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仲間に裏切られたガチャ中毒の俺、異世界で無限召喚スキルを手に入れ、最強の軍勢で世界を征服する  作者: ジャクロの精霊


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蛇の評議会

巨大な白の大理石の柱が、永遠にそびえ立つ樹木のごとく天を突く。

階段の両脇には、皇帝、神、英雄たちの彫像が並ぶ。

無数の松明が、銅と金の装飾を揺らめかせていた。

ここは大陸最大の軍事国家――

レヴィウム帝国の首都。

規律ある軍団。

神殿の如き巨大建築。

そして、自らを「太陽の子」と称する皇帝が治める帝都。

赤と金のモザイクが張り巡らされた皇帝の間。

その玉座から、一人の男が立ち上がる。

皇帝アウレリアヌス五世。

銀髪。

純金の儀礼鎧。

石のように硬い瞳。

アウレリアヌス

「……報告を。」

使者が膝をつく。

使者

「陛下――

“ハルト・アイザワ”なる征服者が、ノーヴェイル王国を無血で制圧しました。

英雄たちは退けられ、民衆は彼を讃えております。」

皇帝の顎が強張る。

アウレリアヌス

「王を倒す平民か……」

近くの老いた元老院議員が口を挟む。

元老院議員

「……民衆を“軍団”のように操る者でもあります。」

皇帝は静かに指輪を見る。

巻きつく黄金の蛇――帝国の印章。

アウレリアヌス

「アルビオール王国へ通達を送れ。

“蛇の評議会”を招集する。」

 

 

◆ アルビオール王国 ― 霧と断崖の海洋国家ブリタニア

遠き海の彼方――

霧と断崖に守られた島国、アルビオール王国。

その海軍力は他の追随を許さず、黒い艦と白い帆が海を狼の如く巡回していた。

ヴィクトリア・エルズベス二世女王。

若き女王は、戦の間に広げられた地図を静かに見つめていた。

灰金の髪。

大理石のように白い肌。

漆黒に近い青のドレスと真珠の装飾。

その気配は優雅で、そして――致命的だった。

ヴィクトリア

「……その情報、本当ですか?」

側近

「はい、陛下。

東方の“征服者”ハルト・アイザワが、すでに二つの王国を制圧しました。

“召喚された兵”たちの数も増えています。」

ヴィクトリア

「その“意志”は?」

側近

「不明です。」

ヴィクトリア

「出自は?」

側近

「異世界から、と。」

ヴィクトリア

「目的は?」

側近

「……まだ、不明です。」

女王は一瞬だけ目を閉じた。

ヴィクトリア

「王たちは堕ち、帝国は揺らぎ……

だが、アルビオールの島々は変わらない。」

彼女が静かに命じる。

ヴィクトリア

「“蛇”を呼びなさい。」

帝国司祭が十二本の黒き蝋燭の一つに火を灯す。

机上に古き印章が浮かび上がる――

尾を喰らう蛇“ウロボロス”。

“蛇の評議会”の象徴。

 

◆ 地下の聖域 ― 封印の評議会室 ◆

棺のような深さの地下空間。

祭壇の前に、二人の影が立つ。

アウレリアヌス五世。

ヴィクトリア・エルズベス二世。

彼らの頭上には、世界を取り囲む巨大な蛇の壁画。

アウレリアヌス

「ハルト・アイザワ……

あれは英雄でも王でもない。“秩序を壊す者”だ。

今、手を打たねば――この大陸の均衡は崩れる。」

ヴィクトリア

「彼は“戦い”だけでなく、“心”を得た。

それこそが最大の脅威。」

アウレリアヌスは拳で机を叩く。

アウレリアヌス

「ならば潰す。

軍を焼き払い、首都を破壊し、名を歴史から消し去る。」

ヴィクトリアの目が鋭くなる。

ヴィクトリア

「“太陽の少年”を侮らないで。

彼は英雄に裏切られ、王に拒まれ……それでも立ち上がった。」

皇帝は不敵に笑う。

アウレリアヌス

「ならば、奴を“奴隷剣闘士”のように潰すだけだ。」

だがヴィクトリアは一歩前に出る。

ヴィクトリア

「私は別の提案をする。

……まずは“彼を理解する”こと。」

机に身を乗り出し、囁くように続けた。

ヴィクトリア

「そして、必要であれば――“その力を奪う”。」

アウレリアヌスの目が見開かれる。

アウレリアヌス

「……力を奪う?」

ヴィクトリアは静かにうなずく。

ヴィクトリア

「彼が“神の力”を持つというなら――

それを手にするのは、我々であるべき。」

沈黙が落ちる。

壁画の蛇が、まるで生きているかのように二人を見下ろしていた。

 

二人の指導者が、同時に印章に手を重ねる。

黒衣の司祭が、禁じられた古の呪文を唱える。

蛇の文様が、黒き光を帯びて輝いた。

アウレリアヌス

「――この世界の均衡のために。」

ヴィクトリア

「――帝国の生存のために。」

二人

「――“黄金の太陽”の墜落のために。」

 

蛇が光を放つ。

契約は結ばれた。

ハルトは、千年前に悪魔ですら恐れた存在たちに、二人同時に敵を作った。

だが彼らは、最も致命的な過ちを犯していた。

 

――ハルト・アイザワを、甘く見たのだ。

帝国たちが、闇の契約に手を染めていたその頃――


ハルト・アイザワは、

そのことを知らぬまま、執務室で地図を見下ろしていた。


静かな室内。

戦場ではなく、未来を描くための“机上の戦場”。


その背後に、オーレリアが近づく。


オーレリア

「陛下……西で何かが動いています。」


彼女の声は低く、だが確かだった。


オーレリア

「王国でも、軍でもありません。

もっと……大きなものです。」


ハルトは、地図の端に指を添え、ゆっくりとそれを閉じる。


ハルト

「……なるほど。」


その瞳が、獲物を見つけた獣のように光を帯びた。


ハルト

「なら――面白くなるな。」


 


黄金の太陽は、決して後退しない。


ただ、

まだ照らされていない地へと進むだけだ。


 


――つづく。

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