俺、やらかしましたby騎士学生ロナルド・ガーランド
ヤッフー!一話の騎士くん再登場!ロナルド君を宜しく!
俺はやらかした。
彼女…アルベリア・S・ケルベルトは全て濡れ衣だったと知ったのは彼女が消えた翌日だった。
アルベリアとユミの話を聞いていて違和感を覚えた俺は、慌てて彼女の通っていた学部のクラスに訪問した。
すると入室第一声が
「何しにきたの?この人でなし」
だった。俺は取り敢えずの説明と弁解をするとその女子生徒は更に眦を上げ、怒鳴った。
「本当の事も知らない盆暗が今更知ってどうするの‼︎帰って!もうこのクラスとクラスメイト…ひいては当学部に来ないで下さい‼︎」
まさに門前払いだった。誰一人として口を開かない。この学部の学生、教師は勿論だ。
仕方が無いので身分を偽って制服を別で借りて聞きに行くと、漸く聞けた。
話によるとアルベリアはこの学部の向上に常に努めていて、行事の立案からユミの無駄遣いの処理まで全て一人で…そう、たった一人こなしてきたのだ。
寝る間も惜しんで立案し、全て一人でシミュレートし、各学部の学長の所を回り決定したりしてきた。
何よりこの学校のユミの無駄遣いによる経費の削減に対しても独自の手段でコストを下げコストパフォーマンスでその行事を行ったり、学生同士で話し合い、教師にも許可を取って集金してパーティを行ったりしていた。
あの半年前の茶会パーティも今いった方法で行われていたという。それを知らずに俺達はその日、彼女を罵っていたのだ。
『悪どい女狐がどうしてここにいる?』
『皆さん!この方にやられました』
思い出すだけでも自分達の愚行に吐き気がする。何でおぞましいことをしてたんだ…!
しかし、彼女はこの国に居ない。御者の男と忽然と消えたのだという。親に確認を取ると激昂して勘当を言い渡してしまったが、そうすれば泣いて謝ると思ったそうだ。が、本人はそれを粛々と受け、更には自分の御者が貶されると本気で怒鳴ったと言う。
考えられない…一体何故?
しかもそれだけで済めばまだ良かった。この国で財産管理をしてるのがケルベルト家だ。だが、実際に国庫運営をしていたのはアルベリア一人だという。
何でも親も面倒で手放していたら知らない間に運営していて国が回っていたそうだ。
お陰でこの親達は国庫運営が出来ないそうだ。以前より効率的な方法に変わっていたが、そのためのパイプラインがアルベリア独自のものらしく、運営方法が全く分からないという。
その所為で王族のパーティから国の催し物、ユミの浪費にも使えない事が分かり、王族から貴族全員が大慌てでアルベリアを捜索しているそうだ。
それでも見つかりそうに無い。
大変だ…このまま見つからなかったら以前の運営方法になるが、どう考えても今より悪い効率になり、国民達から不満が噴き出すのは目に見えている…
マズイ…非常にマズイ‼︎
「おお!ロナルド、良い所に居たな!」
「何ですか、皇子」
「あの女狐は見つかったか?」
「まさか…足取りひとつ掴めていませんよ」
「くそっ…このままでは国は廃れる一方だぞ…」
皇子…アダム・アルデヒド様は苛立ちを露わに床を蹴る。
しかし、この男は馬鹿なのか?と最近思い始めてしまった。幾ら俺があの事件は全てデマや特に問題の無い事だと説明しても『女狐に化かされただけだ!惑わされるな‼︎』などと言い出す始末。
俺はまた自分の部屋に戻り資料を掻き集め、目を通し始めた。
最後に見たあの質問の時、彼女は凛として答えた。まるで本音を全てぶちまけるように…
彼女は何がしたい?何の為にこんな事を…?
俺は深まる謎を頭の隅にしまい、捜索隊を再度結成、参加する為に部屋を後にした。
おまけ☆作者とロナルドの会話
ロナルド(以下、ロ)「な、何だここは⁉︎」
作者(以下、藍)「ココは作者の部屋だよ」
ロ・「き、汚ねえ部屋だな…しかも狭い」
藍・「うっさいわ!で、ここではちょっとした会話をしたいんだよね」
ロ・「は?」
藍・「取り敢えず、彼女居る?」
ロ・「ぶふっ⁉︎」
藍・「な、何かゴメン…」
ロ・「何故謝る⁉︎」
藍・「大丈夫…いつか青春が訪れるよ?」
ロ・「何故慰める⁉︎」
藍・「という訳で今回はここまで!またね!」
ロ・「待て!何が…おい待て…その角材は何だ?」
藍・「角材じゃないよ?不思議な睡眠棒だよ?」
ロ・「待てよ…振りかぶるなよ…いやあぁぁぁっ!」
藍・「グッバイ!」
ロ・「ぁぁぁ…あぶぅっ⁉︎」
それではまた次回。