「皇帝の咆哮――黄金の太陽への宣戦布告」
帝国宮殿・玉座の間
青銅の扉が勢いよく開かれた。
蒼白になった大臣たちが、皇帝オーレリアノ五世のもとへ駆け込む。
大臣1
「陛下!
アカシが……脱走しました!」
大臣2
「アヤネは……ハルト・アイザワに奪われました!」
大臣3
「《アストライオス》も随伴なしで出航したとの報告が……!」
オーレリアノは歯を食いしばり、
黄金の玉座の肘掛けを強く握りしめた。
オーレリアノ
「このような無価値な報告を持ってきて……
まだ息をしているとはな?」
大臣たちは震え上がった。
特務親衛隊の司令官が息を切らして現れる。
司令官
「陛下……
ハルト・アイザワが……
西方港へ向かっています。」
オーレリアノが立ち上がる。
オーレリアノ
「何のためだ!?」
司令官は唾を飲み込み、声を震わせた。
司令官
「……《オフィオン》を
奪うため、とのことです。」
玉座の間に、死のような静寂が落ちる。
大臣たちは叫び始めた。
「《オフィオン》は唯一無二の艦だぞ!」
「失えば制海権が崩壊します!」
「大陸の移動が全て敵の手に落ちる!」
「ハルトの行動範囲が無制限に——!」
オーレリアノは拳で玉座を叩きつけた。
ドンッ!
広間全体が揺れる。
オーレリアノ
「黙れ。」
大臣たちは固まった。
皇帝はゆっくりと大窓へ歩み寄り、
輝く帝都を見下ろす。
美しい。
巨大。
無敵の象徴。
だが——この瞬間だけは脆かった。
オーレリアノ
「ハルト・アイザワ……」
銀の瞳が怒りで燃える。
オーレリアノ
「植民地を奪い、
将軍を屈服させ、
一個連隊を葬り、
科学者を奪い……
そしてついには、我が帝国の船まで狙うか。」
拳を握りしめた。
オーレリアノ
「今、動かなければ……
明日には、この宮殿の門を叩いてくるだろう。」
大臣たちは平伏した。
「陛下、どうかご命令を!」
「このままでは……!」
オーレリアノは腕を上げた。
差し込む陽光がその銀の瞳に反射する。
そして宣言した——
オーレリアノ
「銀陽の名において……」
その声は雷鳴のようだった。
オーレリアノ
「東方の征服者に対し……
全面戦争を宣言する。」
大臣たちの顔色が変わる。
「全面戦争……!?」
「帝国総軍を動かすのか!?」
「大陸規模の戦争だぞ!」
「十二聖導将を召集しなければ……!」
オーレリアノは続けた。
オーレリアノ
「本日より即時発動する。」
オーレリアノ
「帝国レビウムは神聖なる勅命のもとに……
黄金の太陽を——」
その瞳は憎悪で鋭く光った。
オーレリアノ
「――ハルト・アイザワを、殲滅する。」
アウレリアが駆け込む。
カオリは槍を落とし、
マルガリータは鎖を握りしめ、
アヤネは息を呑んだ。
アウレリア
「ハルト!
帝国が……
あなたに全面戦争を宣言した!」
ハルトは驚かない。
怯えない。
迷わない。
ただ息を吐いて——
不気味なほど静かに笑った。
ハルト
「そう来ると思っていた。」
カオリ
「これって……どうなるの?」
ハルトは顔を上げた。
黄金の瞳が、皆を射抜く。
ハルト
「――もう、後戻りはない。」
マルガリータは興奮して前へ。
マルガリータ
「じゃあどうする、王様?
戦争を返すのか?」
ハルトは首を横に振る。
全員が固まる。
ハルト
「いや。」
彼は地図へ歩き、
指を内海へ滑らせる。
そしてヘレニカ地方へ。
ハルト
「まずはアカシを捕らえる。」
指が金色に光り、
地図に真っ直ぐな線が走る。
ハルト
「それから——帝国の計画を叩き潰す。」
カオリは震えるほど笑う。
カオリ
「船の作戦、続行ね。」
アヤネが口を開く。
アヤネ
「ハルト……
これは二つの敵を同時に相手にするということですよ。」
ハルトは彼女を見る。
揺るぎなく。
炎のように。
ハルト
「違う。」
一歩近づき、静かに告げた。
ハルト
「相手にするのは——
“全て”だ。」
アウレリアは震え、
マルガリータは笑い、
アヤネは胸に手を当てて頷いた。
アヤネ
「……わかりました。
全力を尽くします。」
ハルトは最後の命を下す。
ハルト
「準備しろ。」
黄金のオーラが爆ぜる。
床が震えた。
ハルト
「帝国が我らを滅ぼそうとするなら……
その前に、海を支配する。」
――続く。
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