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仲間に裏切られたガチャ中毒の俺、異世界で無限召喚スキルを手に入れ、最強の軍勢で世界を征服する  作者: ジャクロの精霊


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「王の槍と破られざる城壁」

コリントスの谷が静寂を取り戻した頃、

アガメトスは自らの天幕へと戻っていた。

勝利のはずだった。

本来なら甘いはずの勝利――だが胸の内は苦かった。


サロン。

彼の最強の戦士が、塵と汗にまみれたまま天幕の中央に立っていた。

確かに巨人は勝利した。

だが、アガメトスの怒りは収まらない。


◆ 叱責


アガメトスは拳で机を叩きつけた。


アガメトス

「サロン! “正々堂々の決闘”を命じたはずだ!

 あの力任せの一撃で、谷を半壊させるつもりだったのか!」


サロンは微動だにしない。


サロン

「我が王……ピュルゴスを敗北させぬために戦ったまでです。」


アガメトス

「度を越している! 交渉の信用を損なうところだったのだぞ!」


しかしサロンは、幾多の戦場を渡り歩いた男らしく、

ただ静かに槍を肩に担いだ。


サロン

「私のやり方が気に入らぬのであれば……

 次の戦は、他の者に任せてはいかがですか。」


返事を待たず、天幕の出口へ歩みだす。


◆ アガメトスは“罰せられない”


アガメトスは思わず腕を伸ばした――

だが、止めることができなかった。


この男はピュルゴスの英雄であり、十の都市に名を轟かせる存在。

数々の戦勝をもたらし、王の命を二度救った。

そして何より……


象徴だった。


辱めることはできない。

投獄するなど論外。

それをすれば、民は反発し、反乱の火種となる。


アガメトスは歯を噛みしめた。


アガメトス(心の声)

(くそ……サロン。

 だが、お前を失うわけにはいかぬ。)


夕陽に照らされながら、巨体の影は天幕の列へと消えていった。


◆ イリアンドロスは“一つの王国”ではない


アガメトスの机には赤い印が無数に刻まれた地図が広げられていた。


イリアンドロスは複数の王都・城塞都市に分かれている。


・ピュルゴス(アガメトスの領)

・タラッサ

・アテロス

・ドラコニス

・ミュリティオン

・コリントス

・その他の諸小都市


既に三つを制圧済み。

そして彼の悲願は――

全都市を槍のもとに統一すること。


だが、軍勢には限りがある。

協力者が必要だった。


そんな時だった。


伝令が駆け込んできた。


伝令

「王よ! 北方より急報です!

 弟君、アルケオン殿下からの文!」


アガメトスは眉を上げる。


アガメトス

「我が愛しき弟は、何と言う?」


伝令は羊皮紙を開き、読み上げた。


伝令

「『ついに成し遂げた』とのことです!

 北の城塞都市テルマリス――

 同盟を受け入れたと!」


アガメトスは言葉を失った。


テルマリス。

それはただの都市ではない。


北方最大の“城壁都市”。

千年一度も落ちたことのない、三重の巨大防壁。

その王、〈嵐のタルコン〉は、どんな交渉も拒み続けた男だ。


アガメトス

「テルマリスが……

 同盟を?

 長き宿敵が……か。」


伝令は笑みを浮かべて続けた。


伝令

「殿下は大宴を開かれています。

 両国の王子たちが主賓とのこと。

 軍事同盟の正式な調印を行う予定だそうです!」


アガメトスは天井を見上げるように息を吐いた。


アガメトス

「……アルケオン。

 あいつめ……交渉事は昔から私より得意だった。」


だが胸の奥で、

別の感情が静かに膨れ上がる。


もしテルマリスが味方に付き、

弟が強固な同盟を結ぶなら……


イリアンドロス統一が、現実味を帯びる。

それは、今後どんな帝国が道を阻もうとも――

必ず戦になるということを意味していた。


ハルトの帝国も、例外ではない。


アガメトスはゆっくりと巻物を閉じた。


アガメトス

「よかろう、弟よ。

 好きに同盟を築くがいい。」


彼は立ち上がった。

その影は巨大で、まるで怪物が立ち上がったかのようだった。


アガメトス

「イリアンドロスが一つにまとまった暁には……

 我らは一つの怪物として、暁へ進軍するのだ!」


背後で松明が一斉に燃え上がる。


将軍たちは、炎に照らされながら

王の言葉に燃えるような眼差しを向けた。


そして遠く――テルマリスでは。


音楽が流れ、笑い声が響き、

杯がぶつかり合う祝宴の夜。


だが、その「同盟の祝杯」が

知らぬ間に――


大陸史上最大の戦争の幕開けとなる。


――コリントスの谷は、イリアンドロスの覚醒を前に静かに息を呑む――

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