希望が夜明ける場所
黄金の太陽が「暁の王国」の都を照らしていた。
そこはもはや過去に傷つけられた都市ではなく、
命があふれ、夢が芽吹き、秩序が息づく中心地だった。
市場には活気がありながらも混乱はなく、
パンの窯は夜明け前から動き出し、
子どもたちは道具ではなく、本を手に外へ出て行った。
そして学校は――無料だった。
そう、王の命令で。
北区・暁の学舎
ある少女が歴史の授業で手を挙げた。
少女
「どうして昔は貴族しか勉強できなかったの?」
太陽の紋章が縫い込まれたマントをまとった教師が微笑む。
教師
「かつては、知識が“力”とされていたからです。
そしてその力は、限られた者たちが独占していたのです。
ですが今、王はこう言いました――
『知識は光。そして光は、分かち合うものだ』と。」
街では労働者たちが6時間制で働いている。
休憩もあり、温かい食事もあり、
基本的な医療の保障もある。
畑では、リースが開発したガチャ技術による自動化が進み、
魔法灌漑により、南部の不毛な地にも花が咲いた。
宮廷内・社会戦略室
カオリは若い大臣と共に報告書を読み込んでいる。
大臣
「児童労働率は2%まで下がりました。
β級農業ゴーレム導入後、小麦の生産は45%増です。」
カオリ
「識字計画はどうなってる?」
大臣
「もうすぐ完了です。ハルト陛下は、5年以内に国民全員が読み書きできるようにしたいと。」
カオリ(微笑みながら)
「彼は兵士を育てたいんじゃない。
“国民”を育てたいのよ。」
民衆広場・アレンの演説
巨大な壁画――
風になびくマントをまとい、太陽を指差すハルト王の姿――
その前で、アレンは即席の壇上に立つ。
アレン(叫ぶ)
「我々は“支配”のために征服したのではない!
奪われた尊厳を取り戻すためだ!
見よ、お前たちの食卓を! 子どもたちを見よ!
これが“圧政”か?! 違う!
これこそが――新たな夜明けだ!!」
群衆は歓声をあげる。
その拍手は、強制されたものではなかった。
本物の歓喜だった。
――だからこそ、敵たちは最も恐れていたのだ。
帝国レヴィウム・皇帝の間
アウレリアヌスは報告書を読み、怒りに任せて握りつぶす。
アウレリアヌス
「…全員に食料…だと? くそっ、思想で勝ってやがる…!」
アルビオール王国では、ヴィクトリアが扇子を静かに閉じた。
ヴィクトリア
「そんな男は剣では倒せない。
“象徴”で破壊するのよ。」
――つづく。
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