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仲間に裏切られたガチャ中毒の俺、異世界で無限召喚スキルを手に入れ、最強の軍勢で世界を征服する  作者: ジャクロの精霊


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王の影と革命の火

夜の冷気は松明の煙と混ざり合っていた。

北方の首都のとある秘密の倉庫で、「暁のマラ」が激しく議論を交わしていた。

—もう待てない! —覆面の若者が叫んだ— 王は今こそ倒すべきだ!

—その後は? —と、銀の仮面をつけたミレルが返した—

王冠を混沌に変えるつもり?

集団の中には、完全な革命を夢見る者もいれば、自由思想による新たな秩序を求める者もいた。

だが、その間にあったのは単なる意見の違いではなく、もっと深い——「不信」だった。

その時、部屋の奥から静かな声が響いた。

—では…導きが必要なのかもしれませんね。

それは王宮からの使者。商人に偽装していた。

—王は、あなた方の意見を聞きたいと申しております。交渉の余地があるかと。

視線が交錯した。

革命は、すでに「侵入」されていた。

ボレアリス王宮にて、王エルヴァルト十三世は、手にしたワインの杯とともに報告を聞いていた。

灰色の髪、作り物めいた笑みは、忘れ去られたヨーロッパの古き王たちを思わせた。

—好きに語らせておけ —と王は杯を揺らしながら言った—

彼らが口にする言葉のすべてが、自らの首に巻く縄となる。

女王は気高く、冷ややかに窓の外を見つめていた。

—もしハルトが介入したら?

—その時は、彼を「共通の敵」にすればよい —と王は静かに答えた—

民を最も団結させるものは、共通の暴君だ。

彼の机には、逆さまの太陽と天秤の印章が押されたパンフレットが並んでいた。

ハルトがあえて排除しなかった、あの象徴だった。

その頃、ハルトは氷の砦の塔から国境を見下ろしていた。

カオリが緊急の報せを手渡す。

—我が君、革命が分裂しつつあります。王はその一派を操り、あなたに罪を着せようとしています。

ハルトは数秒間、沈黙を守った。

強風が彼のマントを大きく揺らしていた。

—ということは…思想の成長が速すぎたのだ —と彼は呟いた。

マルガリータが机を叩いた。

—だから言ったでしょう!民衆に均衡なんて理解できない。従うのは、力ある者か声の大きな者だけ!

リラは腕を組みながら言った。

—で、どうするつもり?動かなければ王が力を取り戻す。

でも動けば…あなたが最も嫌う存在になるわ。

ハルトは目を閉じた。

—導きなき自由は、ただの騒音。

だが抑圧は…死をもたらす沈黙だ。

彼の葛藤は、「炎」と「氷」。

まさに、その魂を二つに裂くものだった。

ボレアリス王国の中央広場。

王エルヴァルトが黄金の装飾に囲まれたバルコニーに姿を現した。

飢えた者、希望を抱く者、数千の民が集まっていた。

—我が民よ! —王は芝居がかった声で叫んだ—

黄金の太陽の魔が、我らの信仰を脅かしている。だが我らは…

神々の導きの下、一つの国として立ち上がるのだ!

群衆は歓声を上げた。だが、その多くは信じていなかった。

その群れの中、「マラ」の密偵たちが潜み、王の言葉を記録していた。

この演説が、やがて大陸全土に広まると確信して。

王の背後で、女王が静かに微笑んでいた。

彼女は知っていた。

この演説は、民のためではなく……

ハルトを挑発するためのものだった。

その夜、極北の空が奇妙な光で燃え上がった。

神殿は信者で溢れ、広場には噂が飛び交い、街路には恐怖が漂っていた。


ハルトの砦、主殿の扉が乱暴に開き、リラが駆け込んだ。


—ご報告を、我が君!「マラ」の二つの派閥が衝突しています!

—放っておけ —とハルトは視線を上げずに答えた。

—なに……?

—すべての革命は、一度は焼かれなければならない……

そうして初めて「本物」になる。


だがその言葉とは裏腹に、彼の金色の瞳には、隠しきれないものが映っていた。

——それは、「不安」だった。


民衆の混乱と、王の策略の狭間で……

火をつけるには、ただ「ひとつの火種」で十分だということを、

彼は誰よりも理解していた。


一方その頃、王宮の影にて、女王は新たな印章で封された一通の書状を見つめていた。

そこには、開いた「目」が王冠の上に刻まれていた。


「黄金の太陽は忘れている。

——光でさえ、夜に呑まれることがあるのだ。」


――つづく。


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