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仲間に裏切られたガチャ中毒の俺、異世界で無限召喚スキルを手に入れ、最強の軍勢で世界を征服する  作者: ジャクロの精霊


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『無操縦の巨人――裏切り者の帰還』

夜風が、傷ついた獣のように唸りを上げていた。


帝国での対面を終えたハルトは、無言のまま国境を歩き出した。

その後ろを、アウレリア、アヤネ、マグノリア、カオリ、モモチが緊張した表情で続く。


その時――


◆ 大地が揺れた。


乾いた、低く重い“機械の鼓動”。


GONG… GONG… GONG…


カオリが剣に手をかける。


カオリ

「地震……じゃない!?」


アウレリアが翼を半ば開く。


アウレリア

「違う……これは“巨大な何か”が歩いている音だ。」


アヤネは唇を噛み、全身を震わせた。


アヤネ

「この音……知ってる……

これは……Ω級ゴーレム……

帝国ですら完全には制御できなかった……禁忌兵器……!」


ハルトは空を見上げた。


山脈の向こうから、影がゆっくりと姿を現す。


BOOOOOOOOM――


城塞すら見下ろす、超巨大ゴーレム。


眼孔のない仮面。

黒曜石のような漆黒の身体。

胸には、赤い人工心臓のような核が脈打っている。


マグノリアが口笛を吹いた。


マグノリア

「……でっけぇなぁ、ほんと。」


モモチは影に消えながら言う。


モモチ

「禁制兵装だよ。

こんなのを動かすヤツなんて……頭がおかしいか、自信過剰か。」


ハルトは瞬きもせず見つめた。


その時、核の中心から金属質の声が響く。


アカシ(通信)

『──こんばんは、ハルト。

僕からのプレゼントだよ。気に入った?』


アヤネが思わず後ずさる。


アヤネ

「あ……アカシ……」


声は落ち着いて、だが嘲笑を含んでいた。


アカシ

『言っておくけど、僕はその場にいないよ。

馬鹿じゃないからね。

このゴーレムは……遠隔操作だ。

何千キロ離れていても操れる。

どこから?

そんなの関係ない。

君には――絶対に辿りつけない。』


ハルトは静かに目を閉じた。


ハルト

「アカシ。

お前は友を利用したな。

殺して……燃料にした。

研究のために。」


一瞬、通信の向こうが黙る。


そして――くつくつと笑い始めた。


アカシ

『だから何?

この世界は残酷だよ、ハルト。

僕が使わなかったら……帝国が使っていた。

だから先に手を出した。

だから逃げた。

だから今……僕の“巨人の軍団”が始まるんだ。』


ゴーレムが一歩踏み出す。


GONG――

地面が揺れる。


カオリが歯を食いしばる。


カオリ

「逃げたこと……後悔させてやる……!」


アウレリアが槍を構える。


アウレリア

「ハルト。ご命令を。」


だがハルトはただ一人、ゴーレムへ歩き出した。


危険なほど近くへ。


アカシ

『……戦うつもり?

これは試作品だよ。

次のモデルは十倍のサイズ。

三号機は……“神の機体”になる。』


ハルトが手を上げる。


足元に黄金の魔法陣が灯る。


ハルト

「アカシ。

何度逃げてもいい。

何体作ってもいい。

どの国に隠れても構わない。」


双眸が、双つの太陽のように輝いた。


ハルト

「だが俺は、お前がいる場所へ行く。

そして――お前の世界を叩き潰す。」


巨人が拳を振り上げた瞬間。


アヤネ

「ハルト様っ!

その一撃は……城塞を粉砕する威力です!!」


だがハルトは動かなかった。


◆ 黄金のカードが発動する。


《ガチャ召喚――“核破壊の槍:ゼロン”》


天から雷のような光が落ちた。


そこから現れたのは、白い装甲に青の紋様を刻んだ、顔のない戦士。

その手には、魔力核破壊のためだけに作られた“分岐槍フラクタルランス”。


カオリ

「っ……EX級の遺物!?

ガチャで出るはずが……!」


アウレリア

「ハルト……今日は神が味方しているみたいね。」


ハルトはただひとつ命じる。


ハルト

「ゼロン。

その心臓を砕け。」


戦士は動いた。


◆ 戦いは、一瞬だった。


巨人の拳が落ちる。


ゼロンが跳び――

槍が核を貫いた。


CRACK――


赤い光は消え、

巨人は停止する。


アカシ(通信)

『……ま、待って。

そんなはずない……

あの核は……破壊不能のはず……』


ハルト

「お前には“破壊不能”。

俺にとっては……ただの障害物だ。」


巨人は崩れ落ちた。


◆ 最後の通信


アカシ

『ハルト……

君は……やっちゃったね。

もう次の機体を起動したよ。

また会おう……

七多神のセブン・ポリティストで。

僕の新しい王国が始まる場所で。』


通信が途切れる。


アウレリアは槍を収め、

カオリは苛立ちを吐き出し、

アヤネは膝をついて震えた。


アヤネ

「アカシ……いったいどこまで……」


ハルトはただ、遠い地平線を見つめた。


ハルト

「……俺が許す場所までだ。

それ以上は進ませない。

行くぞ。

七多神の領地へ。」


夜風が、黄金のマントを大きく揺らした。

帝国魔導師

「し、陛下……

検知されていたゴーレムは……破壊されました。

数分で……

ハルト・アイザワによって。」


アウレリアーノは拳を握りしめ、全身を震わせた。


アウレリアーノ

「……あれは……

何という“悪魔”なのだ……?」


最高顧問は脂汗を垂らしながら口を開く。


最高顧問

「へ、陛下……

もしかすると……

この戦争は……すでに勝ち目がないのでは……。」


皇帝はゆっくりと目を閉じた。


そして、生まれて初めて――


“恐怖”を認めた。

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