「暁に落ちる影——裏切り、愛、そして血」
※ 誤記修正しました。
夜が〈暁帝国〉を包み始めていた。
雨と鋼の匂いが混ざり合い、空気は不自然なほど静かだった。
戦略室で報告書を確認していたハルトの前で、二つの扉が同時に開いた。
イリス
「ハルト様! 南塔で問題が発生しました!」
クララ
「ハルト! 中央広場へ来て! 今すぐ!」
二人が左右からハルトの腕をつかむ。
ハルトは眉をひそめた。
ハルト
「……具体的に何が起きた?」
二人は同時に叫んだ。
イリス
「謎の勢力が夜間結界を突破——」
クララ
「——そして、貴方の飲み物に毒を入れようとした者がいます!」
ハルトの目が鋭く光る。
外からの裏切り。
内からの裏切り。
同時に。
◆1. 内部の裏切り
中央広場。
兵士たちが、青髪の少女を取り押さえていた。
リリエル。
モモチが最近選抜した新兵。
控えめで優しく、いつも小さく微笑んでいた少女。
誰も疑わなかった。
クララは怒りのまま、少女を地面に押し倒す。
クララ
「こいつがハルトの茶に毒を入れようとしてたのよ!」
イリスは悲しげに目を伏せる。
イリス
「彼女……ずっとハルト様を遠くから見つめていたんです。」
リリエルは涙を浮かべながらハルトを見上げる。
リリエル
「私は……ただ……」
ハルト
「命じたのは誰だ。」
リリエルの体が震える。
そして——
吐き出した名前は、場を凍らせた。
リリエル
「……アカシ。」
◆2. 思いがけない告白
ハルトが反応する前に——
イリスが彼の手を握った。
イリス
「ハルト様……どうか気をつけて……!
わ、私……貴方を愛しています!」
クララが堪えられず叫ぶ。
クララ
「私だって! 他の誰がいようと関係ない! 貴方を失いたくない!」
その場にいた全員が凍りつく。
エルフィラは口を覆い、
フロストは膝をつき、
カオリは歯を食いしばり、
マグノリアは舌打ち、
セレネは目を細めた。
呼吸するのさえ痛いほどの緊張。
ハルトが何か言いかけ——
その瞬間。
◆3. 襲撃:進化ゴーレム
BOOOOOOM!!!
南塔が爆散した。
大気を震わせる金属の咆哮。
ドラゴン形態のアウレリアが、血を流しながら地面に落ちてくる。
アウレリア
「こいつら……違う……!
ハルト、進化型ゴーレムよ!」
影が揺れた。
10体……20体……50体の巨大ゴーレム。
赤い目が一斉に点灯する。
核が見えない。
セレネ
「……アカシとアヤネ。」
影からモモチが現れる。腕を押さえ、血を流しながら。
モモチ
「誰の命令も聞かない……!
完全自律型……!」
ハルト
「ということは——」
黄金の光がハルトの全身から爆発した。
ハルト
「全員、下がれ!」
◆4. 真の裏切り
(ダブルショック・PV爆上げ)
ハルトが片手で二体のゴーレムを粉砕しているそのとき——
地面に倒れていたリリエルが、笑った。
歪んだ笑み。
リリエル
「ねぇ、ハルト……一番の問題、分かる?」
彼女の体が……溶けた。
伸び、裂け、ねじれ、
影の液体へと変貌する。
「リリエル」ではなかった。
影の工作員
「お前は女を信じすぎだ。」
影が破裂する。
屋根の上に移動し、巨大な爆裂魔方陣を展開。
モモチ
「魔導爆弾!?」
エルフィラ
「これ……王都の半分が吹き飛ぶわ!」
ハルトが叫ぶ。
ハルト
「——セレネ!!」
セレネは、爆発する魔方陣へと跳び込んだ。
黒い光。
白い炎。
夜が——昼に変わった。
ハルトは目を見開いた。
恐怖で、息が止まる。
塔が……消えていた。
そこに残ったのは、
建物一つ残さない、
燃え上がる巨大なクレーター。
イリスが悲鳴を上げ、
クララは崩れ落ちて泣き、
カオリは歯を食いしばり、血が滲む。
ハルトは震える手を伸ばした。
セレネ……?
返事はない。
風が吹く。
その煙の中から——
ゆっくりと歩み出る影があった。
焼け焦げ、
血を流し、
爆発でひび割れた身体。
——セレネ。
立っている。
笑っている。
だが。
その背後で——
数千の赤い光が地平線に灯った。
自律型ゴーレム。
無数。
完全な隊列で、
〈暁の王国〉へ向けて行進してくる。
ハルトは喉を鳴らした。
ハルト
「……アカシ。」
その瞬間——
遠くから声が響いた。
???(アカシの声)
「ハルト。
待っていたよ。」




