「黄金の太陽が帝国を食い尽くす日」
戦いの煙はすでに消え、
西方帝国の軍旗は焼け焦げ、砕け、灰にまみれて地に伏していた。
そして――
宮殿の大階段。
数千の兵が跪くその前で、
ハルト・アイザワはまるで巨神のように立ち上がっていた。
黒いマントは風に揺れ、
黄金の瞳は刃のように人々を射抜く。
その隣には人型のアウレリア――
折りたたまれた翼、まだ酸を滴らせる鋼。
マグノリアは煙を上げる鎖を回し、
エルフィラ、エリーゼ、イリス、クララ、セルレたちが
神々の影のように背後へ並んでいた。
崩れ落ちた帝国の将軍たちは皆、地に膝をつき、
皇族たちは鎖で拘束され、前方へ引き出されている。
民衆は震え、
呼吸すら忘れていた。
ハルトが一歩、前へ踏み出す。
その音は雷鳴のように響いた。
ハルト
「――今日をもって……この王国は消滅する。」
押し殺した悲鳴が上がる。
抗議しようとした貴族もいたが、
再調整されたセレネが大鎌で地を叩き、
瞬時に静寂が戻った。
ハルトは、未だにアウレリアーノの血を震わせている
黄金のガチャ剣を掲げた。
ハルト
「これは帝国などではない。
錆びついた鎖だ。
虚飾に包まれた牢獄だ。」
その声は命令そのものだった。
ハルト
「黄金の太陽の名において――
レヴィウム帝国はアイザワ王国へ併合する!」
何をすべきかわからぬ兵士たちは次々に膝をつき、
安堵に泣く者、
運命を受け入れるように頭を垂れる者もいた。
皇妃は涙の中で叫ぶ。
皇妃
「これは暴虐よ! あなたは怪物! 私の夫は――!」
ハルトはゆっくりと振り返る。
そこに情はなかった。
ハルト
「お前の夫は植民地を焼き、
子どもを売り、
英雄たちを“燃料”として使った。」
完全な沈黙。
ハルト
「無辜を守ることで“怪物”と呼ばれるのなら……
私は喜んで怪物になろう。」
皇妃は崩れ落ち、すすり泣く。
アウレリアは潤んだ瞳で囁く。
アウレリア
「……陛下……その覚悟……美しい……」
マグノリアは誇らしげに笑った。
マグノリア
「これで帝国は完全に屈服したわね。」
セレネが前へ進み、宣言する。
セレネ
「生存しているすべての将校は黄金の太陽の監視下に置く!
民間人には直ちに保護を!
統合作業を開始する!」
ハルトが手を上げた。
その瞬間――
まるで太陽そのものが彼に跪いたかのように、
空に巨大な魔法陣が輝き出す。
兵士も、貴族も、民衆も――
新たな支配者の圧に震えた。
ハルトはゆっくりと目を閉じる。
ハルト
「今日から……お前たちは私の民だ。」
ざわめきは涙へと変わる。
それは恐怖の涙ではなく――
救われた涙。
ハルトは剣を下ろし、静かに告げた。
ハルト
「そして私は……私の民を守る。」
背後の仲間たちは彼を見つめ、
胸に熱い光を宿していた。
イリスとクララは頬を染めながら近づく。
イリス
「ハルト……本当に……すごかったわ……」
クララ
「こ、こんなに……威厳のある姿……初めて……」
マグノリアは愉快そうに笑う。
マグノリア
「ほらね? どうやって惚れろって言わなくても惚れるでしょ?」
アウレリアは俯き、頬を赤らめた。
アウレリア
「……はい。彼こそ……私たちの皇帝です。」
こうして――
たった一日で。
たった一つの決断で。
西方帝国は地図から消え……
アイザワ帝国が誕生した。
大陸の運命を変える、新たなる太陽として。
――続く。




