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彼女のご両親は神族と魔族でした

作者: みけみかん

主人公の事を好きになった女の子の両親は神族を統べる女神の母、魔族の王として君臨する父。

女の子の天然発言で付き合う事になり、そして何故か主人公は,神族と魔族の和解というとんでもないお願いをされてしまう。

つい最近まで普通の社会人だった主人公は女の子の為に自分の知力体力を使い、とんでもないお願いに挑むのであった。


第1話 素敵な女の子は深窓の令嬢でした

この世界 所謂人間界のごく普通の会社員、主人公の神鬼リオン 毎朝電車に揺られて会社に行き、夜疲れ果てて自宅に帰る生活を繰り返すどこにでも居る普通の人間だった。

ある休みの日、電車が来るのを待っていると、ホームの端に立っている女性に目が行った。

スラっとしたモデルの様な後ろ姿に見とれていると、その女性はその場に倒れ込んだ。

「危ないっ!」リオンは咄嗟に女性の傍に駆け寄った。

女性を抱えて取り敢えずベンチに寝かせた。

しばらくすると女性の意識が戻った。そして事態が把握できていないらしい様子の女性に声を掛けた。

「大丈夫ですか?急に倒れ込んだしまったので、ベンチの方に移動させてもらったのですが、、、」

「あ、ありがとうございます。朝から気分が悪くて病院に行こうと思って電車待っていたら意識が遠くなってしまって、、、」

透き通るような肌、女神のような気品あふれる顔立ちに見とれていると女性は立ち上がり、リオンに

深々と頭を下げようとしてまたその場に座り込んでしまった。

「無理はいけませんよ!良ければ病院まで付き添わせて頂けますか?一人では危ないと思います。僕は神鬼(かみきリオン 会社員やってます。」

「そんなご迷惑おかけすることなんて、、、病院も改札でて目の前ですし、大丈夫ですから」

「さすがに体調悪い人を無視すること出来ません。病院の前までお付き合いさせてもらいますよ!」

「、、、じゃお願いします。私 ひじりアリスと言います。4つ先の神桜駅です。」

「ひょっとして病院って神桜中央病院じゃないですか?」

「よくご存じですね。そうですよ。病院には父がいるので、かかり付けなんですよ」

「え?僕も家が近所なのでかかり付けなんですよ。」

アリスの事を気遣いながら、病院に到着した。

「ありがとうございました。リオンさん 今度改めてお礼させて頂きたいので連絡先を教えていただいてもよろしいでしょうか?」

「お礼なんてとんでもないです!調子よくなったら一度食事行くって事でどうでしょうか?」

「はい 分かりました。これ 連絡先です。連絡待ってますね。」

アリスは連絡先を教えると会釈して病院に入って行った。

それから数日、リオンはいつも通り社畜な生活を過ごしていたのだが、その日は駅の改札を出たところで非日常では無いことが起きたのだった。

映画とかドラマじゃないと見たことないような高級外車が駅のロータリーに止まっていて、後部座席のドアの横には執事が立っていた。そして執事がドアを開けるとそこには、気品溢れ凛とした女性が降りてきた。そうアリスだった。

「リオンさん!先日はありがとうございました。なかなか連絡頂けないので、失礼とは思いましたが、こちらまで来てしまいました。」

アリスは頬を赤く染めながら、リオンの側に駆け寄って行った。

リオンは色々と圧倒されつつ、アリスに挨拶を返した。

「お体の調子はいかがですか?あれからずっと気になっていたのですが、仕事が忙しくて連絡出来なくて、申し訳ありませんでした。」

2人が挨拶が終わるのを見計らうかの様に執事が、アリスに話しかけた。

「お嬢様、神鬼様を屋敷にお越しいただくように、ご主人様より仰せつかっております。何よりお嬢様のお体に障りますので、お車にお戻りください。」

「そうでしたね。爺 リオンさん!父と母がお礼させて欲しいので、是非ともうちに来てくださいと言っているのですが、一緒に来てくれませんか?」

アリスは上目遣いでリオンにお願いをしてきた。

「え、えぇ いいですけど。ちょっとというかかなりビックリしてしまって、いいんですか?って気持ちですよ。」

「取り敢えずここでは、周りの方々に迷惑おかけしちゃうので車に乗って下さい」

小悪魔スマイルとでも言うのだろうか?アリスの表情にリオンの心は陥落しかけていた。

「では、車を出します」

と 執事は運転手に車を出すように合図を出した。

アリスの自宅に向かう車中で、リオンはなぜこの状況なのか?アリスとは何者なのか?気になる事を聞いてみることにした。

「アリスさん 質問というか教えて欲しいことがあるのですが、、、」

アリスがふわっとした優しい笑顔で

「なんですか?3サイズとか体重とかのことでなければ、お答えしますよ。」

「まず 何処に向かっているのですか?」

「私の家です。あと10分ぐらいで到着ですよ」

「アリスさんって社会人なのですか?」

「家業手伝いってとこですね。父の仕事を少しですけどね( *´艸`)」

「お父さんのお仕事ですか、、、(社長令嬢ってこと?(;´・ω・))」

そんな会話をしていると車は、高級住宅街のずば抜けて大きな屋敷の前に着いた。

リオンは言葉が出せないほど、驚いてしまった。

それもそのはずである。知らない人は居ないと言われる有名な資産家の所有の豪邸だったからである。

(聖、、、、まさか あの聖財閥?アリスさんはそこのお嬢様って事?(;゜Д゜))

呆然としていると、アリスがリオンの手を引っ張るように玄関に連れてきた。

「リオンさん こちらです。只今帰りました。」

玄関を開けるとそこには、メイド達が整列して待機していた。その奥には背の高いチョイ悪なダンデという感じのイケメンの男性と優しさと色気の入り混じった美女が立っていた。

「お帰りなさいませ。お嬢様」

メイド達が声を揃えアリスを出迎えた。

「おおぅ アリス お帰り! 遅いからお父さん心配しちゃったよ~(;゜Д゜)ん?そちらが神鬼リオン君かな?」

「お帰りなさい アリス そちらが神鬼リオンさんですね?この度は娘が大変お世話になったそうで、本当にありがとうございました。」

アリスの両親と思われる男女は深々と頭を下げた。

呆気に取られていたリオンは、我に返って慌てて手を横に振りながら

「いえいえ!!あくまでも人として当然の事をしただけですから!」

アリスの両親は微笑みながら声を揃えるかのように、こう言った。

「さすが!アリスの見染めた人物だ!」

「さすが!アリスの見染めた人物です!」

アリスは顔を真っ赤にして両親に嚙みつく様な勢いで言い放った。

「お父様!お母様!それは言わない約束だったでしょ!あとリオンさんにちゃんとご案内してください!」

「おおっと、自己紹介がまだだったね。私は聖サタフェル。そして妻のリシア 聖カンパニーグループの代表させてもらっているよ。」

簡単な自己紹介が終わると同時にアリスの母リシアが、客間を指差しながらこう言った。

「早速ですが、立ち話もなんですから、こちらで私達のお話を聞いてくださいませんか?」

客間に入って、リオンはまた意識がぶっ飛びそうなぐらいに驚いた。

驚くのも無理はないであろう。自分のアパートの何倍の広さの部屋に高級な家具や美術品の数々、そして

メイド達、ニヒルなオッサンと美女と美少女。リオンの生活では有り得ない状況だったからだ。

緊張しつつ促されるまま、椅子に座るとアリスが口を開いた。

「改めて先日は大変お世話になりました。そしてお礼をさせて頂きたいのですが、、、ダメですか?」

もはや必殺技と言ってもいい、上目遣いの潤んだ瞳でリオンに訴えかけてきた。

「お礼なんてとんでもない!当たり前の事をしただけですから!」

リオンは手を横に振りながらアリスを見ると、アリスは小悪魔スマイルでこう言い放った。

「あっ!では、こうしたらいかがでしょうか?私とお付き合いしていただけませんか?助けて頂いた時からずっと好きでした。(/ω\)」

「えーーーーーっ(;'∀') どうしてそうなるんすか?」

「リオン君ならアリスを守ってくれるだろう。何より誠実だしな。」

「そうですね。リオンさんの様な息子出来たら幸せですし、孫も、、、、あら、いやだ 私ったら」

「ですからーっ!話ぶっ飛びすぎてますって!結婚前提ってなってますッて!(;゜Д゜)」

「お父様、お母様、、、私とリオンさんのお付き合い認めてくださるのですね!良かったです、、、リオンさん不束者ですがよろしくお願いします。」

(この一家、、、ぶっ飛び過ぎる、、、これは逃げ道も退路もないのでは?詰んだ)

「あ、あの、、まともに話もしてない普通の会社員の自分なんて信用出来ないと思うのですけど、理由とかお聞きしてもいいですか?」

とリオンが腑に落ちない様子で3人に問いかけた。

「先ほども、お話させて頂いたのですが 私は父の会社のお手伝いをしている学生です。で リオンさんに一目惚れしちゃった乙女です。(*´▽`*)」

「ロマンスグレーが自慢のアリスの父で、人間界では会社代表、魔界では魔王やらせていただいているサタフェルです。(*'ω'*)」

「金髪ですけど日本人の心を持つアリスのママ 人間界は天然ママ、神界では神域の統治者なリシアですわ( *´艸`)」

三者三葉に説明を始めた。

「リオン君の疑問についてだが、私もリシアも人の本質を見抜く力を持っているんだよ。私は真実の邪眼という力、リシアは真実の天秤 人の世で言う超能力みたいなものだな。」

「リオンさんの全てを見抜けるという訳ではないですけどね。 アリスは二人の力を受け継いでいるので更に力が強いのですが、集中しないとダメみたいですけどね。」

「リオンさん?おーい!大丈夫ですか?」

アリスが小悪魔スマイルでリオンの顔を覗き込んだ。

リオンは全ての事が自身の知識、常識を飛び越え過ぎて理解できない状態だったせいか、その場に倒れ込んでしまった。それからどれだけの時間が経ったのか気が付くと、ソファーに横たわっていた。

「お?復活したみたいだな リオン君」

「あれ?ここは?サ、サタフェルさん?」

「急に倒れてしまったのでソファーに移動させてもらったんだよ。あとサタフェルさんは無しな?父上とかって呼んでくれたまえ(*´▽`*)」

「私はママ希望ですわ(*'▽')」

とんでもない2人の発言にまた気を失いそうになったリオンだったが、先程の話を受け入れる事にして、なぜ神族と魔族が夫婦なのか?という疑問を聞くことにした。

「なぜ神族と魔族が夫婦なのですか?」

「人間からすると疑問だろうね。本来神族と魔族の違いは役割の違いだけなんだよ。本来の目的を忘れた一部の魔族が人間に攻撃や悪事を働くので、悪いイメージが先行しただけなのだよ。」

「人間の方々に伝わりにくい線引きや役割がありますわね。私も主人も最高責任者ということです。」

「つまり人の言う善悪とかってことではないって事ですね?一部の魔族の方が悪行を行っていると、、、」

「徐々にわかってくれたら良いから リオン君」

「あとは、アリスの事を話さないといけないわね。アリスは人間界では体が弱くなってしまうのですよ。理由は神魔の血が濃すぎるのです。そこで人間界でアリスを支えて下さる方を探していた所にリオンさんが無償の心でアリスを助けてくださったという奇跡の出会いがあって、今に至るのです。」

サタフェルとリシアの言葉を聞き終えた後にリオンは今思っていることを素直に言葉にした。

「事の流れや状況はやっと飲み込む事が出来ました、、、僕もアリスさんは素敵な人だと思うし、嬉しいです。けど僕 何の取り柄もない普通の会社員ですよ?支える事なんてできるとは思えません」

アリスがリオンの言葉を否定するように

「あの不安に押しつぶされそうな時にリオンさんは、私を支えて下さいました。優しくて暖かい気持ちでいっぱいになりました。だからリオンさんじゃなきゃダメなんです(/ω\)」

と早口で言い終えると真っ赤になった顔を手で隠し、その場に座り込んでしまったアリスだった。

「という訳なんだよ。リオン君」

「ですわ。リオンさん」

「分かりました。僕でもお役に立つのなら喜んで!そして アリスさんとお付き合いさせて下さい!」

「リオンさん 嬉しいです。よろしくお願いします。」

「わがままな娘だが、よろしく頼むよ。リオン君」

「よかったわね~アリス リオンさんとこれから頑張るのよ。」

神と悪魔 その娘の勢いに半ば押し通されたリオンだったが、3人の言葉には妙な安心感と説得力があった。

「ところで、リオン君 君はどっちがいいのかな?」

「どっちとは?」

「私達の孫の性別ですわぁ~」

「お母様ったら、、、まだまだですわ。双子なら男女同時も(/ω\)」

「ぼ、僕っ プロポーズしましたっけ!?」

このぶっ飛んだ一家に一抹の不安を感じるリオンだった。










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