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最後の最後のクリスマスイブ

さあ、最後の最後だ。フランクフルトで山男とひょうきんを下ろし、

シュトットガルトでボンボンと映画俳優を下ろす。

とにかくこの2週間無事終わってくれ。オサムとマメタンは


その足で思い切ってフルダに向かった。予想どうりだ三日間

すごい売れ行きだ。バイロイト地下道2日間。ニュルンベルク

2日間、その夜移動してミュンヘンのユースに入る。オオツキから


『追加頼む。不足間違いなし』・・・・返事を速達で出す。

『もう間に合わん。獣医から5マルクで分けてもらえ』


翌朝早く東へ、ドナウ川沿いの古都パッソウへ向かう。次の日、

南下してローゼンハイム、さらに西へケンプテン。いずれも虎の子

の小都市だ。もう昼も夜もなんだか分からなくなってきた。


毎晩バタンキュー、目が覚めるとここはどこ私は誰の朝が続いた。

あと二日だ。思わず夜中に”ナムミョーホーレンゲキョー”と

叫んでいた。そのまま眠り込む。もうどうでもいい。


いよいよ明日クリスマスイブ、ラストだ。商品1箱も残りそうにない。

思えば去年は血染めのクリスマスだった、あれから1年か。ヨーロッパ

最後のクリスマスイブはバイエルンの小都市ケンプテン。もうくたくただ。


そしてついにイブも終わった。もういいもういい。どうか皆無事で明日

デュッセルへ戻ってきてくれーっ。バタンキュー。翌日昼までひたすら眠る。


12月25日昼過ぎ、ボーっとしながらデュッセルへ向かう。ダンボールに

マルク札がびっしりだ。見る気も数える気もしない。夕方6時にデュッセル

に着いた。もう皆集まっていた。


「いやいや皆、ごくろうさん。それでは一人ずつ清算しようか」


各々、この2週間でさらに1000ドル以上を稼いでいた。この12月で

総売上は1200万円を超えオサムとマメタンの手取りは700万だった。

よくやった皆後は元気にまた旅を続けてくれ。イスラエル、映画俳優、山男、


ひょうきんの4人とここで握手して元気一杯別れた。あとにまた、オサム、

マメタン、オオツキ、オガワ、ボンボンが残った。オサムが、


「さあ、結婚式の準備や。ロンドンに花嫁衣裳を買いに行こう!」

「おお、そうやそうや、明日わしの車でみんなでいこう!」

カルマンギアのオオツキが言った。と、ボンボンが、


「ロンドンで残ったケッテ売ろうか?」

すかさずオガワが低音で、

「そうだね、やってみようか?」


もう、ゆとりの針金師たちであった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーつづく




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