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仲間に裏切られたガチャ中毒の俺、異世界で無限召喚スキルを手に入れ、最強の軍勢で世界を征服する  作者: ジャクロの精霊


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「裏切り者の行方──ヘレニカ諸国へ」

戦略室は、地図の中心から放たれる黄金の光だけに照らされていた。


新たな威厳をまとった綾音が、ゆっくりと歩み寄る。

金の反射を帯びた髪が揺れ、彼女は何枚もの巻物と私的な記録を机に広げた。


春斗、香織、アウレリア、そしてマルガリータが見守る。


綾音

「……暁司は、帝国にはいません。」


マルガリータが眉を上げる。


マルガリータ

「は? あいつ、帝国の“お気に入りの犬”だったんじゃないの?」


綾音はかぶりを振る。


綾音

「あの男は、何かが失敗した瞬間に逃げるタイプです。

まして、私がこちら側についたと知れば……即座に姿を消すでしょう。」


香織が腕を組む。


香織

「じゃあ、どこに逃げるっていうの?」


綾音は息を整え、目を閉じ、静かに答えた。


綾音

「……ヘレニカ諸国です。」


春斗が視線を上げる。


春斗

「説明しろ。」


綾音は古い地図を広げた。

青い線と円形の紋様が複雑に描かれている。


綾音

「ヘレニカ諸国は、古代ギリシャをモチーフにした地域ですが……

どの帝国にも属していません。」


いくつもの円を指差す。


綾音

「ひとつひとつの都市が独立した“城邦”。

巨大な海上都市もあれば、断崖絶壁に建つ要塞都市もあります。」


アウレリアが興味深そうに目を細める。


アウレリア

「古代のポリス……アテネ、スパルタ、テーバイのようなものだな。」


綾音は頷いた。


綾音

「その通りです。

そして——暁司が向かうのはここ、《アルギュロス──銀都》。」


三角形の紋様を示す。


綾音

「中立性、魔導技術、そして“数学神殿”で有名な都市です。」


香織が拳を握る。


香織

「それに、腐敗の温床でもある。

来歴を聞かない街……悪党には天国ね。」


綾音は淡々と続ける。


綾音

「アルギュロスには、暁司の目的に合うものがあります。

禁術を収めた図書館……“至核伝承”(コア・スプリーム)の文献もある。」


春斗が僅かに身を乗り出す。


春斗

「つまり、奴は計画を完成させに行くわけだ。」


綾音は頷いた。


綾音

「暁司は常に逃走経路を用意していました。

彼は捕まるのを恐れ、英雄を恐れ……

そして何より、あなたを恐れている。」


春斗は冷たく微笑む。


春斗

「なら、その恐怖のまま震えていればいい。」


アウレリアが長く息をつく。


アウレリア

「急がねばならんな。先に到着される前に。」


綾音もうなずく。


綾音

「そのうえ、ヘレニカへは陸路では行けません。

内海を渡らねばならないのです。」


香織が一歩前に出る。


香織

「……じゃあ、船が必要ね。」


マルガリータがニヤリと笑う。


マルガリータ

「帝国の船を盗む? いいじゃない、楽しそう。」


綾音が指をさす。


綾音

「帝国には西側に秘密港があります。

ゴーレムや禁制素材の輸送に使われていました。」


春斗が興味深そうに視線を向ける。


綾音

「必要なのは《オフィオン》。

軽量戦艦で、速度があり、追跡封じのルーン付きです。」


香織が春斗を見る。


香織

「春斗……それを奪えば、帝国は無防備になる。」


春斗は静かに、しかし危険な微笑を浮かべる。


春斗

「なら、奪う。」


綾音は視線を落とす。


綾音

「……私も同行させてください。

暁司の儀式を理解しているのは私だけです。」


香織が前に出る。嫉妬と心配が混ざった声。


香織

「危険すぎる。

あなた、やっと生まれ変わったばかりなのよ。」


綾音は一歩も引かない。


綾音

「危険ならなおさら行きます。

自分が始めたことは……自分で終わらせたい。」


マルガリータが満足げに笑う。


マルガリータ

「いいね、気に入った。」


アウレリアも頷く。


アウレリア

「アルギュロスで情報を集めるなら、綾音は必要だ。」


香織が春斗を見つめる。


香織

「……連れて行くの?」


春斗は一切ためらわずに答えた。


春斗

「連れて行く。」


綾音の心臓が跳ねる。


香織は歯を食いしばる。

アウレリアは予想通りだと言わんばかりに微笑む。

マルガリータは舌打ちして笑う。


春斗が立ち上がった。


黄金の気配が部屋全体を照らす。


春斗

「準備しろ。」


全員が彼を見る。


春斗

「明日、オフィオンを奪取する。」


春斗

「そして——ヘレニカ諸国へ航海する。」


綾音の背を震えが走る。

香織は緊張し、

マルガリータは猛獣のように笑い、

アウレリアは尊敬を込めて頭を下げる。


そして春斗は静かに宣言した。


春斗

「暁司は……もう俺から逃げられない。」

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