「太陽が解き放たれる/嫉妬・恐怖・誓い」
ハルトの黄金の光が、
煙を貫く天の槍のように突き抜けた。
ベータ0が止まる。
無数の腕が震え、
縦に裂けた顎がギィィと悲鳴を上げ、
床のルーンが次々と砕け散る。
モモチ隊は倒れ、重傷で動けない。
ミヤコは、砕けたハナのゴーレムを抱きしめて泣いていた。
モモチは額から血を流しながら囁く。
モモチ
「……ようやく……来たか。」
ハルトはゆっくりと降りてくる。
歩かない。
浮いている。
まるで神帝のごとく。
その瞳は、
純粋な金色。
冷たく、鋭く、殺意に満ちていた。
ハルト
「……奴らから離れろ。」
ベータ0が千の声で咆哮する。
ベータ0
「アアアアアアア――
ヒカリ――
ニクイ――
コロシタァァァァァ――!」
ハルトは拳を握る。
ハルト
「なら来い。」
◆ ベータ0が先に動く
刃の嵐のような腕群がハルトに降り注ぐ。
ハルトは動かない。
片手を上げて――
ハルト
「重力、ゼロ。」
実験室の半分が空中で停止する。
切断寸前の腕も、破片も、空気すらも。
ベータ0は技を破ろうともがくが、
ハルトは軽く指を振った。
ハルト
「混沌、反転。」
重力が逆転し、
ベータ0は天井へ叩きつけられた。
モモチが小さく口笛を吹く。
モモチ
「……これが……王の戦い方か。」
それでも怪物は再生する。
腕が増え、体がねじれ、存在が間違った形へと変わる。
ベータ0
「モット――
チカラ――
クレ――
アアアアアアア――!」
再び突進。
ハルトは一歩もかけず、
最小の動きで回避。
そして背後に現れる。
ハルト
「お前の存在は……間違いだ。」
黄金の光が腕を包む。
ハルト
「《ゴッテン・サン――星撃》!」
衝撃がベータ0の胴を貫く。
怪物は千の声で絶叫する。
だが、倒れない。
再生してさらに暴走する。
ベータ0の顎が開き、
黒い塊が生まれ始める。
カイレン
「ダメ!! それは“壊れた魂のパルス”!!」
メイカ
「撃たれたら全員消える!!」
モモチが前に立ちはだかる。
モモチ
「ハルト! 今すぐ止めろ!!」
◆ ハルトの耳に届く“声”
ハルトは深く息を吸い、
金の瞳を閉じる。
そして――
聴こえた。
「……ハルト……」
ハナの声。
壊れたゴーレムが震え、
亀裂から淡い青光が漏れる。
ミヤコは大粒の涙を流しながら叫ぶ。
ミヤコ
「ハルトくん……!
ハナは……あなたを呼んでる……!」
ハルトは目を開ける。
そして――
神すら震えるような微笑を浮かべた。
ハルト
「……わかったよ、ハナ。」
黄金のオーラが爆発する。
地下の研究所が、
夜明けのように光で満たされる。
ベータ0は動けない。
瓦礫が浮く。
空気が止まる。
時間が遅くなる。
壁の亀裂までも輝き出す。
モモチ隊は言葉を失う。
ハルト
「これが俺の……誓いだ。」
ベータ0に手を向ける。
ハルト
「――もう二度と、
“人の魂”には触れさせない。」
背後に巨大な黄金の魔法陣が現れる。
回り、歌い、
太陽の裁きを告げる。
ベータ0は逃げようとする。
動けない。
ハルト
「《太陽終極――絶対なる裁き》。」
黄金の雷が“神罰”のように落ちる。
ベータ0の頭部が爆ぜ、
胴体が溶け、
腕が崩れ落ち、
魂核が逃げようとする。
ハルトはそれを片手で掴む。
ハルト
「――動くな。」
そして、砕く。
研究所に静寂が落ちる。
ハルトはハナのゴーレムをそっと抱き上げる。
ミヤコが駆け寄る。
ミヤコ
「ハルトくん!! ハナは……!」
ハルトは静かに、
震える声で頭を撫でる。
ハルト
「ありがとう……
耐えてくれて……」
ミヤコは嗚咽。
だが――それを見つめる少女たち。
◆ 各ヒロインの感情
カオリ(激しい嫉妬)
(あんな顔……
私が死にかけた時ですら、見せなかった……)
胸が締めつけられる。
アウレリア(恐怖と焦り)
「……ハルト、強くなりすぎてる……
いつか……置いていかれるのでは……」
翼が震える。
マグノリア(尊敬と嫉妬)
「チッ……また主人公みたいな登場しやがって……」
胸がドクンと跳ねる。
クララ(純粋な恐怖)
「……ハルト様……
守る時の顔は……本当に怖い……」
イリス(震えるほどの感動)
「これが……“真の皇王”……」
セレネ(危険な興奮)
「ねぇ……私も、いつかあんなふうに見られたいわ……」
◆ ハナ
壊れたゴーレムが、
ゆっくり、ゆっくりと指を動かす。
その指先がハルトの手に触れ……
青い光が涙のように零れる。
「……ハル……ト……」
ハルトは唇を噛む。
ハルト
「ハナ……
必ず……助ける。
命に代えても。」
少女たち全員は悟った。
――ハナは、**新たな恋の“敵”**になったと。
研究所が激しく揺れた。
モモチはゆっくりと視線を落とす。
モモチ
「……ハルト。
ひとつ、問題がある。」
ハルトが振り向く。
モモチ
「ベータ0は……
“最初の一体”にすぎない。」
その瞬間――
トンネルの奥で、
紫色の瘴気がゆらりと揺れた。
そして、闇の中から現れる影。
アヤネ。
――つづく。




