≪漫才≫将来の夢
ボケが2人、「ボ1」と「ボ2」。ツッコミは「ツ」と表記してあります。
全員 「どうも~」
ボ1 「僕ね、将来の夢がありまして」
ツ 「唐突だね」
ボ1 「不動産屋さんになりたいんだよね」(同時に)ボ2「そういえば今日って雨降るっけ?」
ツ 「待って待って被せないで。聞き取れないから」
ボ1 「いやね、不動産屋になりたいんです」
ツ 「不動産?それまたなんで」
ボ1 「お金持ちっぽいじゃん」
ツ 「確かにそういうイメージあるね。でも成功しないとでしょ?」
ボ1 「そう。だからさ、店の人やるから、お客さんやってよ」
ツ 「わかった。すいません、家を探しているんですけど」
ボ1 「それでしたらこちらどうでしょう」
ツ 「早すぎる。まだどういうのが良いって言ってないでしょ?」
ボ1 「そうか。ではお客様、どのようなお住まいをお探しでしょうか?」
ツ 「そうですね、マンションで、日当たりがよくて、駅から近い所で」
ボ1 「それでしたらこちらがお勧めです。南側は窓を多く、駅から徒歩2分、お値段も安く、オートロックで、霊もいて、耐震耐火もばっちりです!」
ツ 「じゃあそこにします!ってならないよ!今さらっととんでもない事言ったぞ?」
ボ2 「なんだよ徒歩2分って」
ツ 「そこじゃねぇよ。なに、霊が出るとか言ったね?」
ボ2 「お前に不動産は無理だな。僕の夢も聞いてもらえますかね」
ツ 「なんでしょう」
ボ2 「守護神になりたい」
ツ 「訳が分からない」
ボ2 「いや野球の話だよ」
ツ 「あぁそういうことね。神殿にでも行くのかと思った」
ボ1 「急にスポーツ選手とか無理だろ。僕はね、マジシャンも憧れているんですよね」
ボ2 「マジシャン?儲かるのか?」
ツ 「いきなり売れるのは無理だから、路上公演とかで人気になったりね」
ボ1 「マジックショーへようこそ。まずはそこの方、一万円札お借りしても?」
ツ 「どうぞ」
ボ1 「ありがとうございます。月末には必ず返します!」
ツ 「金欠じゃねぇか。やっぱり儲かってなかった」
ボ2 「英会話の先生とかどうだろう」
ボ1 「お前英語話せるの?」
ボ2 「当然だ。Hi, everyone! えーっと……good bye!」
ツ 「なんもできてない!」
ボ2 「No! 私ハ、貴方達ニ、大切ナコト教エマシタ!」
ツ 「なんでカタコトなんだよ。大切なこと?」
ボ2 「できないのを恥じない事デース!」
ツ 「いや確かに大事だけれども。少なくとも英会話の先生にはなれないよ」
ボ1 「やっぱりあれも楽しそうだな。動物園」
ツ 「あぁ、飼育員?」
ボ1 「いや、餌になる」
ツ 「喰われるな!これでずっと大好きなライオンと一緒、じゃないよ!」
ボ1 「え、ライオンよりキリンが好き」
ツ 「なおさら餌にはなれないよ」
ボ2 「僕はあれですね、動物より人と話すの好きなんでね、タクシーの運転手とかも楽しそうですね」
ボ2、少し離れる
ツ 「へいタクシー!」
ボ2、ツとハイタッチして通り過ぎる
ツ 「そうじゃねぇよ。クビになるわ」
ボ1 「じゃあティッシュ配るわ。お願いします、お願いします」
ツ、ボ1の前に行く
ボ1 「残りお願いします」
ボ1、離れていく
ツ 「押し付けるな!あぁもう!お前ら多分普通の仕事向いてないよ!…やっぱり漫才ですね」
ボ12「いやそれはないわ」
ツ 「そんなに否定するなよ。凄い悲しくなったわ。…じゃあ無難にファミレスの店員とかやってみれば?」
ボ1 「ファミレスね。なるほど。…あれ?すいません店員さん、フォーク貰えます?」
ボ2 「フォークですね」
ボ2、ボールを投げる動作
ボ1、しゃがみこんでキャッチの動作
ボ1「ナイスボール」
ツ「いや野球かよ!その夢まだ諦めてなかったのね」