教室の残響 ― 同盟の代償
召喚された者たちのすべてが――
陣営を選んだわけではなかった。
中には、影の中で時を待ち、
歴史の中に「自分の居場所」を交渉しようとした者たちもいた。
*
その朝、すべての魔法都市、王国、そして要塞が同時にそれを感じた。
魔法通信網に干渉が発生したのだ。
投影魔法が強制的に起動。
全域に向けた“同時送信”。
柔らかな、女性の声。
「やっほー、ハルト。
…会いたかった?」
映像が安定する。
そこに映し出されたのは、制服を着た四人の人物。
佐藤アヤネ:紫の髪、優雅な立ち姿。残酷な笑み。
中村ケンタ:眼鏡をかけ、冷たい視線。手には本。
黒沢ハジメ:筋肉質で無口、白い鎧に身を包む。
藍野ユリ:微笑みを浮かべるが、瞳には空虚さが宿る。
アヤネ:
「私たちは、忘れられた存在じゃない。
被害者でもない。
自分の意志で“道”を選んだのよ」
ケンタ:
「帝国にも…お前にも、つく気はない」
ハジメ:
「お前たちは秩序を求める。
俺たちは、それを壊すことを望む」
アヤネ(カメラを見つめながら):
「でも、あなたの敵が誰かは知ってる。
帝国、セレスティーヌ、そして隠された“契約”」
ユリ:
「だから――力を貸してあげてもいいよ。
でもね、条件があるの」
提示された“三つの条件”:
ハルトとの“個別対面” ― 護衛なしで。
α等級のガチャ遺物へのアクセス権。
永久契約書 ― 「輪廻王国」の内政には一切干渉しないと誓うこと。
アヤネ(甘い声で):
「そんなに難しいことじゃないでしょ?
ちょっとした…昔の仲間とのおしゃべりよ」
通信は、唐突に切れた。
*
教室の空気が一気に張り詰める。
カオリ(怒りをあらわに):
「罠よ!一対一の会談?うちの遺物まで渡せって?ふざけないで!」
エリーズ:
「でも…あの情報。
もし本物なら、戦争を終わらせる鍵になるかもしれない」
マグノリア:
「逆に…ハルトが討たれたら、それで終わりよ」
ハルト(静かに):
「簡単には受け入れない。
だが、応じる“価値”はある」
モモチ(くないを研ぎながら):
「どうするつもり?」
ハルト:
「“対案”を出す。
奴らが――自ら影から出てくるような、取引をな」
その夜、ハルトは一通の手紙を書いた。
金の封蝋で封じられ、直接魔法で送信された。
「会談を受け入れる。
だが――独りでは行かない。
そして、お前たちの“地”でもない。
未来を語りたいのなら……
“暁”に来い。
すべてが始まった場所で。」
*
その瞬間、戦いは単なる国家間の争いではなくなった。
それは――
思想と覚悟の、ぶつかり合いとなった。
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