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異世界召喚された勇者たちは酒場からでない。  作者: 新居部留源
昼の情景~ミリガンティア市場~
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第十五話 カルゥアと八百屋の男たち

夕飯の買い物時か市場は混雑していた。

いくつもの露店が並び大きな露店はテントを張り何人か従業員もいる。小さなものになるとそれこそ店と店の隙間にござのみ敷いてその上に商品を並べて力強く客に声をかけている。

どの店も隣に負けないように声を張り上げて客引きに専念している。

「セェト村から直接持ってきた採れたての野菜だよ!!そこのおねーさん、見ていってよ!!」

「今日そこで捌いた羊肉だっ!!いい部位は早い者勝ちだよっ!!」

「クゥールットゥル鳥、今日の撮れたて一羽銅貨8枚」

「炒め飯一杯銅貨一枚。今から作るよ!!出来立てをどーだい!!」

沢山のセールストークが飛び交い活気に溢れている。

サマジは市場へ来るのは初だった。

行き交う人々を物珍しく眺めながら歩いてるとカルゥアとはぐれそうになる。

青みを帯びた髪を頼りにサマジはカルゥアを追いかける。

カルゥアは市場に慣れているのかスイスイと歩いて行く。

そしてたどり着いたのは少し立派なテントを張った八百屋だった。いや、八百屋と言うのはおかしいかもしれないな。とサマジは頭の中で思い苦笑した。

市場の中では中堅クラスと思われる大きさのテントの中には家主らしき40代くらいのすらりとしった坊主頭の男が立っている。店には2人の若い従業員が忙しそうに接客したり商品を移動させたりしている。

店主はカルゥアを見るとにこやかに笑い声をかけてくる。

「カルゥアじゃないか!!今日も店の買い出しかい?それなら当然うちの店で買ってくれるんだろう?」

容姿に似合った豪快な大声でカルゥアに話しかけながら寄ってくる。

カルゥアはぺこりと頭をさげニコリとほほ笑んだ。

「なに!!カルゥアちゃんだとっ!!」

坊主のおっさんの向かいのテントから髭の巨漢が出てくる。

「ぁぁ!!なんでてめーが出てくるんだ。お呼びじゃねぇ!!ひっこんでろ!!」

坊主のおっさんが髭の巨漢を恫喝する。

「てめーこそひっこんでろよ!!カルゥアちゃんそこの野菜は古い野菜だ。うちにしときな。うちのは新鮮採れたて。カルゥアちゃんのためなら安くしとくよ!!」

髭の巨漢が食って掛かる。

髭と坊主はカルゥアを真ん中に胸ぐらをつかみ合う。

そんな二人を動じずニコリと眺めてたカルゥアが

「人参、1箱。じゃがいも2箱、キャベツ1箱」

今日の買い物分をカルゥアが声に出していうと

「人参はうちに今日はいったばかりのいいやつがある。じゃがいももたくさんあるぜっ!!キャベツは・・・・くぅ、こいつはちといまいちだが・・・安くしとくよ。うちで買っていきな!!」

髭の巨漢が素早く商品の確認をしてカルゥアに伝える。

「けっ!!ぼろいキャベツをだしてんじゃねーよ!!うちのキャベツはマディスの村から今日届いた一番いいものだ。そんなボロよりこっちのやつのが甘味がいいに決まってら!!人参もじゃがいももうちのものがサイコーだよ。カルゥア!そんなアホな店から買っちゃいかん。うちで買ってきな!」

カルゥアは双方の野菜を見比べる。

「金額は?おいくら?」

二人を上目づかいで見上げ小首をかしげながらカルゥアは問う。

すこし離れてみていたサマジは口を手で押さえ驚愕する。

「え…えぐいぜカルゥア。そいつは可愛すぎる。おっさんたちも声がでてねぇ・・・・。あれやられたらそこそこ安いだけでは男が廃るぜ」

先に口を開いたのは髭の巨漢だった。

「よし!!今日は特別だ。人参銅貨で12枚、じゃがいも30枚、キャベツはあまりモノがよくねぇ。だから負けに負けて10枚でどうだ!!」

周りに聞こえないように小声でカルゥアに話をふる髭のおっさん。

サマジには安いのか高いのかいまいちわからなかった。

それを聞いていた坊主のおっさんも

「ちっ!!がんばるじゃねーか。うちもじゃがいもは30枚が限界だな。だがキャベツはうちのが良いものだ。ちと値段は張るが11枚で最高のキャベツを保証する。人参は・・・お勧めとはいかねーがそいつのところとそん色はねーものを用意してるつもりだ。金額は・・・くっ投げ売りだ!!そいつとおなじ12枚。総額はうちのがちと高いがモノは保証するぜ?カルゥア。どうよ?」


カルゥアは少し思案した後、

「人参はギルさんの方からキャベツはダリアンさんのいいキャベツを。じゃがいもは1箱づつ頂いたのでいいですか?」

双方に優しく微笑みながらカルゥアは決断する。

「あと銅貨1枚ずつ追加するので玉ねぎを追加してもらえますか?」

おっさんたちは嬉しそうに顔を緩ませながら

「おぅ!!まかしときな!あいつより1個多くつけとくぜっ!!」とハモリながらいうとお互いカチンと来て顔を突き合わす!!そして「フンっ!!」とお互いの店に向かって戻り野菜の準備を始める。「あとで店の者に取りにこさせます。玉ねぎはわたしがもらっていきますね」

カルゥアはそういってお辞儀をする。

おっさんたちはそそくさと玉ねぎをまとめて嬉しそうにカルゥアに手渡す。

カルゥアはサマジを振り返り

「マサシ、ひとつもってもらってもいい?」

「ああ。まかせてくれ」

サマジは髭のおっさんから玉ねぎの入った袋を受け取る。

おっさんは誰だこいつ?といぶかしげな顔をしていたが玉ねぎを手渡してくれた。

カルゥアはおっさんたちにお辞儀をしたあと小さく手を振って次の店を目指しすために歩き出す。

サマジもその後ろをついて行くのだった。

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