表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/97

――幕間――

 古代遺跡イグラーシャに凶悪な魔種あり。

 この報告を受け、魔狩協会は沙国(すなぐに)のイグラーシャ遺跡に調査団を編成・派遣。同時に討伐隊を結成し迅速な対応を見せた。


 結果、調査団含め討伐隊は全滅。


 当初、中位相当と思われていた魔獣は二度の交戦の末、上位相当と認められ、特殊個体(ネームド)としてダイオウルフと名付けられた。

 協会は近隣の国々に協力を要請し、遺跡一帯を封鎖。ランクAの魔狩を筆頭に大規模な旅団を組み、歴史に残るであろう大規模討伐作戦を実行。

 併せて沙国(すなぐに)の騎士団は現場近くに待機、周辺の冒険者なども集合していた。

 多少の犠牲をはらいながらも、この大規模討伐作戦は順調に収束した――ように思われた。しかし、最悪の事態は満を()したように訪れた。

 魔獣ダイオウルフ討伐直後、現場にて古代遺物〈魔導門〉が起動・展開。〔おそらく、ダイオウルフの死体に残っていた多量の魔導元素が起因と思われる。〕ダイオウルフの死体は霧散し、代わって現れたのは数百もの中型魔種の群れであった。

 現場は大混乱に見舞われ、前線は瓦解。上位魔狩の奮闘と、待機していた騎士団・冒険者らの臨機応変な対応により、(かろ)うじて戦線を立て直し、現れたすべての魔種は討伐された。

 近隣の国々への被害は(まぬが)れたものの、勝利とは言い(がた)い、実に苦い結果となった。

 死傷者は数ある討伐作戦の中で、過去最大。

 また、行方不明者の中には、ランクS、幻の魔狩〈黒影〉や、ランクB〈迅雷〉の名も記されている。

 かつてないほど悲惨な末路を迎えた大討伐は、関わった全ての者に大きな傷を残し、歴史書に強烈な事実として刻まれた。



       特集『見せかけの魔獣 虚幻のダイオウルフ』より

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ