太陽は、折れない。ただ…たわむ。
長らく「ハルト」という名は、
進軍の象徴だった。
勝利。
そして自由。
だが――
太陽ですら、
自らの光を思い出すために、雲を必要とする。
⋯⋯⋯⋯
スリアとアルビオール領の国境地帯。
ハルトは軍を展開した。
ヴァレンハート。
カオリ。
イリス。
オーレリア。
すべての仲間が布陣を終えていた。
だが、戦場は不安定だった。
偽りの山。
人工の霧。
音を吸い取る魔法の岩。
リース(地図を見つめ、緊張した声で)
「これは…魔法で改変されてる。
ここ、本来の地形じゃない」
ハルト(眉をひそめながら)
「誘い込まれたな。最初から罠だったか…」
⋯⋯⋯⋯
霜に覆われた丘の上。
セレスティーヌは静かに戦場を見下ろしていた。
彼女の側には、霧を操る魔導士、反響の弓兵、
そして“幻兵”――魔力の痕跡を持たぬ兵士たち。
「太陽は…見えていなければ導けない」
その手が静かに下されると同時に、非対称な攻撃が始まった。
ハルトの通信は遮断され、
召喚術師たちは各個に分断された。
兵士たちは隊から孤立し、
大地そのものが姿を変え始める。
カオリは巧妙な待ち伏せに倒れ、
イリスは一時的に視界を失い、
オーレリアは孤立し、三つの特殊部隊に包囲された。
ハルトは中央で指揮を試みた。
防御結界を張り、魔力の流れを再構築しようとする。
だが――セレスティーヌは、すでにその先を見ていた。
彼女は戦術魔法の応用で、戦場全体のマナ線を歪めた。
ハルトの魔術は遅延し、操作の反応が鈍る。
そして――
槍が飛来した。
殺すためではない。
「敗北」を刻み込むための一撃だった。
冷炎の雨が彼の周囲に降り注ぐ。
セレスティーヌ(丘から、声を荒げず)
「見えぬものを見抜いていれば……勝てたでしょう。
けれど、象徴というものは――予測しやすいの」
ハルトは手を挙げた。
この戦で初めて。
撤退命令を下した。
民はその姿を、畏れと共に見守った。
兵たちは、傷ついた身体と、誇りと共に退いた。
「黎明」と呼ばれた男は――たわんだのだった。
驚いた?
この敗北に、胸が締めつけられた?
この戦、息を呑むような緊張に震えたなら――評価を。
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セレスティーヌが「理想の宿敵」だと感じたなら。
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もしあなたがハルトだったら、どうする?
すぐに反撃へ動く?
それとも……長期の策を練り直す?




