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仲間に裏切られたガチャ中毒の俺、異世界で無限召喚スキルを手に入れ、最強の軍勢で世界を征服する  作者: ジャクロの精霊


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『ヘランドラとエヴァンダー:王国を裂く嘘』

女王ヘランドラの私室は、

二つの燭台だけが淡く照らし、

部屋の奥は闇に沈んでいた。

まるで夜そのものが、二人の会話を聞こうと潜んでいるかのように。


ヘランドラは白い王衣を外し、

緊張でこわばった肩を露わにした。


エヴァンダーは静かに扉を閉める。


護衛もいない。

神官もいない。

参謀もいない。


――ここにいるのは、二人だけ。


エヴァンダー

「……ヘランドラ。

今日の嘘は、危うく暴動を招くところだった。」


女王は答えず、

窓辺に歩み寄り、夜の松明に照らされた城壁都市を見下ろす。


ヘランドラ

「分かっているわ。」


エヴァンダー

「それでも、あえて口にした。」


ヘランドラは振り返る。

その瞳には決意と……恐れが宿っていた。


ヘランドラ

「真実を告げれば、テレマリスは数時間で崩壊していた。

見知らぬゴーレムが、まるで主のように境界を越えたと……

この街が受け入れると思う?」


エヴァンダーは歯を食いしばる。


エヴァンダー

「いや。

だが、嘘だけで王国は永遠に持たない。」


ヘランドラ

「王国は“真実”で治めるものじゃないわ、エヴァンダー。

必要なのは“安定”。

そして安定は……人々を守るための嘘で築かれる。」


エヴァンダーはゆっくり歩み寄る。


エヴァンダー

「もし……ハルトが、お前が民に嘘をついたと知ったら?」


ヘランドラは深く息を吸い込む。


ヘランドラ

「その時は……私自身がすべてを背負う。」


エヴァンダーはそっと彼女の手を取った。


エヴァンダー

「ヘランドラ……

お前が犠牲になるところなんて、見たくない。

ハルトのためでも、アガメトスのためでも……誰のためでも。」


彼女は手を引いた――だが、その指先は震えていた。


ヘランドラ

「私は守られる子供じゃない。」


エヴァンダー

「違う。

お前は――“呪われた女王”だ。」


ヘランドラは目を見開く。


エヴァンダー

「理解されない民を背負わされ、

夫の影に押し込められ、

巨人たちの狭間で生きることを強いられた……そんな女王だ。」


ヘランドラは視線を逸らし、

唇がわずかに震える。


エヴァンダーはもう一歩近づいた。


エヴァンダー

「だが……一人で背負う必要はない。」


ヘランドラは息を呑んだ。


エヴァンダー

「影でいい。

支えるだけでもいい。

俺を……そばにいさせてくれ。」


ヘランドラは目を閉じる。


微かな囁きのような声が漏れた。


ヘランドラ

「エヴァンダー……

これは間違っているわ。」


エヴァンダーは穏やかに微笑む。


エヴァンダー

「イリアンドロスでは……大事なことほど“禁忌”なんだ。」


その瞬間、扉が激しく叩かれた。


衛兵

「陛下! 大変です!」


エヴァンダーが即座に扉を開く。


衛兵

「市民が混乱しています。

“神のゴーレム”という話を……信じない者が出始めました!」


ヘランドラは姿勢を正す。


ヘランドラ

「……何を言っているの?」


衛兵

「一部の神官が異論を唱えています。

『あれは神聖な気配ではなかった』と。

さらに……

商人数名が“奇妙な男”がゴーレムの中から出てきたと証言しています。」


エヴァンダーは低く呟く。


エヴァンダー

「……アカシか。」


ヘランドラは拳を握りしめた。


ヘランドラ

「この情報が広まれば……

テレマリスは崩壊する。」


エヴァンダー

「なら、封じるしかない。」


ヘランドラ

「どうやって?」


エヴァンダーは静かに息を吸い込む。


エヴァンダー

「神殿は女王の証言に従わせる。

貴族には沈黙を強要する。

そして民には……

“疑うことこそ恐怖の始まり”だと刻ませる。」


ヘランドラは彼をじっと見つめる。


ヘランドラ

「私に……街全体を操れと言うの?」


エヴァンダーは、敬意とも欲望ともつかない笑みを浮かべた。


エヴァンダー

「できるさ。

お前なら。」


ヘランドラは一歩近づき、

怒りとも不安ともつかない表情で見上げる。


ヘランドラ

「教えて……私はどうすればいいの?」


エヴァンダーは彼女の額にそっと自分の額を触れさせた。


エヴァンダー

「俺に任せろ。

玉座の裏の手でも、

影でも、

味方でも……

お前が望むものになろう。」


ヘランドラの肩がわずかに震えた。


ヘランドラ

「エヴァンダー……

この先に進めば……戻れなくなる。」


エヴァンダー

「なら――一緒に進めばいい。」

突如、城壁の上から鐘の音が鳴り響いた。


ゴォォォン…

ゴォォォン…

ゴォォォン…


ヘランドラの瞳が恐怖で大きく開く。


廊下の奥から、衛兵が絶叫した。


衛兵(叫びながら)

「――第二のゴーレムが接近中です!

しかも、先ほどのものとは“型”が違います!!」


エヴァンダー

「……何だと?」


別の衛兵が駆け込んでくる。


衛兵

「陛下!

あの巨像には――

アルビオルの刻印があります!」


ヘランドラは息を飲み、喉が締めつけられる。


ヘランドラ

「……そんなはず、ない。」


エヴァンダー

「一日にして……

アカシと、アルビオル……。」


その時、城壁の上から兵士の悲鳴が夜空に響いた。


兵士

「――直進してきます!!

街へ突っ込む軌道です!!」


ヘランドラは大きく息を吸い込む。


ヘランドラ

「エヴァンダー……

これはもう“政治”ではないわ。」


エヴァンダーは蒼白になりながら頷く。


エヴァンダー

「……生存戦だ。」


――つづく――

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