お昼の放送
『こんにちは。お昼の放送の時間です。今日は私、校長からのお知らせです。』
お昼の放送なんて、誰も聞いちゃいない。聞くのは流行りのKPOPや音楽がかかった時だけ。ましてや、校長の話なんて聞くわけがない。ただ、この時の私はお弁当に入ったタコさんウイナーを箸であげたり突いたりしてるだけで、全く食べる気も起きなかったので珍しく放送を聞いていた。
『今回めでたくうちの学校は少子化計画特認校になりました。つきましては今から説明することをよく聞いて指示に従ってください。』
『今から皆さんには鬼ごっこをしてもらいます。鬼は鬼の格好をしているのですぐわかります。鬼に捕まれば死にます。』
『グラウンドにある白い円の中はセーフティーゾーンになりますが、だいたい100人程度が入れるくらいの円になっています。』
『完全下校の16時までがタイムリミットです。それまで逃げ切れた人、もしくはセーフティーゾーンに入っている人だけが生き残れます。』
『また白線を消してしまえばセーフティーゾーンはなくなります。足で踏まないように気をつけてください。』
『あとは自分たちで考えて行動してください。もうあなたたちは高校生なのですから、大人になるための準備期間です。無事準備のできる者からおとなになるのです。』
『校長先生からの話は以上です。詳しくは担任の先生が説明に行きます。』