女王と、罪を背負う者
空は晴れ渡り――
北は静まり返っていた。
かつて誇り高く空を舞っていた一頭の竜騎士が、今は鎖につながれ、歩いていた。
アウレリア。
彼女は〈暁〉の四人の兵に連行されていた。
折りたたまれた機械の翼。傷ついた鎧。
その前方を歩くのは、沈黙を保つハルト。
その後ろには、カオリ、エリス、エイルリス、そしてモモチが続いていた。
〈ノルヴァル〉中央首都にある〈暁の大広間〉の扉が開かれる。
市民、避難民、兵士――そして帝国の支配から解放されたばかりの者たちが、
アウレリアを憎しみと好奇心、そして恐れの目で見つめていた。
玉座には女王イザベルが座しており、隣にはハルトが立つ。
その視線は、慎重ながらも揺るがぬものだった。
イザベル:
「この者が……空を震わせた将軍なのですね。
だがここには、あなたを救う“空”など存在しません」
アウレリアは顔を上げる。
アウレリア:
「で?
この裁きは“正義”? それとも“演劇”?」
カオリの目が細くなり、
モモチの肩がわずかに震えた。
その時――
群衆の中から、一人の男が前に出た。
破れた服、そして火傷の痕が顔に残っている。
市民:
「お前だ! お前がやったんだ!
俺の村を焼き……子どもたちを殺したのは、お前だ!」
衛兵が止めようとするが、ハルトが手で制止する。
男の指が震えながらアウレリアを差す。
市民:
「覚えてないだろ? なぁ?
お前にとってはただの“飛行任務”だったんだろう!」
アウレリアはその男をじっと見つめ――
そして、静かに、誤魔化さずに言った。
アウレリア:
「……覚えてない。
私にとっては、また一つの“任務の日”だった」
――その瞬間、大広間が凍りついた。
男は膝をつき、泣いた。
思い出の重さに――
そして、その冷たく、現実的で、残酷な言葉に。
ハルトがゆっくりと彼女に歩み寄る。
怒りではなく、影を帯びた決意のまなざしで。
言葉なく、
拳を彼女の腹部に叩き込んだ。
アウレリアは膝をつき、息を荒げる。
それでも――反論せず、黙って受け入れた。
ハルトは振り返り、民衆へと語りかける。
ハルト(はっきりと):
「彼女は、お前たちを破壊した“仕組み”の一部だった。
命を奪い、命令に従い、決して地上を見なかった。」
「だが今、彼女はここにいる。
敗れ、空も、杖も失った状態で。」
彼はイザベルを見た。
そしてカオリを。
最後に、民たちを見渡した。
ハルト:
「我々は、彼女の罪をもって処刑するか。
それとも……彼女に、己が引き起こしたすべてを見せ続けるか。」
イザベルは、わずかに笑った。
カオリは視線を落とした。
そして――民衆の沈黙は、どんな叫びよりも重かった。
アウレリアは、石造りの独房へと連行された。
窓は一つだけ。
そこから見えるのは――彼女がかつて焼き払った村。
今、その村は静かに、確かに、再建されつつあった。
彼女は、毎日その光景を見ることになる。
自らが壊した人々の営みが、再び立ち上がる様を――
その頃。
塔の上で、ハルトはひとり、低く呟いていた。
ハルト:
「時に……最大の罰とは、死ではない。
“目を開いたまま生きること”だ」
―――
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