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仲間に裏切られたガチャ中毒の俺、異世界で無限召喚スキルを手に入れ、最強の軍勢で世界を征服する  作者: ジャクロの精霊


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聖戦の代価

黒く焦げた大聖堂の廃墟の下、煙と灰の匂いの中で、何かが動いていた。

炎はゆっくりと消え、火の中からひとつの影が現れた。

それは、黒焦げの法衣をまとい、片目に聖なる水晶の破片を皮膚に埋め込んだ、大神官ヴァルマーだった。

「……偽りの太陽が、天に逆らうとはな」

彼は血を吐きながらささやいた。

彼の前で、数人の神官たちが震えながら見つめていた。

「閣下! 寺院も……民も……すべて滅びました!」

ヴァルマーはゆっくりと振り向いた。不気味なまでの静けさで。

「すべてではない。信仰はまだ残っている。そして信仰があれば……復讐は買える。」

数週間後、秘密の要塞にて、ヴァルマーのもとを三つのフード姿の影が訪れた。

声は若いが、その目には道を失った者の憎しみが宿っていた。

ユウト、リク、カガモ――かつてのハルトの仲間たち。

三人は魔工房の印を刻んだ軽装の鎧を身にまとっていた。

床には、赤く光るルーンで封印された金属の箱がいくつも置かれていた。

「約束通りだ」ユウトが言った。「旧世界の武器だ。凝縮魔力を撃ち出し、あらゆる障壁を貫く。」

ヴァルマーは目を見張った。

「……穢れた技術。しかし、完璧だ。」

リクが不敵に笑う。

「その代わり、免罪、富、そしてお前の軍での地位が欲しい。」

「それ以上のものをくれてやろう」ヴァルマーは心臓のように脈打つ水晶の欠片を掲げながら答えた。

「贖罪を与えよう。」

再建された寺院の地下では、神官たちが技術と魔術を融合させた冒涜的な儀式を行っていた。

元仲間の武器は古の聖遺物と融合され、

ルーンからは、歪んだ祈りのように響く金色の蒸気が立ち上っていた。

ヴァルマーは高所からそれを見下ろしていた。

「北の神は罪を凍らせるために氷を授けた。今日は、希望を凍らせるためにそれを使おう。」

三人の元仲間は微笑んだ。

それぞれに新たな武器が授けられた。

ユウトには“ヴェリタスの槍”――純粋な光を放つ。

リクには“断罪の爪”――それを目にする者の信仰心に応じて力を増す。

カガモには“審判の旗”――兵の心を操る力を持つ。

彼らは知らなかった。

その武器はヴァルマーの意志に繋がっており、

使うたびに、魂が少しずつ吸い取られていくことを。

その一週間後、北の鐘が一斉に鳴り響いた。

すべての都市で、白装束の伝令が同じ勅令を告げた。

「大神官ヴァルマーの神命により、“純陽の聖戦”を開始する!

信徒すべては、簒奪者ハルト・アイザワとその悪魔どもを討つため進軍せよ!」

飢えと恐怖に駆られた民は、命令に従った。

何千人もの者が、救済のために戦うと信じて志願した。

そして密かに、聖なる工房ではかつての仲間たちの武器が量産されていた。

それは今、“信仰の三使徒”と呼ばれていた。

雪に覆われた丘の上で、ハルトはカオリとマグノリアと共に遠くを見つめていた。

地平線には無数の松明が空を赤く染めていた。

リラは望遠鏡を下ろし、険しい表情で言った。

「ご主人様……彼らがこちらに向かっています。大陸ごと。」


ハルトは沈黙を保っていた。

冷たい風が彼のマントを揺らす。

「……かつての仲間たちが、貨幣と祈りに魂を売ったか。」


カオリは悲しげに彼を見た。

「これから、どうするの?」


ハルトは冷たい笑みを浮かべた。

「恐れで買われた信仰の代償を、教えてやる。」


彼の足元の氷がひび割れ始めた。

まるで何かが眠りから目覚めようとしているかのように。

黄金の光が地面から立ち上り、彼の目に映り込む。


「奴らが十字軍を掲げるなら……」

「我らは黙示録を掲げよう。」


――つづく。


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