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ハイデルベルクのお城の中で

ハイデルベルクはこじんまりとした美しい

森と川とに囲まれたすばらしい学園都市だ。

ユースから川を渡り大学内の学生監獄を見る。


理論闘争のきわみ、つるし上げられた学生が

ここに軟禁された。学生達の格調高い落書き

が四方の壁にびっしりと書かれている。


さしずめ欧州全共闘のアジトみたいだ。

お城の道を登る。城の入り口。狭いところに

3人のヒッピーが広げていた。どの作品も今


ひとつだ。ケッテを出せば売れるのにと思いつ

つ場所もなさそうなのでそのまま城内に入る。

ハイデルベルクのお城の見晴らし場の広い


スペース。町並みが全貌できる。観光客で一杯。

「あ、ここいいじゃん」

すぐに広げた。すると突然。


「ナイン。ニッヒト、ベック!」(あかん、帰れ!)

と怖い感じでドイツ人が声をかけてきた。見ると

先ほど入り口にいたヒッピーだ。ずっと我々を


つけてきたらしい。雰囲気で分かるのだ。

「アッソウ!」(ああそう)

といってすぐにしまった。彼はいろいろと情報を


教えてくれた。ヒッピーにも礼儀がある。ここは

国宝級のお城なので城内での販売行為はまかり

ならん、とのことのようだ。なるほど、姫路城の


中でやるようなものか。すいませんでした。

どのお城にもこのような見晴らし広場がある。

下は石畳でいろいろなイベントがこの広場で繰り


広げられたのであろう。不思議なことに欧州で

中世の時は日本でも中世で、ほぼ同時期に同じ

ようなことが世界で進行しているということは


誠に不思議極まりない。何か目には見えないが

我々も含めて宇宙には何か生命の法則というか

宇宙の意思というか、そんなものが厳然と存在


しているような気がしてならない。日常性の中

に埋没していると考え付く暇もないが、大自然

の何かに触れた時や、すごく孤独を感じたとき


などには必ずこの疑問が命の奥底から湧きあが

ってくる。オレって一体何なんだ?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーつづく

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