表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仲間に裏切られたガチャ中毒の俺、異世界で無限召喚スキルを手に入れ、最強の軍勢で世界を征服する  作者: ジャクロの精霊


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

196/370

追い詰められた薔薇と、影に仕える者

夜がそっと降りるころ、ハルト帝国は静かな光に包まれていた。

街では人々が今日も豊かな日々に感謝し、笑い合い、歌い、穏やかな灯りをともしていた。

──食べ物は十分、労働時間は短く、教育は無償。

それは、皇帝ハルトが築いた“新しい帝国の姿”だった。


だが、**宮殿パレス・オブ・ドーン**では、静かに物語が動いていた。


◆ 帝王の眼に映る影


ハルトは《黄金の鏡》を介して、帝国の現状を見つめていた。


ハルト(心の声)

「……民が笑っている。ならば、道は間違っていない。」


彼の隣には、カオリとアウレリア。

その後方にはモモチの指名で諜報任務に選ばれた、カイレン、メイカ、ジノの三人が控えていた。


その時だった。


鏡の端がかすかに揺れ、見知らぬ光景が映り始めた。


それは──敵国・レヴィウム帝国の豪奢な広間。


そこで、ある貴族一家が毒を含んだ声で密談をしていた。


◆ 禁じられた会話


ハヴェロン・ドレイクロフト卿──銀髭の男。

その妻ミリアンヌ。

そして彼らの娘、エミリス・ドレイクロフト。


彼女はハルトの元へ“外交官”として送られた少女。

しかし今、カーテンの影に隠れながら、両親の裏切りを耳にして震えていた。


ハヴェロン

「……で、あの使者は何と言っていた? 早く結果を寄越せ。」


ミリアンヌ

「アウレリアン陛下は苛立っておられますわ。

エミリスが征服王を弱らせられないのなら……消すしかない、と。」


エミリス(心の声)

「……わ、私を? 失敗したら……殺す……?」


ミリアンヌ

「言うことを聞かない娘は……もう道具として価値がないのよ。」


ハヴェロン

「帝国は、役立たずを養う余裕などない。」


──鏡が暗転する。


ハルトは眉を寄せた。

エミリスは“外交官”ではなく、ただの捨て駒だった。


その時、ひとりの少女が前へ進んだ。


◆ 彼女に手を伸ばした者


エリーズ・ダルクレンヌ。

ハルトに召喚された高貴なる剣士。


エリーズ

「陛下……あの娘は悪ではありません。ただ……間違った家に生まれただけです。」


カオリ(鋭い視線)

「……助けに行くつもり?」


エリーズ

「……ええ。私ひとりで、話したい。」


ハルトは静かに頷いた。


◆ 召喚:影の侍女


エリーズを送り出す前に、ハルトは右手を掲げる。


「──召喚ガチャ:サーヴァント級/ティア・ガンマ

《影薔薇のルナリア》」


紫の光が弾け、舞い散る花弁の中から、ひとりの女性が跪いて現れた。


黒の侍女服と軽装甲。

赤い瞳。

息づく刃のような静寂を纏う女──


ルナリア・ヴェルモント。


ルナリア

「我が王よ。どのような命でも。」


ハルト

「エリーズについて行け。

そして──エミリス・ドレイクロフトを守れ。

彼女を殺そうとしているのは……彼女自身の家族だ。」


ルナリアは一切の迷いなく頭を垂れた。


◆ 月下の邂逅


庭園で、エミリスはひとり震えていた。

誰にも頼れず、息を潜めるように歩く。


その横に、音もなくルナリアが現れた。


ルナリア

「お一人では危険です、エミリス様。」


エミリス

「だ、誰……? 何の用……?」


ルナリア

「あなたをお守りするために来ました。そして──伝えるべきことがあります。」


エミリスは立ち止まる。


ルナリア

「……ご両親は、あなたを“処分”する決断を下しました。」


エミリス

「……う、そ……。どうして……? 私は娘なのに……!」


ルナリア

「彼らにとって“娘”ではありません。

従わぬ道具──ただそれだけです。」


エミリスの頬を、涙がつう、と伝う。


その時、薔薇の影からエリーズが現れた。


エリーズ

「……来て。話したいことがある。」


震えるエミリスの手を、エリーズはそっと包んだ。


エリーズ

「ハルト陛下はすべてをご存じよ。

そして──あなた自身が未来を選ぶことを望んでおられる。」


◆ 決断


玉座の間。


ハルト

「聞いた通りだ。

もう“家族”の元へ戻れば、死しか待っていない。」


エミリス

「…………」


ハルトは指を二本立てる。


「道は二つ。


ひとつ──従順に戻り、殺される道。

もうひとつ──ここに残り、私の庇護のもと……生きる道。」


エミリスの瞳が揺れ──


エミリス

「……生きたい。

私……自分で選びたい。」


ハルト

「ならば、生きよ。」


その言葉に従い、ルナリアはエミリスの前で跪いた。


ルナリア

「本日より、私はあなたの影。

命尽きるまで、お守りいたします。」


エリーズは安堵の息を漏らし、そっとエミリスを抱き寄せる。


ハルトは歩み寄り、エミリスの頬に触れた。


エミリス

「っ……!」


頬を染めるエミリス。

直後──宮殿中の女性陣が一斉に眉をひそめた。


カオリ

「……また増えたわね。」


アウレリア

「ハルト、あなた、楽しんでいるでしょう?」


ハルトは微笑んだだけで、何も答えなかった。

その夜――

新しい部屋で眠ろうとしていたエミリスは、微かな気配に気づいて目を閉じたまま息を潜めた。


ルナリアが静かに身をかがめ、耳元で囁く。


ルナリア

「エミリス様……。

ご両親は刺客を放ちました。

夜明け前に到着します。」


エミリスの瞳が恐怖に揺れ、ぱちりと開く。


ルナリア

「……ですが、ご安心を。」

「今のあなたには──守ってくれる“家”があります。」


その頃、宮殿の最上階では──

黄金の太陽がハルトの瞳の中で静かに燃えていた。


気に入っていただけたら、ぜひ★★★★の評価とブクマをお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ