど静かな声で語り始めた。


――ハルト・アイザワ。


彼は背後のカプセルのガラスを指先で軽く叩く。


――イカロスを破壊してくれて、ありがとう。


声は柔らかく、まるで親しみすら感じさせた。


――本当に。

君のおかげで……完璧になれる。


アウレリアは拳を固く握りしめた。


カオリは小さく罵声を漏らした。


モモチは目を細めた。


だがハルトだけは、黙って彼を見つめていた。


アカシは続けた。


――そして……君の“女の子たち”へ伝言だ。


その口元に笑みが浮かぶ。


――二割しか使っていなかったんだろう?

なら、次は……


背後のカプセルが開いた。


そこから現れたのは――


ゴーレムではない。


神と機械の狭間に生まれた、巨大なる存在。


――……俺は二百パーセントで行くよ。


その瞬間、通信は途切れた。


――つづく――

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