この靴裏を見れば
この靴裏を見れば
踏み付けたところが
よくわかる
滑り止めの溝が
そこだけ
無くなっているのだ
いつも
同じ靴裏になる
悲しく思えばいいのか
虚しく思えばいいのか
安い靴を履いて
踏み付けて進んだのは
アスファルト
新しい環境
今までなかった
楽しい空間
逃げずに存在でき
守られていたのだ
安い草履を履いて
擦り減らした物は
時間と精神
疑問に思うこと
今まで疑わなかった
明確な目標
逃げても構わない
教えられても
立ち向かうのだ
この靴裏を見れば
語るよりも
何かを考える
踵が擦り減り
足裏の真ん中あたり
溝が薄くなっている
踏み付けた物はあるが
踏み締めた物もある
大切な物なのか
譲れない物なのか
意味の無い靴を履いて
時間を捨てて来た
明確な物は
見当たらない
徒歩百歩
徒歩千歩
徒歩一万歩までは
いかない
日常生活の中では
安心の草履を履いて
見えなくした物は
擦り減った分だけ
足跡を焦がす
日常と気軽さを含んだ
その物は
年月が経つほど
鎮火することは無い
無情というには簡単で
地獄というには相応しくない
この靴裏を見れば
それでもと思い立つ
日の光に照らされて
汚れているのなら
靴用のコインランドリーもある
そんなに高い靴ではないから
それで事足りるのだ
足元の不確かさは
いつも頭を戸惑わせる
必要な土台なのだろう
この靴裏を見れば