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仲間に裏切られたガチャ中毒の俺、異世界で無限召喚スキルを手に入れ、最強の軍勢で世界を征服する  作者: ジャクロの精霊


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「鋼の訪問者──アカシの提案」

テールマリス東門の巨大な扉が震えた。


敵の襲撃ではない。


金属を叩くような、重く乾いた衝撃音。


ドン。

ドン。

ドン。


城壁へ駆け上がった兵士たちは光景を見て、息を呑んだ。


黒い装甲板で組み上げられた、十メートル級の巨人。


地面を揺らす巨躯。

胸部には赤い紋章。


——アカシの紋章。


女王ヘランドラは、エヴァンダーを伴って城壁に現れた。


ヘランドラ

「……あれは。」


エヴァンダー

「本人が来たか。

 目的は何だ?」


兵士たちは指示を待った。


ヘランドラは手を上げる。


ヘランドラ

「――門を開けよ!」


重い扉がゆっくり開き、

ゴーレムは轟音とともに街中へ入った。


中央広場に到達したその瞬間。


ゴーレムの胸部が、

バキン、と鋭い音を立てて開く。


そこから姿を現したのは――


黒髪、細い眼鏡、柔らかな笑み。

だが、目だけが一切笑っていない男。


アカシ。


彼は庭を散歩するかのように自然な足取りで近づいた。


アカシ

「お噂のテールマリスの城壁……

 そして、その女王陛下にお目にかかれるとは。」


優雅に一礼する。


ヘランドラは微動だにしない。


ヘランドラ

「アカシ。

 国境を無断で越えるとは、宣戦布告と同じだ。」


アカシは穏やかに笑う。


アカシ

「もし戦う気なら、

 孤独に来たりしませんよ。」


背後で巨躯が唸り声のような振動を発した。


エヴァンダーは一歩前へ出る。

自然と、ヘランドラを庇う形で。


エヴァンダー

「目的を言え。」


アカシは二人をゆっくり見渡し、笑みを深めた。


アカシ

「お二人に、“贈り物”を。」


金属の箱を開くと――

漆黒の球体が三つ、妖しく光った。


アカシ

「《核晶コアスフィア》です。

 一つあれば、あなた方の城を……

 ハルトでさえ突破不能なゴーレム軍で守れる。」


ヘランドラの表情が険しくなる。


ヘランドラ

「なぜ我々に渡す?

 お前の利益は?」


アカシは淡々と答える。


アカシ

「単純ですよ。協力者が欲しい。

 “黎明王ハルト”の勢いは危険なほど強い。

 ですが……イリアンドロスには、私が必要とするものがある。」


エヴァンダーが眉を上げる。


エヴァンダー

「裏切り者のお前が欲しがるものとは?」


アカシは迷いも恐れもなく近づく。


アカシ

「古代の知識。

 石の神殿に眠る“理解できないエネルギー”。

 あなた方が持て余している、それ。」


ヘランドラ

「それを渡せば、我々は利用されるだけでは?」


アカシは微笑みながら、はっきり言った。


アカシ

「もちろん、利用します。」


エヴァンダーが歯を食いしばる。


エヴァンダー

「裏切り者にしては正直だな。」


アカシ

「正直者の方が……扱いやすいでしょう?」


そして、ふとヘランドラとエヴァンダーを交互に見て――


アカシの笑みが、ゆっくりと“色”を変えた。


アカシ

「――なるほど。」


ヘランドラ

「……何が言いたい?」


アカシは首を傾け、愉快そうに目を細めた。


アカシ

「ご心配なく。

 その“小さな秘密”は、

 私の計画には支障ありません。」


エヴァンダー

「……意味のない妄言だ。」


アカシは静かに笑う。


アカシ

「妄言かどうか……

 それは、あなたたち次第ですよ。」


ゴーレムへ戻りながら、

毒のように甘い囁きを落としていく。


アカシ

「女王は“王”でありたくない。

 王子は“壁”よりも別のものを望んでいる。

 ——秘密は、いつでも役に立つ。」


ヘランドラは凍りついた。

エヴァンダーは拳を固く握る。


ゴーレムの胸部が閉じ、

巨体が反転しゆっくり歩き出す。


去り際、アカシの最後の言葉が響く。


アカシ

「よく考えてください。

 ハルトとアガメトスの戦争は、

 私にとって追い風です。


 生き残りたいなら……

 正しい側に立つことです。」


鋼の巨人は街を出ていき、

まるで生きた影のように森へ消えた。

エヴァンダーはヘランドラを見つめた。


エヴァンダー

「ヘランドラ……

 アカシの提案を受ければ、俺たちは裏切り者になる。」


ヘランドラはそっと目を閉じる。


ヘランドラ

「しかし、拒めば……

 ハルトはこの城を押しつぶす。」


エヴァンダーは迷いなく、彼女の手を取った。


エヴァンダー

「なら……教えてくれ。

 俺たちはどうする?」


女王はゆっくりと目を開けた。


その瞳には、燃えるような意志が宿っていた。


ヘランドラ

「生き残るためなら……

 必要なことは、何でもする。」

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