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仲間に裏切られたガチャ中毒の俺、異世界で無限召喚スキルを手に入れ、最強の軍勢で世界を征服する  作者: ジャクロの精霊


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『女王の嘘――ゴーレムに隠された真実』

夜は墨のように濃く、テレマリスの空を覆っていた。


城壁の上から、女王ヘランドラはアカシのゴーレムが去っていく姿を見つめていた。

その背には、王国を破滅させかねない秘密が隠されている。


エヴァンダーが静かに近づいた。


エヴァンダー

「ヘランドラ……民には何と告げるつもりだ?」


女王は視線を遠くの地平線から外さずに答えた。


ヘランドラ

「真実は人々を壊す。

嘘だけが……この国を支える。」


エヴァンダーは眉をひそめた。


エヴァンダー

「そのゴーレムの正体を隠せば――」


ヘランドラ

「――この王国を集団恐慌から救える。」


その声は冷たく、

揺るぎなく、

どこか残酷だった。


だが、その瞳には嵐が渦巻いていた。


◆公式の嘘


翌朝。

中央広場には市民、兵士、神官たちがひしめき合い、

皆が答えを求めていた。


ゴーレムの噂は、一夜にして炎のように広がったのだ。


白い外套をまとったヘランドラが姿を現すと、

角笛が鳴り響き、広場が静まり返る。


女王は手を掲げ、声を放った。


ヘランドラ

「テレマリスの民よ……

昨夜、石の巨人が国境を越えて現れた。」


緊張に満ちたざわめきが起こる。


ヘランドラは揺るぎない声で続けた。


ヘランドラ

「だが、あれは敵ではない。

侵略でもない。

“神聖なる兆し”である。」


神官たちは顔を見合わせ、困惑した。


民衆は息を呑む。


バルコニーから見下ろすエヴァンダーは無表情だった。


ヘランドラ

「あの巨像は、古きイリアンドロスの精霊が遣わした警告。

――近く、我らの都の運命が試されるだろう。」


膝をつく者が現れ、

恐怖は祈りへと変わっていく。


完璧な嘘だった。


エヴァンダーは小さく呟く。


エヴァンダー

「……アカシを古代神に仕立て上げるつもりか。」


ヘランドラは彼を見ずに答えた。


ヘランドラ

「得体の知れぬ敵として怯えるより……

神として信じる方が、民は動く。」


◆秘密会議


その夜、女王は神官長と将軍たちを集め、

密会を開いた。


ダマロス将軍

「陛下、あの巨像の正体は一体……?」


ヘランドラは冷ややかに微笑んだ。


ヘランドラ

「“メッセージ”よ。」


神官長

「……神々からの?」


ヘランドラ

「神すら超えた力から、ね。」


場の空気が凍りつく。


ダマロス将軍

「では……いかに対処すべきか?」


ヘランドラはエヴァンダーを見る。

エヴァンダーは静かに頷いた。


ヘランドラ

「国内の“粛清”を始めるわ。

疑念を抱く者は……すべて排除する。」


将軍たちは顔を強張らせた。


神官長

「陛下……それはあまりにも……」


女王は獣のような鋭い眼光を向けた。


ヘランドラ

「疑いは敗北の毒。

亀裂は許さない。」


エヴァンダーはその強さに、危ういほどの敬意を抱いた。


エヴァンダー

「……あなたはアガメトス王より残酷かもしれない。」


ヘランドラは振り返りもせず答えた。


ヘランドラ

「――夫と違って、

私は負ける権利を持っていない。」


◆アカシ、遠くから観察する


山岳地帯の隠された洞窟。

アカシは魔導投影に映るヘランドラを見つめていた。


民に向かって嘘を語る女王。


アカシは不敵に微笑む。


アカシ

「いいぞ……我が女王。

“壁に囲まれた都”を治めるとは、そういうことだ。」


暗がりから低い声が響く。


影の声

「まだ、彼女を利用する気か?」


アカシ

「当然だ。

あれほど見事に嘘をつける女王なら……

最初の秘密を与えた私を、

いずれ必ず必要とする。」


その笑みは、刃のように鋭かった。


アカシ

「……秘密なら、まだいくらでもある。」

その同じ夜、エヴァンダーはヘランドラの私室を訪れた。


エヴァンダーは扉を静かに閉める。


エヴァンダー

「……ヘランドラ。

これ以上、真実を隠し続ければ……

もう後戻りはできない。」


ヘランドラは窓辺に歩み寄り、

灯火に照らされた城下町を見下ろした。


ヘランドラ

「生き延びたいと願う王国に、

そもそも“後戻り”という選択はないわ。」


エヴァンダーはそっと彼女の手を取る。


エヴァンダー

「なら……

俺たちは一体、何なんだ?」


彼女はその手を振り払わなかった。


だが――答えもしなかった。


そのとき、兵士が慌てて部屋へ飛び込んできた。


兵士

「陛下!

アガメトス王から緊急の伝令です!

そして……ハルト・アイザワが

聖なる谷へ向かっております!」


ヘランドラの瞳が大きく見開く。


エヴァンダーは彼女の手をさらに強く握りしめた。


エヴァンダー

「未来は……もう目の前だ。」




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