二つの心
場面は、サブ指揮室。
王 ハルト・アイザワ はマントも護衛もなく、ひとりでテーブルに向かっていた。
テーブルの上には、クラーラが青いインクで新たにマーキングした地図。
その隣には、イリスが海上座標、日付、海軍の動き、王室の封印を解読した巻物を置いた。
イリス(声震えながら真剣に)
「報告は本物です。
レヴィウムとアルビオールは海と魔法を通じて戦略的協力を始めています。
暗号交差。高位司令部同士の接触。
これは外交ではありません――共同行進の前兆です。」
クラーラ(緊張しつつ決意を示して)
「三つの港町に潜入しました。変装して。
誰にも気づかれずに情報を集めました。
――そして、彼らが最初に攻め込む場所が分かっています。」
ハルトは地図に目を落とし、指で記された線をなぞった。
そして、静かに口を開いた。
ハルト(穏やかで温かく)
「よくやった。」
二人は驚き、互いに目を見合わせた。
クラーラ
「そ…それって――」
イリス
「“よく”って――」
ハルト
「“よく”を超えている。
軍隊が入れない所に忍び込み、
多くが挫折する所で揺るがずに立っていた――君たちは。」
ハルトは二人の肩に手を置いた。
ハルト
「君たちはこの王国に、単なる駒としてではなく――忠実な影として仕えた。
ありがとう。」
沈黙。
そして――
クラーラの頬が真っ赤になった。
イリスは目を伏せ、唇を噛んだ。
クラーラ(囁き)
「こんなこと言われたの…初めて…」
イリス(拳を握って)
「もう一度、それ言ってよ。…ただ、一度でいいから。」
ハルトは微笑み、そして二人の額に軽くキスをした。
ハルト
「それを、君たちは――当然のように受ける価値がある。」
別の土地では――
帝国の印章が王令に叩きつけられていた。
“蛇の評議会”が目覚めていた。
アルビオールの艦隊が動き出し、
レヴィウムの兵たちが行進を始めた。
そしてその間で――
“暁の王国”は備えを進めていた。
恐怖ではなく、もっと恐ろしいものを胸に。
――信念を。
ハルトは再びマントをまとい、評議の場で宣言した。
ハルト
「彼らは我々に手を組んだ。
彼らが恐れたのはこれだ――
我々の声が一つになること。
世界が忘れた少女たちが、帝国を震わせること。」
カオリ
「……それで、どうします、王よ?」
ハルトは地平線を見据えた。
ハルト
「――だから、見せてやる。
この夜明けは、影も蛇も止められない。
我々には、彼らにないものがある:
――未来のために命をかける人々がいる。」
その夜、クララは目を閉じずに眠れなかった。
渡した報告書を胸に抱きしめながら、
自分の小さな手が帝国を揺るがす一歩になったことを噛みしめていた。
イリスは黙ってライフルを分解し、整備していた。
銀色の髪が揺れ、瞳はまっすぐ前を見据えていた。
彼女の決意は、音もなく、銃身に刻まれていく。
そして――
ハルト・アイザワは、塔の上から星空を見つめていた。
風は静かで、夜は深かった。
ハルト(心の声)
「戦が始まる……
だが今回は――
光は、ひとりでは進まない。」
――つづく。
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長い間、彼女たちは見過ごされてきました――今こそ輝く時です。
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これからさらにまばゆく輝く彼女たちの活躍を見届けましょう。
物語は、まだ始まったばかり。




