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仲間に裏切られたガチャ中毒の俺、異世界で無限召喚スキルを手に入れ、最強の軍勢で世界を征服する  作者: ジャクロの精霊


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氷の信仰

Traductor Español - Japones dijo:


リアン・アルフェルトは、東京の屋上で聞いた風の音を思い出していた。

車の騒音。ネオンのまぶしさ。

そして、人々の無関心。


彼がこの異世界へ“召喚”されたのは、17歳の時だった。


それまでの彼は――ただの普通の少年だった。

いつも無理にでも笑顔をつくっていた。

殴られても、蹴られても。


「関わるな、リアン」

そう言われ続けた。


だが、彼は止められなかった。

どんな時も、誰かを守ろうとした。

たとえ、それが“守るに値しない者”であっても。


だからこそ、“天の声”が彼を選び、“英雄”として異世界に呼んだ時、

リアンは信じたのだ――ついに、自分にも“存在する理由”が与えられたのだと。


「救うために。守るために。

世界の盾になるために。」


――けれど、歳月はその信仰を“鎖”に変えた。


ボレアリス王国は、彼を“救世主”として迎え入れた。

王は名誉を与え、教会は“氷の聖騎士”の称号を授けた。


だがそのすべてに――“絶対の服従”が求められた。


枢機卿ミハイルの言葉:

「考えるな、リアン。

従えば、天は報いてくれる。」


リアンは、反逆者の粛清に駆り出された。

教団の“純粋さ”を保つために、多くの村を焼いた。


最初は、泣いた。


そのうちに、何も感じなくなった。


残ったのは――“冷たさ”だけだった。


ある日、焼け跡を歩いていた時のこと。

ひとりの少女が、すすだらけの顔で彼に尋ねた。


「なんで、英雄が人を殺すの?」


リアンは――何も、答えられなかった。




その夜、リアンは“鏡”の夢を見た。


そこに映っていたのは自分ではなかった。

かつての仲間――ハルト・アイザワの顔だった。


リアン(夢の中で)

「お前は……」


ハルト(鏡の中で)

「俺だ。」


リアン

「なぜ、こんなことを……?」


ハルト

「お前がまだ“裏切った者たち”に仕えているからだ。」


その瞬間、鏡が音を立ててひび割れた。


リアンは汗に濡れて目を覚まし、

荒れた息の中で、かすかな“囁き”を聞いた気がした。


囁き

「英雄などいない。

あるのはただ――“道具”だけだ。」


彼は胸に手を当てた。

その印――聖なる刻印が、内側から焼けるように熱かった。

まるで、遠くから誰かが“見ている”ように。




翌日。

ミハイル枢機卿が密かに彼を呼び出した。


ミハイル

「この世界には、ひとりの“敵”がいる。

自由を語り、人々を惑わす“悪魔”だ。」


リアン

「……“黄金の太陽”の者? ハルト・アイザワ……?」


ミハイル

「そうだ。

光を裏切った、もう一人のお前。」


リアンは、かすかに目を伏せた。


ミハイルはその肩に手を置き、囁く。


ミハイル

「ならば、その裏切りを――お前の剣で清めよ。」




だがその後、リラ・フロストベインが王国に現れ、

リアンが彼女と対峙した時――


リアンの中で、何かが“変わった”。


彼女の目に、憎しみはなかった。

あったのは――“理解”。


そしてそれが、リアンにとって何よりも恐ろしかった。




その夜。

リアンは一人、月光に照らされる部屋で

机の上に置かれた聖剣を見つめていた。


静かに、こう呟いた。


リアン

「……俺は本当に、神に仕えているのか?

それとも――神のふりをした“人間”に?」


思い出されるのは、リラの言葉。


リラの声(記憶)

「すべての氷が清らかとは限らない。

時にそれは、腐敗を隠すための仮面になる。」


リアンは拳で机を打ちつけた。

怒りと、疑念と、答えのない問い。


床に氷の結晶が走り――

魔力が暴走しはじめる。


そして胸の刻印が、音もなく“ひび割れた”。


その中から――

一瞬だけ、“金色の光”が滲み出て、

そして消えた。


リアン(囁き)

「……ハルト。

お前……俺に、何をした?」

窓辺に立ち、リアンは北の空を見上げていた。

天を舞うオーロラが、静かに揺れていた。


緑、蒼、そして――一瞬だけ、金の閃光。


その光に、彼は息を飲んだ。


数年ぶりに――

本当に久しぶりに、リアンは**“恐れ”**という感情を抱いた。


敵が怖いのではない。


怖いのは――自分が、間違っていたかもしれないという可能性だった。


その時、遠くの城門から伝令の声が響いた。


「――“黄金の太陽”の軍勢が、南の国境を越えた!」


リアンはゆっくりと剣を手に取り、腰に下ろす。

瞬間、空気が凍りついた。


氷の結晶が、足元から静かに広がっていく。


リアン

「……ならば、会いに行こう。」


氷の床に映る彼自身の姿。

そこには、確かに――“悲しみ”があった。


それはあの日の東京と、同じ顔。


誰かを救おうとして、

結局、自分すら救えなかった少年の目だった。


――つづく。


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