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仲間に裏切られたガチャ中毒の俺、異世界で無限召喚スキルを手に入れ、最強の軍勢で世界を征服する  作者: ジャクロの精霊


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『愛と恐怖の狭間で —— 揺れる王妃と王子』

崩れ落ちた巨像の粉塵が、まだ空気に漂っていた。


ヘランドラとエヴァンダーは、護衛に連れられて宮殿の側廊へと避難した。

二人とも呼吸が荒く、神経が限界まで張りつめている。


扉が閉まった瞬間——


重い沈黙が二人を包んだ。


エヴァンダーは壁にもたれかかり、そのまま腰を落とした。

手足が震えている。


エヴァンダー

「ヘランドラ……

俺たちは……ほんの一歩で死んでいた……」


ヘランドラは唇を噛みしめた。

指先がまだ爆発の余韻で震えている。


ヘランドラ

「さっきのゴーレム……

目があったのよ……

私たちを……虫けらのように見下ろして……」


彼女はそっとエヴァンダーに歩み寄り、抱きしめた。

エヴァンダーも必死に彼女を抱き返し、その髪に顔を埋める。


エヴァンダー

「そしてアカシは……あれを何のためらいもなく破壊した。

命かどうかすらわからないものを……まるで“道具”のように。」


ヘランドラは喉を震わせた。


ヘランドラ

「本当に……アカシをここに迎え入れたのは正しかったの……?」


エヴァンダーは答えられなかった。

不安が胸の奥で黒く渦巻いていた。


エヴァンダー

「俺は……君を守りたかった。

この国も……守りたかった。

アカシなら、それができると思っていた。」


ヘランドラは彼の目を見つめる。


ヘランドラ

「今は……どう思っているの?」


エヴァンダーは長く黙った。

その沈黙が答えよりも重かった。


やがて——


エヴァンダー

「アカシは……どの王よりも危険だ。

レアンドロスよりも。

アガメトスよりも。

……ハルトよりも。」


ヘランドラは彼の胸に額を押し当てた。


ヘランドラ

「エヴァンダー……

私たち……間違えたの?」


涙がこぼれ落ちる。


ヘランドラ

「私は……あなたを愛している。

だからついてきた。

同盟を裏切ってでも……あなたを選んだ。

でもそれが……

私たちを救うのか……滅ぼすのか……」


エヴァンダーは彼女を抱きしめる。

必死に、まるで溺れる者が浮き輪を掴むように。


エヴァンダー

「俺も……君を愛している。

だがもしこれが代償なら……

アカシが城壁を壊し……

レアンドロスが攻め込み……

世界が俺たちに牙をむくなら……」


その言葉が喉で震えた。


エヴァンダー

「生き残れなければ……

この愛に何の意味がある?」


空気が凍りつく。


ヘランドラの胸が締めつけられた。


ヘランドラ

「それって……“間違いだった”ってこと……?」


エヴァンダーは目を閉じた。


エヴァンダー

「わからない。

わからないけど……」


そして、小さな声で。


エヴァンダー

「……俺たちの選択が、アルゴシアの終わりの始まりだったのかもしれない。」


ヘランドラは口元を覆い、震えた。


ヘランドラ

「エヴァンダー……」


その時——

扉が勢いよく開いた。


護衛

「殿下! ヘランドラ様!」


二人は慌てて離れ、涙を拭った。


護衛

「アカシが……お二人にお会いしたいと。」


エヴァンダーの背筋に冷たい刃が走った。


ヘランドラは下を向き、彼の手をそっと握る。

ぎゅっと。


ヘランドラ

「何があっても……一緒にいましょう。」


エヴァンダーはうなずいた。


だが胸の奥底では――


「愛だけで……アカシに抗えるのか?」


その恐怖が、静かに育っていた。

夜はイリアンドロスを覆っていた。

だが、宮殿の最深部にあるこの間だけは——

闇ではなく、生きているような静寂が支配していた。


オドリアスは青い灯火を手に、五十段の階段を静かに下りていく。

白い外套は床をかすめることさえなく、まるで浮いているかのようだった。


彼は古代の青銅扉の前で立ち止まり、

手をそっと当てる。


CLANK…


金属が息を吐くように開いた。


中には、円形の柱群と小さな祭壇。

その上で、黒曜石の鏡がゆっくりと回転し、

まるで——呼吸しているかのようだった。


それこそが、


地平の神託鏡ホライゾン・オラクル


最初の王たちが誕生した時代から存在する、伝説級の遺物。


オドリアスはひざまずき、囁くように言った。


「……海の彼方で、何が動いているか、見せてみろ。」


黒い鏡面が金色に脈動しはじめた。


震え。

霞む像。

やがて——


**運命の断片ヴィジョン**が生まれる。


二人が廊下の奥へと消えていくのを見送りながら——


ひとつの影が、静かに佇んでいた。


ドルシア王・オドリアス。


その唇に浮かんだのは、

あまりにも危うい笑み。


オドリアス(小声で)

「恐怖というものは……

愛し合う者さえ、いとも簡単に裂いてしまう。」


光のない瞳が、闇の奥で細く輝く。


オドリアス

「さて……どんな結末になるのか。」


——つづく——


いつも読んでくれてありがとうございます!

新作ですが、もっと面白くしていくのでぜひ応援してくれたら嬉しいです~!

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